シチリア・サマーの紹介:2023年イタリア映画。1980年にイタリア・シチリア島で実際に発生した事件を元にしたラブストーリー作品です。育った艦橋も性格も異なる二人の少年が偶然にも出会い、やがて心を通わせ合っていきますが、二人の行く先には悲劇が待ち受けていました・・・。
監督:ジュゼッペ・フィオレッロ 出演:ガブリエーレ・ピッツーロ(ニーノ)、サムエーレ・セグレート(ジャンニ)、シモーナ・マラート(リーナ)、ファブリツィア・サッキカル(カルメラ)、アントーニオ・デ・マッテオアル(アルフレッド)、エンリコ・ロッカフォルテ(フランコ)、ジュゼッペ・スパータ(チッチョ)、アレッシオ・シモネッティ(トゥーリ)、シモーネ・ラッファエーレ・コルディアーノ(トト)、ジュディッタ・バジーレ(イザベッラ)、ロベルト・サレーミ(ピエトロ)、アニータ・ポマーリオ(ジュゼッピーナ)ほか
映画「シチリア・サマー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シチリア・サマー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「シチリア・サマー」解説
この解説記事には映画「シチリア・サマー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シチリア・サマーのネタバレあらすじ:起
1982年、初夏のイタリア・シチリア島。この年はイタリアがサッカーワールドカップに出場した年であり、島全土も熱狂の渦の中にありました。この島に住む16歳の少年ニーノは両親と姉、姉の幼い息子トト、叔父たちからたっぷりの愛情を注がれて育ってきました。ある時、ニーノは卒業祝いとして、家族から腕時計とバイクをプレゼントされました。
別の町に住む17歳の少年ジャンニは整備工場で整備助手として働いていました。ジャンニは同性愛者であり、そのことで町中からバカにされていました。ジャンニは抵抗することもなくただ耐え続ける日々を送っていました。
ジャンニがゲイであることを町中に言いふらした少女ジョゼッピーナは、自分のせいでジャンヌが迫害されていることに後悔していました。そこに地元グループのリーダー格でジョゼッピーナの恋人であるトゥーリが現れ、ジャンヌを助けました。トゥーリはジャンニにも関心を寄せていました。
ジャンニの母リーナは整備工場の経営者であるフランコと同棲しており、ジャンニもフランコの家に住まわせてもらっていました。フランコはジャンニがまた問題を起こしたら矯正施設に入れると息まいていました。
シチリア・サマーのネタバレあらすじ:承
ある日、ジャンニは町から遠く離れたところに住む客にバイクを納車しに行くよう命じられました。出発しようとしたジャンニはトゥーリから関係を持つよう迫られ、納車するバイクに乗って逃げ出しました。一方、ニーノは買ってもらったバイクで自由気ままに走って楽しんでいましたが、たまたまトゥーリやその仲間に追われていたジャンニのバイクと衝突してしまいました。
トゥーリと仲間は逃げ出し、ニーノは意識を失ったジャンニに人工呼吸を施しました。ニーノは息を吹き返したジャンニに自分の住所と連絡先を告げ、何かあったら連絡するよう告げて去っていきました。その後、ジャンニは何とか納車の仕事を終えて帰宅しました。
翌日、ジャンニはバスに乗ってニーノの家に向かいました。ニーノは家族に昨日の事故の話をし、ジャンニは花火師であるニーノの父アルフレッドのもとで働かせてほしいと頼みました。アルフレッドは花火師の仕事は間に合っているとして、自身の兄ピエトロが責任者を務める採石場の仕事を斡旋してくれました。ジャンニはニーノ一家と食事を共にし、今まで味わったことのない家族の優しさと温かさに触れました。
ジャンニはフランコの工場を辞め、アルフレッドに紹介してもらった採石場で働き始めました。ニーノはジャンニに見せたい場所があると言い、ニーノしか知らない川の入り江に連れて行きました。二人はそこで一緒に泳ぎ、互いの夢を語り合いました。ニーノはアルフレッドの跡を継いで花火師になる夢を語り、ジャンニはこれから探すと語りました。
ジャンニはその働きぶりを認められ、ニーノの家族とも親交を深めていきました。ところがそんなある日、ジャンニをいじめている者が採石場で働くようになりました。ジャンニは仮病を使って早退し、心配したニーノはジャンニの家を訪れたところ、リーナはジャンヌはまだ帰ってきていないと答えました。そこにトゥーリが現れ、ジャンニはゲイであることを暴露してしまいました。
シチリア・サマーのネタバレあらすじ:転
アルフレッドは持病の喘息が悪化したことにより仕事ができなくなりました。折しも町は祭りを控えていたことから、ニーノは自分がアルフレッドの代わりに花火を上げると言い、ジャンニも手伝いを申し出ました。ニーノが打ち上げた花火は市長から褒められ、それ以降はとんとん拍子にニーノたちに各地の夏祭りから仕事が舞い込んできました。
町中がW杯に浮かれていた最中、家族や親族が観戦している間にニーノはジャンニの手を引き、誰もいない納屋へ行きました。あくる日、ニーノとジャンニはある祭の帰り道で雨に出くわし、路地で雨宿りをしながら抱き合いました。ところが、この様子をニーノの母カルメラの知人が見てしまったことからニーノとジャンニの運命は暗転していくこととなりました。
リーナはジャンニを家まで送ってきたニーノを見て、ジャンニがニーノに想いを抱いていることを悟りました。翌日、カルメラは知人からニーノとジャンニのことを聞かされ、動揺してしまいました。この日を境に、ニーノの家族や親族はジャンニに冷たい態度を取るようになっていきました。
カルメラはリーナから電話を受け、ニーノはまだ引き返せると言われました。アルフレッドはいつものように花火の準備をしていたニーノとジャンニのもとに向かい、ニーノをジャンニと引き離すとジャンニに二度と来るなと告げました。
帰宅したニーノはアルフレッドや叔父からジャンニとの関係を厳しく追及されました。ニーノは仕方なく否定せざるを得ませんでした。この日を境にニーノとジャンニは一切会うことはなくなり、ニーノはいつもの日常へと戻っていきました。
シチリア・サマーの結末
リーナはジャンニにこうするしかなかったと告げました。ジャンニも受け入れざるを得ませんでした。ジャンニは再びフランコの整備工場で働くことになり、町のならず者たちからいじめられる日々に戻っていきました。見かねたリーナはジャンニを矯正施設に入れることにし、ジャンニはリーナに別れを告げました。
その頃、ニーノの家では家族や親戚たちがW杯に熱狂していました。どうしても熱狂の輪に加わる気になれないニーノは一人で花火のデザインスケッチを見つめていました。そこに義理の兄チッチョ現れ、ニーノに「秘め事も100年隠し通せばバレない。俺がアメリカ人たちと何をしているかだって誰も知らないのだから」と言いました。この言葉に背中を押されたニーノはバイクに乗ってジャンニの家に向かいました。
町中がイタリア代表の活躍に熱狂するなか、ニーノはジャンニを連れ出して外に出ました。そして秘密の入り江に辿り着いたニーノとジャンニは愛を確かめ合い、木陰でくつろいでいました。その時、突然銃声が鳴り響き、映画はイタリア国旗が置かれたニーノのバイクを映し出して幕を閉じます。
以上、映画「シチリア・サマー」のあらすじと結末でした。
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