キリマンジャロは遠くの紹介:2016年日本映画。元刑事で取り立て屋をする男が、入院先で知り合った喫茶店経営のマスターのコーヒーに惚れ通ううちに、マスターが麻薬取引のヤクザ達の罠にはまっていくという作品です。片桐竜次の俳優生活45周年を記念して、和製ノワール作品として作られ、片桐竜次自身初主演作となります。
監督:柏原寛司 出演者:片桐竜次(杉村)、長谷直美(みつこ)、石原あつ美(ゆい)、河西健司(みつこの恋人)、四方堂亘(柳田)、田中俊(青木)、武蔵拳(刑事)ほか
映画「キリマンジャロは遠く」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キリマンジャロは遠く」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「キリマンジャロは遠く」解説
この解説記事には映画「キリマンジャロは遠く」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キリマンジャロは遠くのネタバレあらすじ:起
飲み屋のつけの取り立てをする元刑事の杉村が、今日も依頼を受けた取り立てを終って帰っています。その時、黒塗りの車から降りてきた3人に襲われ、太ももの裏をナイフで刺され、回収した金を奪われてしまいます。血まみれで倒れ込んだ杉村は、その様子を見ていた若い女性に「警察を呼んでくれ」と頼みます。怖くなった女性はその場を逃げてしまいます。
目覚めた杉村はベッドにいました。隣のベッドには、腰の手術をした柳田がいて話しかけます。柳田は「コーヒー飲みますか?」と言って差し出します。飲んだ杉村は「この味だったら店が出せる」と言うと、柳田は「喫茶店のオーナーです」と言って”喫茶みつこ”のマッチを渡しました。
そこへ元同僚だった刑事がやってきます。刑事は杉村を襲った犯人とつながっているようで「被害届を出さないなら、奪われた金もここの治療費も見てやる」と言って帰ります。
柳田が「もう一杯飲みますか?」と言い、コーヒーの味に惚れた杉村は飲みます。
退院した杉村は、犯人さがしを始めますが手がかりがつかめません。昼間、喫茶みつこに立ち寄ります。”みつこ”はキリマンジャロコーヒーの専門店で「一生に一度行ってみたい場所がキリマンジャロなんです」と言いながら柳田がコーヒーを出します。杉村は「病院で飲んだのと味が違う」と言います。柳田は「あのコーヒーはわけがあって売り物じゃないんです」と言いながらコーヒー豆の瓶を指さしたのです。
キリマンジャロは遠くのネタバレあらすじ:承
杉村は目撃者の女性探しを始めます。女性がスイーツの袋を持っていたことから調べると『キリマンジャロインパチェンス』という母の経営する花屋で働いていることがわかります。杉村は女性・ゆいを訪ね「ここで待っている」と言って”みつこ”のマッチを渡します。
その後、杉村は”みつこ”で刑事と話していました。しきりに「かかわらないでくれ」と言う刑事が帰ると、柳田が「一緒に店やらないか?」と誘ってきます。そこへゆいが入って来ます。「よく覚えていないけど、顔を見たらわかるかも」と言うゆいと柳田を連れだします。
ヤクザやチンピラの集まるバーへ連れて行き、ゆいに顔を見させます。すると一人の男が見つかり、杉村は「オレから奪った金を返せ」と迫ります。男が暴れ出すと、杉村が殴り倒します。回りの客が加勢すると、元ボクサーの柳田が順番にKOしていきます。そこへボスの青木が現れ、杉村に札束を渡しますが、受け取らず置いて帰りました。
翌日、”みつこ”のアルバイト店員が「この店売ったら借金返せるんじゃない」と言い残し辞めていきます。柳田には多額の借金があり、アルバイトの女の子にまで借金していました。やがてゆいも”みつこ”に通うようになり、「あのキリマンジャロが飲みたい」と瓶を指さします。柳田は「これは、ある人のためのキリマンジャロなんだ。でもその人はまだ来ていない」と言ったのです。家に帰ったゆいは、母に「キリマンジャロの美味しい店があるの、一緒に行こう」と誘います。
キリマンジャロは遠くのネタバレあらすじ:転
”みつこ”に青木がやってきます。杉村が「オレを狙わしたのはお前か?」と聞きます。青木は「あいさつがわりだ」と答え、「オレの仕事をやらないか?金を運ぶだけで50万だ」と持ちかけ、杉村が断ると「老いては子に従えと言うだろう」と言います。青木は杉村の息子だったのです。
店を出た青木を柳田が追いかけ「その仕事、私にやらせてくれ」と頼みこみます。柳田は杉村に過去を打ち明けます。「キリマジャロを飲ませたい人は、25年前に別れた女房だ。しがないボクサーのオレをずっと支えてくれたのに気づかなかった。女房がいなくなってから一番大切な人だと分かった。その名前がみつこです」と言いました。
夜になり、取り立てを行っている杉村にゆいから電話がかかります。ゆいをカフェに誘うと、ゆいが話しはじめます。「私が小さい頃に母が離婚して、お父さんの事を知らないんです。その後、母はキリマンジャロに行って、キリマンジャロインパチェンスの花の虜になって店を始めたのです。店の名前はその花の名前です」と言います。聞いた杉村が「お母さんの名前は?」と聞きます。ゆいは「みつこ」と答えます。ゆいは柳田の娘だったのです。
柳田が青木に会いに行きます。青木はヤクザで、この街を牛耳っていて「あいつはオレが高校時代に覚せい剤をやっていたことを知り、手加減せず殴った。そのせいで片目が潰れた。そんなことがあり、あいつは刑事を辞め母と離婚したんだ」と言います。
ゆいを家に送った杉村は、みつこが恋人の車で帰ってくるのを見ます。調べると、みつこの恋人は大富豪で豪邸に住んでいました。みつこはゆいに「結婚してもいい?」と聞きます。ゆいは「いいよ」と言いますが本心ではありませんでした。
キリマンジャロは遠くの結末
柳田が金を持って取引現場に向います。そこで待ってたのは密入国者で、青木らがやって来ます。青木は密入国さに「ヤクは全部オレに回せ」と言って一人を射殺して脅します。そして「親父の代わりに貧乏くじを引いたな」と柳田に言います。「最初からハメたのか」と聞く柳田を青木が射殺してしまいます。
みつこと恋人の家に行った帰り道、ゆいが「キリマンジャロを飲みに行こう」と誘います。”みつこ”に入るとカウンターに杉村がいました。「あの人に合わせて」と言うみつこに「殺されました」と言いながら、杉村はみつこ専用のコーヒーを出します。みつこは「出て行くとき置いていったのに、私の事忘れずに持ってたんだ」と言います。
杉村は拳銃を取り寄せ、柳田の復讐を誓います。ゆいが、身元引受人となり柳田が持っていたキリマンジャロツアーの申し込み用を杉村に見せます。杉村は「君が行ったらお父さんは喜ぶ、店も君がやったらいい」と言います。
そんな頃、青木らがゆいを拉致します。「ゆいが戻らない」と言うみつこの電話を聞き、杉村は刑事を呼び「誰に言わないから、青木のヤサを教えろ」と迫ります。そして杉村は一人で乗りこみ、手下を一人ずつ殺します。青木に銃弾を撃ちこみますが、自分もくらってしまいます。青木を追い詰めると、ソファーに座って待ち構えています。
「オレはアンタのクローンだ。オレを殺せばアンタも死ぬんだよ。自殺しろよ」と青木が迫ります。二人同時に発砲します。杉村の弾は青木の頭を撃ち抜きます。青木の銃を確認すると弾が入っていませんでした。杉村は拳銃を刑事に渡し、歩いて帰ります。刑事は車で杉村を追い射殺します。
以上、映画「キリマンジャロは遠く」のあらすじと結末でした。
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