時計じかけのオレンジの紹介:1971年アメリカ映画。荒廃した近未来のイギリスの街。夜の街にはギャングがのさばり毎夜闘争が繰り広げられる。ギャングをひきいるアレックスは高校生。学校には通わず昼夜逆転の生活。彼が率いるギャングの悪行は日に日にまして、そして彼は・・・。
監督:スタンリー・キューブリック 出演:マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、ウォーレン・クラーク、ジェームズ・マーカスほか
映画「時計じかけのオレンジ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「時計じかけのオレンジ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
時計じかけのオレンジの予告編 動画
映画「時計じかけのオレンジ」解説
この解説記事には映画「時計じかけのオレンジ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ1
アレックスは高校生である。しかし、学校には通わずギャングを率いて夜のイギリスの街を練り歩く。テムズ川を歩いていると、汚らしい酒くさいじいさんに会う。じいさんは歌い、世の若者は年寄りをいたわらないという。拍手するアレックスであるが目が血走っている。もっているスティックでその老人を叩きのめす。何度も。何度も。
時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ2
アレックスは何事もなかったように仲間四人を連れてバーに向かい麻薬入りの牛乳を飲む。次の悪行の計画を立てているのだ。そして、彼はある作家の家に向かい自動車が壊れて動けない。外は酷い雨だ、家に入れてくれと懇願する。怪しんだ作家の婦人は拒んだが、作家はいれてやれといってアレックスをいえぬ招き入れてしまった。そして、彼らは作家の妻を犯し老作家に散々暴力をふるう。
時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ3
ありったけの宝石やら時計やらを盗んだアレックスは家に帰り部屋の引き出しに持ち帰った財宝を投げるようにいれベートーベンの交響曲第九番のレコードをかけ眠りにつく。悪行の果てそして、仲間から裏切られるアレックスは等々警察に捕まる。警察に捕まったアレックスは模範生としてすごすがある日噂を耳にする。それは刑務所の収容人数が限界を越え刑務所の人間をいち早く更生させる薬があるというのだ。
時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ4
彼は見事それに選ばれる。医者の付き添いのもと映画館につれられ暴力映像を見せ続けられる。しかし、目を閉じれないのだ!気持ちが悪くなってもアレックスの体は拘束されているため見ないでいるわけにはいかない。そして交響曲第九番がながれる。アレックスは叫ぶ!やめてくれ!それは僕の大好きな音楽なんだ!
時計じかけのオレンジの結末
晴れて出所することになったアレックス。かつて暴力をくわえた老人が彼に殴り掛かろうとするもアレックスは吐き気を催して対抗できない。また、悪友の二人が警察官になりアレックスに暴力を加えるもアレックスは反撃できない。気持ち悪くて仕方ないのだ。ついにアレックスは身を投げて自殺を図る。しかし、奇跡的に助かったアレックス。政府のこのような政策は国民から反感をかい、大臣はアレックスと接触を試みる。そして、彼を再び“更生”させることに。
以上、時計じかけのオレンジのあらすじと結末でした。
時計じかけのオレンジのレビュー・感想
ショッキングな映像の数々を大胆かつ芸術的に綴る。そしてクラシックの音楽に登場人物の個性的なキャラクター。監督であるスタンリーキューブリックが鬼才と呼ばれる所以でしょう。
あまりにも普通の映画とはひと味もふた味も違うとにかく衝撃的な作品・時計じかけのオレンジでした。見るべき映画のひとつと言えるでしょう。多数の造語(イン・アウトやヤーブルとか)も、時計じかけのオレンジ独特の世界観を醸し出しています。
デザインセンスも極めて秀逸で、ミルクバーの女体のオブジェ、自室の壁の大股開きの女のポスター、チ○コの形した美術品等、一歩踏み外せば猥せつ扱いされそうなものばかり・・。 そういえば時計じかけのオレンジの原作ではアレックスがベートーベンを聴きながらオナニーするシーンもありました。
映画の作りも革新的で、クラシック音楽を基調にしながら、ウルトラバイオレンスシーンやスローモーションを駆使した同士討ちのシーン、元仲間から報復されるシーンでの独特の効果音等、観る者をトラウマにさせてしまうパワーがあります。強姦シーンで襲われる女の子も妙に巨乳だったりするし。
時計じかけのオレンジのオープニングやエンディングの単一色だけで見せる映像、上目遣い、大げさなリアクション等々、時計じかけのオレンジが最もキューブリック節が炸裂しており、同監督初体験の方にオススメかもしれない。
時計じかけのオレンジはキューブリック監督SF三部作の最終作とされている作品で、公開当時から思い描いてみた近未来という設定はちょうど現在に当てはまります。いや、本当に現在社会って、確実にこの世界と重なっていますね。勿論、アウトローな世界での話ですが。
「時計じかけのオレンジ」感想・レビュー
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スタンリー•キューブリック監督のスタイリッシュな映像の中で暴力的悪夢とそれを更生しようとする管理社会の滑稽さをアイロニーたっぷりに描いた問題作。18才の頃に観ましたがかなりトラウマになりました。カルト映画といえば本作を挙げる人も多いと思います。恐ろしいですが悪は魅力的にも映り、ウルトラバイオレントミルクバーのシーンはかっこいいと思ってしまうスタイリッシュさがあります。ベートーベンの第九が主人公アレックスの高揚感を表すのに効果的に使われています。
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レンタルビデオ産業がすっかり定着しているにも拘らずなかなかビデオ化されなかったのは暴力描写の過激さが要因になっていたのか?たしかにバイオレンスな描写はあるのだがそれ以上に歪んだ近未来の世界観が観る者に奇妙な印象を与えているようだ。キューブリックの強烈な個性が炸裂した1本だと思われる。あの「2001年宇宙の旅」と同じ監督が撮ったのか?と思える程、ギャップがある。
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ディストピア世界に没入してしまう、一度見たら忘れられない映画です。過激な暴力シーンは見るのに辛い部分もありますが、コスチュームデザインも見どころの一つなので、ファッションを勉強されている方はぜひ一度観てみることをお勧めします。真っ白なシャツとパンツにファールカップ、片目だけのアイメイク、主人公アレックスのコスプレが未だに人気なのもうなずけます。作中に登場するインテリアのセンスも素晴らしいです。
映画好きなら1度は見ておくべきだと、知人に言われて見てみましたが、ある種のカルトムービのようで私には合わなかった。なぜ、この作品がこんなにも評価されているのか私には理解できない。お金持ちの婦人を男3人がよってたかって暴行し、金品を強奪すると書くととても恐ろしいことが起こっているように思えるが、本作だとなんか間の抜けた感じがしてならないのだ