ヴァチカンのエクソシストの紹介:2023年アメリカ, イギリス, スペイン映画。カトリックの総本山ヴァチカンに仕え、生涯で数万回の悪魔祓いを行ってきた実在のチーフエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父(1925年~2016年)の回顧録『エクソシストは語る』を映画化したホラー作品です。本作がホラー映画初主演となるラッセル・クロウがアモルト神父を演じ、ある少年の悪魔祓いをしたことを機に強大な悪魔に立ち向かうこととなるアモルト神父と若き相棒の神父の闘いを描きます。
監督:ジュリアス・エイヴァリー 出演者:ラッセル・クロウ(ガブリエーレ・アモルト神父)、ダニエル・ゾバット(トマース・エスキベル神父)、アレックス・エッソー(ジュリア)、フランコ・ネロ(ローマ教皇)、ピーター・デスーザ・フェイグハニー(ヘンリー)、ローレル・マースデン(エイミー)、コーネル・ジョン(ルムンバ司教)、ライアン・オグレディ(サリバン枢機卿)、ラルフ・イネソン(悪魔の声)ほか
映画「ヴァチカンのエクソシスト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヴァチカンのエクソシスト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ヴァチカンのエクソシスト」解説
この解説記事には映画「ヴァチカンのエクソシスト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヴァチカンのエクソシストのネタバレあらすじ:起
1987年。カトリックの総本山ヴァチカンのローマ教皇に仕えるエクソシスト(悪魔祓い)のチーフ、ガブリエーレ・アモルト神父はスクーターに乗って目的地のイタリアのとある村を訪れました。
アモルト神父は地元の司祭と共に悪魔に憑りつかれた男の悪魔祓いを成功させましたが、この悪魔祓いはヴァチカンの許可を得ずに行われたことが問題視され、アモルト神父は枢軸卿たちに呼び出されました。アフリカ出身のルムンバ司教はアモルト神父に理解を示しましたが、アメリカ出身のサリバン枢軸卿は悪魔そのものの存在を疑問視していました。
アモルト神父は依頼の2%は実際に悪魔祓いを必要とする案件だが残りの98%は精神疾患などの医療を必要とする悪魔祓いの必要ない案件であり、今回の件に関しては悪魔祓いには該当しないと説明しました。アモルト神父は文句があるなら直接教皇に言えと告げてその場を後にしました。
ある日、アモルト神父は教皇からスペインのサン・セバスチャン修道院に行くよう命じられました。この修道院は以前から何度も問題を起こしているいわくつきの場所であり、教皇は嫌な予感がするので細心の注意を払うよう忠告しました。ヴァチカンに悪魔祓いの要請をしたのは、この教区を担当する若い神父トマース・エスキベルでした。
ヴァチカンのエクソシストのネタバレあらすじ:承
アメリカ人女性のジュリアはこのサン・セバスチャン修道院の修復の仕事のため現地にやってきました。夫を交通事故で失ったジュリアは10代の娘エイミーと息子ヘンリーの養育費を稼ぐためにこの仕事を引き受けたのですが、反抗期を迎えたエイミーは何かとつけてジュリアに反発し、ヘンリーは父が死んでから口を閉ざしてしまっていました。
子供たちのために一生懸命に働いていたジュリアでしたが、現場ではガスによる爆発などのトラブルが相次ぎ、次々と作業員が去っていってしまっていました。この頃からヘンリーは自傷行為に走るなど奇行が目立つようになり、ジュリアはヘンリーを病院に連れていきましたが身体は何も異常はないとの診断結果でした。
ヘンリーを精神科に診せるよう薦められ、困惑するジュリアでしたが、これまで一向に口をきかなかったヘンリーが重い口を開き、神父を連れてくるよう要求してきました。ヘンリーの声は自身の声ではなく、聞いたことのない別人の声でした。
ジュリアはこの教区担当のトマース神父を呼びましたが、ヘンリーはこの神父ではないと突っぱねてしまいました。エクソシストとしての訓練は受けておらず、悪魔祓いの知識を全く知らないトマース神父はヴァチカンにエクソシストの派遣を要請することにしました。
スクーターで修道院に到着したアモルト神父はトマース神父に決して悪魔の言葉に耳を貸さず相手にしない、ただ祈りを唱え続けろと助言しました。ジュリアとも会ったアモルト神父はヘンリーと対面し、早速悪魔祓いが始まりました。
ヴァチカンのエクソシストのネタバレあらすじ:転
すっかり変わり果てたヘンリーはアモルト神父に対して卑猥な言葉を吐くなど挑発してきました。アモルト神父は悪魔祓いの最初の段階として、悪魔なら名を名乗れと要求しました。ヘンリーに憑りついた悪魔はアモルト神父に過去の幻覚を見せてきました。
かつて第二次世界大戦時にパルチザンの一員としてナチスドイツと戦っていたアモルト神父は、仲間たちが次々と死んでいくなかで自分ひとりだけが生き残っていたことに罪悪感を覚え続けていたのです。ヘンリーの悪魔はアモルト神父のみならずトマース神父にも幻覚を見せ、トマース神父はかつて神父であり続けるために別れてしまった元恋人のことを思い出してしまいました。
悪魔の挑発にまんまと引っ掛かってしまったトマース神父を我に返ったアモルト神父が抑え、一旦部屋から出ることにしました。ジュリアと子供たちはアモルト神父と面識がなく、過去のことなど知る由もないはずなのに、ヘンリーはアモルト神父の過去を知っていたことから、アモルト神父は今回の件は精神疾患などではなく、ヘンリーは本当に悪魔に憑りつかれてしまっていると判断しました。そのうえでアモルト神父はこの修道院に何か問題があるのではないかと感づき、トマース神父と共に修道院内を探り始めました。
やがてアモルト神父とトマース神父は庭の井戸がカタコンベ(ローマ時代にキリスト教信者が信仰を守るために用いた地下墓所)の入口であることに気付きました。そこにはヴァチカンの紋章があり、更に地下に潜っていくと隠し部屋があり、無数の骸骨と共に1体だけ檻の中に入れられていた骸骨を発見しました。
アモルト神父はこの場所で異端尋問(中世以降のカトリック教会において正統な信仰に背いた異端者、もしくは疑いをかけられた者を裁くための尋問)が行われていたことを知り、この檻は悪罵祓いに失敗した者を幽閉するのではなく守るためのものであること、すなわち悪魔に憑りつかれた修道士が自らの身と共に悪魔を封印するためのものだったことに気付きました。
ヴァチカンのエクソシストの結末
アモルト神父はヘンリーに憑りついた悪魔の目的は最初からエクソシストである自分であり、自分に憑りつくことでヴァチカンを内部から崩壊させようと企んでいることに気付きました。アモルト神父はトマース神父と共に悪魔と対峙しましたが、今回の悪魔は一筋縄ではいかないほど強く、ヘンリーのみならずエイミーにも憑りついてきました。
アモルト神父はジュリア一家を救うべく自らが犠牲になる決断をし、自らの身に悪魔を憑りつかせました。トマースは必死で祈りを捧げ、アモルト神父が完全に悪魔に乗っ取られないよう必死で呼びかけつづけました。トマースは再び悪魔から幻影を見せつけられましたが屈せず、何とかアモルト神父を我に返らせることに成功しました。こうしてアモルト神父とトマース神父は協力し、悪魔を退治することに成功しました。
その後、この修道院はヴァチカンによって清められ、内部にあった資料に関する研究が始まりました。ルムンバ司教から世界各地には他にも悪魔祓いを必要としているところがあると聞いたアモルト神父は、今や頼れる相棒となったトマース神父と共にこれからも悪魔祓いに挑み続ける決心をしました。
以上、映画「ヴァチカンのエクソシスト」のあらすじと結末でした。
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