春琴抄(しゅんきんしょう)の紹介:1976年日本映画。明治初期の日本。美しい盲目の女性春琴と、彼女に献身的に仕える佐助の激しい愛と絆を描く。究極の愛を貫く二人の姿を、のちに結婚する山口百恵と三浦友和が熱演。原作は谷崎潤一郎の同名小説である。
監督:西河克己 出演者:山口百恵(お琴(春琴))、三浦友和(佐助)、中村竹弥(鵙屋安佐衛門)、津川雅彦(美濃屋利太郎)ほか
映画「春琴抄(1976)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「春琴抄(1976)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「春琴抄(1976)」解説
この解説記事には映画「春琴抄(1976)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
春琴抄のネタバレあらすじ:お琴に心酔する佐助
舞台は明治の大阪。薬種問屋鵙屋の娘お琴は、9歳で病により失明してしまいました。しかしそれから琴の稽古に励み、自他ともに認める名手にまで成長します。容姿も非常に美しいお琴ですが、両親の溺愛もあってか性格は少々傲慢でした。鵙屋の奉公人である佐助は、店の仕事のほかにお琴の世話も任されていました。お琴に献身的に尽くすうちに、佐助自身も三味線を密かに練習するようになります。しかし番頭に見つかり激しく叱責されてしまいます。それを知ったお琴は佐助を弟子に迎え、厳しい稽古をつけるのでした。
春琴抄のネタバレあらすじ:思わぬ事態
佐助は弟子入りをきっかけに、お琴の世話を一手に引き受けるようになります。そんなある日、大きな地震が大阪を襲いました。突然の揺れに盲目のお琴は怯えます。そこへ真っ先に駆けつけたのが佐助でした。地震を境にお琴は態度を少しずつ軟化させます。しばらくしてお琴の妊娠が発覚しました。両親が問い詰めても、お琴は父親が誰なのか話そうとしません。おそらく相手は佐助だろうと見当をつけますが本人たちは強く否定します。結局父親は分からないまま、赤ん坊は里子に出されました。その後お琴の父鵙屋安佐衛門と師匠が相次いで亡くなり、お琴はかねてより許されていた「春琴」を名乗り、佐助と共に家を離れ音曲の教室を開くことにしました。
春琴抄のネタバレあらすじ:利太郎の企み
教室を開いた春琴のもとへ様々な門下生が集います。中には春琴の腕前より、その美貌に惹かれてやってくる者もいました。名家の若旦那、美濃屋利太郎もその一人でした。彼は別邸の新築祝いに、春琴に琴を演奏して欲しいと頼みます。渋々出向いた春琴と佐助。利太郎は食事の席で春琴と佐助をわざと引き離します。一人別室に通した春琴を抱き寄せようとしますが、激しく抵抗され額に傷を負ってしまいました。騒ぎを聞いて駆けつけた佐助に伴われ、春琴はその場を後にします。プライドを傷つけられた利太郎は、春琴への憎しみを募らせていくのでした。
春琴抄の結末:盲目の師弟
ある夜、春琴の家に一人の男が侵入しました。男は眠る春琴に近づき、その顔に熱湯を浴びせます。春琴の悲鳴に佐助が慌てて部屋に入りましたが、男を捕らえることはできず、春琴は顔に酷いやけどを負ってしまいました。男は利太郎が雇ったならず者でした。利太郎は春琴への復讐として、美しい彼女の顔にやけどを負わせたのです。春琴はすぐに治療を受けましたが美貌は損なわれてしまいました。春琴は佐助にだけはやけどで爛れた顔を見られたくないと悲嘆します。それを聞いた佐助はある決心を固めます。部屋で一人きりになった佐助は、針で自分の両目を刺しました。白くぼやける佐助の視界。春琴が呼ぶ声に応じようとしますがうまく歩けず、庭に落ちてしまいます。這うように近づいて来た春琴に、佐助は自分も盲目になったこと、春琴のやけどなど見えないことを伝えます。佐助の激しい忠義と愛情に胸を打たれた春琴は涙を流します。盲目の師弟は感触で互いを確かめ合い、この物語も終幕を迎えます。
以上、映画 春琴抄のあらすじと結末でした。
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