ニュー・シネマ・パラダイスの紹介:1989年イタリア,フランス映画。ローマに住むサルヴァトーレの元に一本の電話が入る。それは長年離れていた故郷の母親からだった。知らされたのはサルヴァトーレの幼い頃からの友であり恩師でもあるアルフレードの死。彼は若い頃の記憶を思い出していた。まだトトと呼ばれていた小さな頃、彼は運命的な出会いをする。小さな村の映画館で出会った少年と映写技師の友情を描く。
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 出演:フィリップ・ノワレ(アルフレード)、ジャック・ペラン(サルヴァトーレ)、サルヴァトーレ・カシオ(トト(サルヴァトーレ・少年時代))、マルコ・レオナルディ(サルヴァトーレ(青年時代))、アニェーゼ・ナーノ(エレナ)、プペラ・マッジオ(サルヴァトーレの母)、レオポルド・トリエステ(司祭)、エンツォ・カナヴァレ(パラダイス座支配人)、レオ・グロッタ(劇場の案内人)ほか
映画「ニュー・シネマ・パラダイス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ニュー・シネマ・パラダイスの予告編 動画
映画「ニュー・シネマ・パラダイス」解説
この解説記事には映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ニュー・シネマ・パラダイスのネタバレあらすじ:電話
自由な生活を送るサルヴァトーレの元に故郷の母親から電話が入る。三十年間一度も連絡をすることもなかった彼に届いたのは大切な存在アルフレードの死だった。二人の出会いははるか昔に遡る。まだサルヴァトーレがトトと呼ばれ学校に神父の手伝いにと動き回っていた幼い頃、彼の興味は村に唯一ある映画館の存在だった。人々が数少ない娯楽として映画を楽しむ中トトは映写室に興味を示す。そこには教会の都合で切り取られたフィルムが散乱していた。その多くはキスシーンだった。その映写室で出会ったのが村で唯一の映写技師アルフレードだった。初めは子供に関わることを避けていた彼だったがいつしか二人に不思議な友情が生まれ始めた。
ニュー・シネマ・パラダイスのネタバレあらすじ:火事
村で唯一の映画館は人々の間で大人気だった。しかしそれが悲劇を呼んでしまう。ある夜あまりの盛況ぶりに映画館に入れない人達が騒ぎを起こしていた。それを鎮めるためアルフレードは屋外にフィルムを映した。喜ぶ彼らにトトとアルフレードもまた喜びその様子を眺めていた。しかし少し目を離したその隙に映写機から炎が上がった。それはみるみる燃え広がりついには映画館は全焼。アルフレードも両目の視力を失うほどの大火傷をおってしまう。その後映画館は協力者により新たにオープン。アルフレードはトトに映写室の全てを任せることにした。
ニュー・シネマ・パラダイスのネタバレあらすじ:恋
それから数年が経ってからも相変わらずトトは映写室にいた。そしてその頃彼は運命的な恋をする。それは遠くからこの村に越してきたエレナという少女だった。一目惚れをしたトトはエレナに長い日数をかけ思いを伝えた。あまりに長いその時間にトトはついに諦めかけた。しかしその思いはついに叶った。それから夢のような時間を過ごした二人。しかしそれも長くは続かずエレナは大学進学のためトトは徴兵され二人は村を離れた。そしてトトが村へ戻った時エレナの行方は分からなくなっていた。そしてアルフレードは久しぶりに帰ってきたトトにある話をする。
ニュー・シネマ・パラダイスの結末:フィルム
アルフレードはトトに村を出るように言った。トトには人生がある。小さな村で一生を終えるな、そして出たらすぐには帰ってくるなと。それはアルフレードの愛ゆえの言葉だった。そしてトトは故郷を離れた。以来三十年彼は一切連絡も取らず過ごしていた。実に三十年ぶりの帰郷。村は大きく変わっていた。車が多く以前よりも活気が溢れているようだった。そしてあの映画館は数年前に閉館し今では廃墟と化していた。アルフレードの葬式のあと彼の妻からトトに一本のフィルムが渡された。生前トトに渡すよう言われていたのだという。トトはローマへ帰りそのフィルムを再生した。すると始まってすぐキスシーンが流れた。次から次へと流れるキスシーンの数々にトトは思わず涙を流した。
「ニュー・シネマ・パラダイス」感想・レビュー
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好きな映画は?という質問の答えによく出てくるこの映画、意外にも出だしは暗い雰囲気から始まります。老齢に入りつつある主人公サルバトーレ(子供のころのあだ名がトト)の、ままならない人生の鬱屈の描写から、母親からの古い友人の訃報を聞くシーンを経て、やがて生まれ育った小さな村での生活の回想がはじまります。古いき友人?いやむしろ恩人でしょうか?映写技師のアルフレッドとの交流、そしてゆっくりとした時の流れを描きつつも衝撃的な映画館の火災のシーン、やがてラストのアルフレッドからの形見となったフィルムの上映のシーンへ。当時検閲で不可となったキスシーンなど、ハサミで切り捨てていたフィルム片がアルフレッドからのプレゼントでした。目まぐるしく映る様々なキスシーン何とも幸せな気分になるラストシーンです。
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映画は何度も観ましたが素晴らしいストーリーと曲が大好きです。特に最近は曲をユーチューブでオーケストラで観て聴きますが色んな場面を思い出され心が癒されるように思えます。改めてモリコーネの偉大さを感じました。
何度見ても号泣してしまう大好きな映画です。
イタリアの小さな村で生まれ育ったトトと村唯一の映画館の映写技師アルフレッドの年齢を超えた友情が素敵です。
一番泣けるのはトトが村を出ていく日、アルフレッドがそれを見送るシーン。トトのために、あえて「村には帰ってくるな」と突き放すようなことをつげるアルフレッド、彼のトトへの深い愛情と、二人の別れに涙が止まりません。
数十年後にアルフレッド葬儀のため久しぶりに故郷へ帰ったトトは、彼が生前トトへと残したフィルムを受け取り、一人でそれを見るのですが、そのシーンで見せるトトの表情の、いろんな感情が詰まったような感じがとても印象に残ります。