フライト・ゲームの紹介:2014年アメリカ,フランス映画。家庭の問題から酒に溺れるビルの仕事は航空保安官である。人生に苛立ちながらも彼は任務の為に飛行機に搭乗するが、彼の携帯電話に奇妙なメッセージが届く。ハイジャックとも取れるそのメッセージを探る内にビルはハイジャック犯に仕立て上げられ、飛行機は未曾有の危機と混乱に襲われる。飛行機という密室でショートメッセージが不気味に不安を掻き立てるサスペンス映画。
監督:ジャウマ・コレット=セラ 出演者:ビル・マークス(リーアム・ニーソン)、ジェン・サマーズ(ジュリアン・ムーア)、ベッカ(クイン・マッコルガン)、ナンシー(ミシェル・ドッカリー)、マレニック(シェー・ウィガム)、ジャック・ハモンド(アンソン・マウント)、ザック・ホワイト(ネイト・パーカー)、トム・ボーウェン(スクート・マクネイリー)ほか
映画「フライト・ゲーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フライト・ゲーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フライト・ゲームの予告編 動画
映画「フライト・ゲーム」解説
この解説記事には映画「フライト・ゲーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フライト・ゲームのネタバレあらすじ:起
ビルは航空保安官ですが、家庭の問題で酒に溺れていました。苛立ちが隠しきれず、空港入口で他愛なく行き先を聞いてくる青年に冷たい対応したりしますが、初めての一人旅で怯える少女の落し物を拾ってやったり、娘から受け継いだお守りのリボンで不安を払ってやろうとする優しい一面もあります。しかし、飛行中トイレの煙感知器を誤魔化してタバコを吸う等、素行不良が目立ちます。彼がファーストクラスの席に戻ると保安回線を使った携帯にメッセージが届きます。メッセージの主はビルのタバコや酒の事を知っており、彼を見張っているような事を言います。そして20分後に誰か殺すと脅迫し、指定口座への大金の振込みを要求しました。ビルは携帯のアラームを20分後に設定し、対応を始めます。ビルはエコノミークラスに行き、乗客の一人、ハモンドに脅迫の事を相談します。彼も航空会社の人間らしく元警官でした。ビルは機長にも脅迫を受けている事を相談しますが、信用の無いビルの言葉ではハイジャックとして処理するのを渋ります。一応緊急着陸の段取りは整えてくれました。ビルは警備モニターで機内をチェックしようとしますが人手が足りません。馴染みの乗務員ナンシー以外にもう一人乗務員は居ますが、欠員の交代要員なので信用できません。ビルは、窓際の席を求めて席を交換して貰い、偶然隣に座ったジェンにチェックを頼みました。ビルは脅迫相手にメッセージを送ります。警備モニターでは、ジェンとナンシーが携帯電話を弄っている人物をチェックしていきます。何人かが容疑者として浮上していく最中、ハモンドも対象に入ります。ビルは違う筈だと言いつつも、鞄を持ってトイレに行くハモンドを追います。彼が銃を出し妙な抵抗を示したので押さえ込みます。ハモンドは分け前をやると言い出し、銃口を向けたのでビルは止むを得ず彼を殺しました。その瞬間アラームが鳴りました。
フライト・ゲームのネタバレあらすじ:承
メッセージが新たに届き、また20分後に誰かを殺すと宣言されます。もう一人の航空保安官ハモンドは結果的に犯人ではなく、ビルに20分後の殺人を起こさせる罠でした。ハモンドの携帯は便器に落ちて水を被ってしまいました。機長から報告を受け当局TSAのマレニックから連絡が入ります。彼は口座の名義がビルだと言います。そして機長に銃とバッチを取り上げさせました。しかしハモンドの事は隠しました。携帯電話の事で悩んでいると、ジェンは水を被ったくらいではと起動させて見せます。ハモンドの携帯を調べると彼も脅迫を受けており、鞄にはコカインが詰まっていました。彼は密輸に関わっておりその事でトイレに呼び出されていました。ビルはナンシーに、罠に掛かってハモンドを殺した事を打ち明けます。そして乗客を勝手に犯人を探し始めました。ビルはさっきチェックした人物達を次々と検査し始めます。その騒ぎを聞きつけたマレニックから解任を告げられながらもビルは、空港の入口で声を掛けて来た青年、トムを見付けます。トムを尋問すると、彼は見知らぬ男に金を渡され声を掛けろと指示されたと言います。ビルはトムを最後尾の空いた座席に拘束します。その時また20分が来ました。一瞬機体が降下し、持っていたハモンドの銃を落としますが、容疑者候補の一人はそれをビルに蹴り返します。操縦室では機長が毒殺され、ビルは容疑者候補のアラブ系の医師に助けを求めます。犯人はこれをショーとして楽しんでいるようで、新たな20分が設定されました。
フライト・ゲームのネタバレあらすじ:転
ビルは副操縦士に当時の状況を聞きますが、要因の特定は出来ませんでした。ビルは機長が取り上げた銃を回収し、マレニックに機長とハモンドの死を報告します。しかしマレニックはビルをハイジャック犯として扱い始めました。焦り、対応に悩むビルは、ジェンが席を替わって貰った青年ザックがプログラマーで、携帯のサイレントモードをウィルスを使って解除することができる事を知り、ザックにそれを依頼します。ビルはザックが準備が終わるまでの間、ビジネスクラスの出入りを禁じます。横暴なビルに容疑掛けられた幾人かが打開策を打とうと相談を始めました。ザックの準備が終わり、ビルはウィルスを送信します。その時着信音が鳴ったのは、容疑者候補の弁護士が持つ携帯でした。弁護士は自分の携帯ではないと抗弁しますがビルは彼を後部に連行しようとしますが、弁護士が突然苦しみだします。そして機長と同じ症状で死亡しました。その時また20分を告げるアラームが鳴ります。乗客達は容疑者候補を中心に医師を問い詰め、機長の死亡等を聞きだします。その一人警官の男が、911テロを思い浮かべビルに対する実力行使を計画し始めます。そのビルはトイレに入り、現実逃避のように酒を飲み、タバコを吸います。その時、タバコの煙が壁の向こうに流れていくのを見つけました。そこには穴が開けられており、良く調べてみると吹き矢の矢が残されていました。最後にトイレを使った老婦人に聞くと、彼女の後ジェンの不審な行動が浮かび上がります。ビルが彼女に隣に座った理由を詰問します。彼女は不機嫌に隠せない胸の傷を示し、自分が重度の心臓病患者で大手術をした事を告白、死ぬときぐらいは外を眺めたいからだと言います。ビルはジェンの潔白を信じ、弁護士の持っていた携帯電話を調べます。すると突然各所に手段は尽きたとメッセージを送り、カウントダウンを開始します。そして先ほどから機内の乗客が見ているニュース番組等はビルがハイジャックをしたと報道していました。航空保安官の問題点も指摘しており、それをヒントにビルはハモンドの鞄を再度調べます。そしてコカインの下には爆弾が仕込まれていました。
フライト・ゲームの結末
報道等で既に信用を失っていたビルを、乗客達が取り押さえます。銃を奪われ向けられた彼は現状を話し、娘の死から逃げ、アルコールに浸る人間失格の自分を告白し、だが乗客を救いたいと皆を説得します。彼の真摯な態度に説得に応じた乗客達はビルに協力し、後部に運んだ爆弾の爆風を最小限にする為、ありったけの荷物をその上に重ね始めます。警官の男には銃を渡し、副操縦士に爆発に備えて安全高度まで降下するように頼みます。しかし911テロ以降ハイジャック機は、迂闊にその高度まで下げると撃墜される事になっていました。それでも5分後に降下するよう頼み込みます。飛行機はアイスランドへ向かい、乗客は一体となり爆発に備えの準備は着々と進んでいます。先程ビルを押さえる時に負傷した警官の鼻を見た医師はそれを矯正してやり、怯えるベッカにジェンは窓際の席を譲ります。ビルがTSAに電話を掛け状況を説明すようすると、まだ犯人扱いされ金は入金した言われました。その根拠として、乗客がネットにアップした最初に拘束騒動を起こした時の動画がある事を知り、ビルはその乗客に動画を見せるよう詰め寄ります。その動画には、ビルがトムを拘束し、そのトムが、弁護士のポケットに携帯電話を忍ばせているシーンがはっきりと映っていました。そしてザックも共犯で、警官から銃を奪い彼を撃ち、ビルに銃を捨てさせます。トムは911テロの遺族でその後仇をとる為従軍します。だが国は変わっておらず、その中でも空の安全性は出来ていないと感じていました。今回の事件は、その警告意味を込めていました。ザックは用意しておいたパラシュートで脱出準備始めます。しかし脱出する前に戦闘機に撃墜される危機に陥っている事を知りませんでした。トムは気付いておりザックにその事を隠していました。トムの真の狙いは飛行機と共に死ぬ事で殉教者になる事でした。あくまでの金が目的のザックは対立し、トムは彼を無情にも撃ちます。そんなやり取りを見ていたビルは、空いている座席のベルトを手首に巻き始めます。その仕草を見ていたナタリーは、間もなく飛行機が降下する事に気付きます。そして飛行機は急降下を始めます。慌ててるトムを尻目に、急速降下の影響で浮き上がった拳銃をビルが取り、トムを撃ちます。そして、まだビルに抗うだけの元気を残していたザックを爆弾の上に殴り倒すと、その瞬間起爆しました。部品を撒き散らしながら緊急着陸に入る飛行機ですが、なんとか着陸し乗客の命は救われました。着陸し、ビルにマレリックから電話が入ります。彼はビルの為に無実の証言をする約束しました。乗客皆に感謝されるビル、彼は職務を見事に全うしたのでした。
以上、映画フライト・ゲームのあらすじと結末でした。
「フライト・ゲーム」感想・レビュー
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飛行機という密閉された特殊な空間で、一体誰が犯人なのか、誰なら信用に値するのか、ということがわからずに進んでいくのがスリル満点で見入ってしまいました。
ビルは人を屈服するための地位は持っていながら、乗客からはなかなか信用されません。その描写がえぐくて、ビルの孤独感を思うと胸が痛かったです。
ビルの全ての行動を把握できているのは映画の視聴者のみで、登場人物たちは一体何が真実なのかわかっていない、という描き方が面白かったです。 -
飛行機という密室的な空間で犯人を探し出す。なんともスリリングなストーリーでした。犯人が誰かわからない。だから、あの人が怪しい、この人が怪しい、やっぱりあっちの人が怪しい。みんな怪しく見えてしまいました。結果、真犯人は意外な人物でした。
ハラハラしながら食い入るようにして観ていた割には、途中のストーリーというのは実はあまりよく覚えていません。けっこう複雑に入り組んだ展開だったせいでしょう。ただ、印象的なシーンは覚えています。クライマックスの着陸シーンで、飛行機の外壁がふっとび、窓際の少女が外へ吸いだされそうになるのを、ビルが必死に引っぱるところです。字幕では「放さんぞ」となっていました。あそこが一番好きです。弱い者をヒーローが救う。これ、冒険映画の基本じゃないでしょうか。