ロイドの要心無用の紹介:1923年アメリカ映画。恋人に見栄を張った男性が、思わぬ騒動を巻き起こしていくコメディ&アクション。恋人ミルドレッドとの結婚資金を稼ぐため、1人田舎から都会に出て来た青年ハロルド。彼はミルドレッド宛の手紙にすぐ出世したと綴り、高価なプレゼントも贈った。しかし実際のところはデパートの下っ端セールスマンであり、家賃も払えないほどの貧乏生活。ところがハロルドの手紙を真に受けたミルドレッドが都会へやって来てしまう。別題は「ロイドの用心無用」。主演を務めるのは、チャールズ・チャップリンやバスター・キートンらと並ぶ世界の三大喜劇王ハロルド・ロイド。彼が時計台の針にぶら下がる場面はあまりに有名であり、現在も評価され続けている傑作コメディである。
監督:サム・テイラー、フレッド・ニューメイヤー 出演者:ハロルド・ロイド(ハロルド)、ミルドレッド・デイヴィス(ミルドレッド)、ビル・ストローザー(ビル)、ノア・ヤング(警官)、W・B・クラーク(売り場の上司)ほか
映画「ロイドの要心無用」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロイドの要心無用」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ロイドの要心無用」解説
この解説記事には映画「ロイドの要心無用」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロイドの要心無用のネタバレあらすじ:始まりの嘘
アメリカの田舎町、グレート・ベンド。青年ハロルドは、町の期待を一身に背負って都会へ出ようとしていました。仕事を見つけて落ち着いた頃に恋人ミルドレッドを呼び寄せ、結婚すると約束します。ミルドレッドは出世出来なかったら絶望だと嘆き、頑張ってと念を押しました。
数ヶ月後。ハロルドは友人ビルと同居しながら、家賃も払えない貧乏生活を送っていました。ディヴォア百貨店で下っ端セールスマンとして働き、今のところ出世は夢のまた夢です。しかしミルドレッドに心配をかけたくないと思い、毎週書く手紙には目覚しい業績を上げ出世していると嘘を書きました。
蓄音機を質に入れたり、なけなしの給料を全て使ったりして高価なペンダントも贈ります。ミルドレッドはハロルドが立派にやっているものと信じ、結婚の期待に胸を膨らませました。
ロイドの要心無用のネタバレあらすじ:ビルの特技
ある土曜日、仕事を終えたハロルドは、偶然同郷の警官ジムと再会します。挨拶を交わした後ビルと合流したハロルドは、2人でジムにイタズラを仕掛けようと言い出しました。知人である自分が謝ってやるので、ジムを突き飛ばして来いと唆したのです。
ビルは戸惑いつつ、指示された通りにジムを突き飛ばしました。ところがそれはジムではなく、全く別人の警官です。激怒した警官に追いかけ回されたビルは、得意の壁登りで逃げ切りました。するする高い建物の壁を登っていくビルの姿に、周囲の人々は感心して足を止めます。警官は今度見かけたら必ず逮捕すると憤慨して去っていきました。
ロイドの要心無用のネタバレあらすじ:逆転のチャンス
ある日、仕事中のハロルドは思いもよらない人物と再会します。故郷にいるはずのミルドレッドが、ハロルドに会いに来たのでした。彼女の母親が、男性が都会で一人暮らしするのは危険だと囁いたため、内緒で職場を訪ねて来たのです。恋人との再会にハロルドは飛び上がって喜び、彼女と強く抱き合いました。ところがすぐに自分が重ねてきた嘘を思い出し、顔を青くします。
ハロルドは同僚や上司相手にまるで上役であるかのように振る舞い、それを見たミルドレッドは出世を確信して大喜びしました。そんな中、ハロルドは支配人室に呼び出されます。支配人はやって来たハロルドに解雇を告げました。ハロルドは肩を落とし、支配人室を出ます。
するとミルドレッドはハロルドが支配人にまで昇進したのだと勘違い。オフィスが見たいとはしゃぐ彼女を宥めていたハロルドは、支配人が席を外したのを見計らって部屋に案内しました。入れ代わり立ち代わりやって来る従業員を何とか誤魔化し、疲労困憊でミルドレッドを部屋から連れ出します。
するとミルドレッドが支配人室にバッグを忘れたと言い出し、ハロルドは重い足取りで取りに戻りました。ドアの前でウロウロしていたハロルドは、支配人達の会議の声を耳にします。支配人は、店に人を大勢集めるような斬新なアイディアを出した者に1000ドルを与えると言い出しました。ハロルドはこれを好機と見て支配人室に飛び込みます。
ロイドの要心無用のネタバレあらすじ:集客のアイディア
ハロルドは、人々の目を釘付けにしたビルの壁登りを思い出していました。そこでビルに連絡し、12階建てのボルトン・ビルに500ドルで登ってくれないかと頼みます。ビルもその提案に飛びつきました。計画の成功を確信したハロルドは、明日また百貨店を訪ねて来るようミルドレッドに言います。その際に結婚しようと告げ、彼女をホテルに帰しました。
翌日。ハロルドが仕掛けた集客アイディアが新聞に載り、街は大騒ぎになります。新聞には、謎の男が決死のビル登りをすると書かれていました。それを見て目の色を変えたのは、ビルに突き飛ばされた警官です。彼は謎の男の正体がビルだと気付き、逮捕するためボルトン・ビルで待ち構えることにしました。
ボルトン・ビルの周辺には、壁登りを見物しようと黒山の人だかりが出来ています。やって来たビルは警官を見つけ、このままでは出ていけないと焦りました。ハロルドはあの手この手で警官を遠ざけようとしますが、警官の方も執念深く戻って来てしまいます。
そこでビルは、ハロルドに2階まで登るよう提案しました。ビルは2階で待機し、ハロルドが到着し次第入れ替わろうというのです。ハロルドも2階までなら何とかなるだろうと承諾し、群衆の前に出て壁を登り始めました。
ロイドの要心無用の結末:決死の壁登り
道具も命綱もなしに、拙い手つきで壁を登っていくハロルド。ようやく2階に到着し、ビルと入れ替わろうと窓を覗きます。すると現れたのは、ビルではなく警官でした。実は少し前に警官がビルに気付き、建物内で彼を追いかけ回していたのです。
逃げるビルはもう1階上に行けと指示しました。ハロルドは仕方なく登り続けますが、3階の窓には見物客が詰めかけており、ここでもビルと交替出来ません。ビルはいつまで経っても警官を撒くことが出来ず、もう1階上へ、もう1階上へと指示を繰り返しました。何度も足を踏み外したハロルドは、危うく落ちそうになり時計台の針にしがみついてぶら下がります。
難所を越え、ネズミと戦い、足にロープが絡まって宙吊りになりつつ、結局最後まで登り切ったハロルド。屋上には慌てて駆けつけたミルドレッドが待っていました。下を見ると、ビルはまだ警官に追われています。ハロルドとミルドレッドが幸福の中歩き出し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ロイドの要心無用」のあらすじと結末でした。
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