クワイエット・プレイス 破られた沈黙の紹介:2020年アメリカ映画。音を立てたら、超即死――。2018年に公開され、大反響を呼んだ新体感サバイバルホラー『クワイエット・プレイス』の続編です。些細な音に反応して人間を襲う怪物に夫を殺された主人公が、3人の子供たちと逃避行を続けながら怪物以外の脅威にも見舞われる様を描きます。
監督:ジョン・クラシンスキー 出演者:エミリー・ブラント(イヴリン・アボット)、ミリセント・シモンズ(リーガン・アボット)、ノア・ジュープ(マーカス・アボット)、キリアン・マーフィー(エメット)、ジャイモン・フンスー(島の長)、ディーン・ウッドワード(ボー・アボット)、スクート・マクネイリー(桟橋の男)、アリス・ソフィー・マリコワ(少女)、オキエリエテ・オナオドワン(警察官)、ウェイン・デュヴァル(ロジャー)、ジョン・クラシンスキー(リー・アボット)ほか
映画「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クワイエット・プレイス 破られた沈黙の予告編 動画
映画「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」解説
この解説記事には映画「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クワイエットプレイス破られた沈黙のネタバレあらすじ:起
1日目。
静まり返った田舎町リトル・ファールズの大通り。リー・アボット(ジョン・クラシンスキー)は愛車のピックアップトラックで雑貨屋に乗り付け、オレンジ数個とミネラルウォーターを買いました。店主夫妻は店のテレビで、とある場所で“大惨事”が起こったというニュースを見ていました。
この日はリーの長男マーカス(ノア・ジュープ)が出場する野球のリトルリーグの試合の日でした。雑貨屋の裏手にある公園の野球場にはリーの妻イヴリン(エミリー・ブラント)、長女のリーガン(ミリセント・シモンズ)、次男のボー(ディーン・ウッドワード)も観戦に訪れていました。
聴覚障害のあるリーガンは耳に補聴器をつけています。試合にはアボット一家の知人であるエメット(キリアン・マーフィー)の一家も訪れていました。リーはエメットに“飛び込め”の手話を教えました。
マーカスが打席に立ったその時、上空から光り輝く巨大な隕石が飛来してきました。試合は中断され、人々はその場から避難を始めました。リーガンはリーのトラックで、マーカスとボーはイヴリンの車で帰宅することにしました。
リーは近くにいた警察官(オキエリエテ・オナオドワン)に何が起こったのか訊こうとしましたが、そこに四つん這いで歩く正体不明の怪物が現れ、パトカーを跳ね飛ばしました。リーは慌てて逃げようとしましたがトラックのエンジンがかからず、やむなく徒歩で逃げることにしました。
一方、イヴリンの車も謎の怪物に襲われそうになりました。イヴリンは大混乱に陥った町から逃げようとしましたが、怪物に乗っ取られたバスと危うく正面衝突しそうになりました。
リーとリーガンは近くのレストランに逃げ込み、店内の人々と共に息を殺してやり過ごそうとしました。ところが、客のひとりの携帯電話が鳴り、その音に敏感に反応した怪物が店内に突入してきました。リーとリーガンは店の裏口から逃げ出しました。警察官はショットガンで怪物を撃ちましたが全く効かず、怪物に襲われて惨殺されてしまいました―――。
クワイエットプレイス破られた沈黙のネタバレあらすじ:承
474日目。
(1日目から474日目の間に起こった出来事は前作『クワイエット・プレイス』を参照。リーとボーはこの時点で既に怪物に殺害されている)
イヴリンはショットガンを手に、リーガン、マーカス、そして産まれたばかりの赤ん坊と共に怪物から逃れ続けていました。イヴリン一家は怪物に襲撃された農家に立ち入り、物音を立てないように慎重に移動しながら生活物資や酸素ボンベなどを入手しました。リーガンは手にしたニューヨーク州の地図にチェックを入れていました。
イヴリンは赤ん坊に酸素マスクをつけ、防音加工を施したトランクケースの中に入れると、リーガンやマーカスを連れて草原地帯を移動し始めました。一家は物音を立てぬよう裸足で歩き続け、廃線を通り、トンネルを潜り抜け、立ち入り禁止になっている廃工場へと足を踏み入れました。
ところが、イヴリンは足元に張られていたワイヤーに足を引っかけてしまい、侵入者警報の鳴り物を鳴らしてしまいました。イヴリンたちは慌てて逃げ出しましたが、今度はマーカスが仕掛けられていたトラバサミの罠にかかって足を怪我してしまいました。イヴリンは苦痛で声を上げそうになったマーカスの口元を必死で抑えましたが、そこに雑音を聞きつけた1匹の怪物がやってきました。
しかし、イヴリン一家は前作で怪物の弱点と撃退法を突き止めており、リーガンがラジオから発した高音波に怪物が苦しみ出して頭部の殻を開きました。その隙にイヴリンは弱点である露出した頭部にショットガンを撃ち込んで怪物を倒しました。
廃工場の内部に逃げ込んだイヴリン一家は途中でサングラスとマスクの男に遭遇、男に誘導されながら工場への奥へと進んでいきました。イヴリンたちは現れた怪物たちから逃げ続け、地下に続くダクトからボイラーの内部へと逃げ込みました。
男の正体はリーの友人だったエメットでした。エメットは息子を怪物に殺され、妻も病気で亡くしていました。エメットはマーカスの手当てをしながら、イヴリンたちが怪物の弱点を突き止めていたことに驚きました。エメットはリーが生前に焚いていた生存を示す合図の炎の存在に気付いていましたが、人間不信に陥っていたエメットはそれを無視していました。
そんな時、雑音しか発しなかったラジオから「ビヨンド・ザ・シー」という曲が聞こえてきました。それを聴いたマーカスやリーガンはもしかしたら生存者がいるのではと考えましたが、エメットは4ヶ月も前からその曲は流れており、かつてイヴリンたちが潜伏していた谷まではラジオの電波が届かなかったことを説明すると、「生き残った人間は危険だ。信用できない」と忠告しました。
その夜、リーガンは寝ていたマーカスを起こし、地図を見せました。「ビヨンド・ザ・シー」の曲の内容は“海の向こう”を指し示しており、リーガンは廃工場まで電波が届く範囲にある放送局が徒歩1日圏内の波止場に近い孤島にあることを突き止めたのです。リーガンはマーカスに、島の放送局から怪物の弱点である高周波を流すという作戦を説明しましたが、マーカスは危険だとして反対しました。リーガンは「パパが生きていたらやっていた」と説得しました。
クワイエットプレイス破られた沈黙のネタバレあらすじ:転
翌日、マーカスが目を覚ますとリーガンの姿はなく、ラジオを聴き続けるようにとの書き置きがのこされていました。イヴリンはエメットにリーガンを連れ戻してくれるよう頼み、エメットは引き受けることにしました。
リーガンは無線機とショットガンを手に廃線跡を歩き続け、怪物に襲撃されて廃墟と化した列車を見つけました。列車内には怪物に殺された人々の死体が転がっており、リーガンは車掌室にある救急箱を持っていこうとしましたが、そこに車掌の死体が倒れてきたため思わず悲鳴を上げてしまいました。
その時、悲鳴を聞きつけた怪物が現れました。リーガンは怪物に無線機の高音波を浴びせ、怪物が苦しんでいるうちにショットガンで頭をブチ抜こうとしましたが仕留めきれませんでした。リーガンが危機に陥ったその時、現れたエメットが怪物にとどめを刺しました。エメットはリーガンに帰ろうと説得しましたが、リーガンの意志は固く、エメットも仕方なく彼女についていくことにしました。
翌朝。イヴリンはマーカスに赤ん坊を託し、必要な物と痛み止めを調達するために廃工場の外に出ました。途中でイヴリンはリーとボーの墓参りをし、墓に結婚指輪を備えました。そしてイヴリンは町の薬局で痛み止めと包帯、酸素ボンベ2本を入手しました。一方、マーカスは赤ん坊をあやしていましたが、赤ん坊をボイラーに残すと上階のエメットが生活している場所へ向かいました。
ところが、そこでミイラ化したエメットの妻の遺体を見つけたマーカスは思わず物音を立ててしまい、慌てて地下のボイラーへ逃げ込みました。その直後、物音を聞きつけた怪物が廃工場内に現れ、地上とボイラーを結ぶダクトを破壊してしまいました。マーカスと赤ん坊はボイラー内に閉じ込められ、密閉されてしまったため中の酸素も少しずつ失われていきました。
その夜、リーガンとエメットは波止場に辿り着きました。二人は桟橋に係留されている1隻のモーターボートを奪おうとしましたが、そこで生存者と思しき少女(アリス・ソフィー・マリコワ)を見つけました。エメットが少女に歩み寄ったその時、少女はエメットの首にロープをかけ、待ち構えていた港町の男たちが襲い掛かってきました。エメットはリーガンに手話で“飛び込め”と指示し、リーガンは海へと飛び込みました。
エメットはリーダー格の男(スクート・マクネイリー)に足を刺されて悲鳴を上げ、それを聞き付けた怪物たちが現れて港町の男たちを殺戮し始めました。海に飛び込んだエメットは、怪物が泳げずに溺れるのを目の当たりにしました。怪物のうち1匹がモーターボートに飛び移り、リーガンは別の小型船を調達してエメットを助けました。怪物を乗せたモーターボートはそのまま沖合に流されていきました。
クワイエットプレイス破られた沈黙の結末
廃工場に戻ってきたイヴリンはダクトが失われていることに気付きました。イヴリンは酸素ボンベのうち1本を油が溜まっている場所に置き、怪物を誘き寄せると拳銃で酸素ボンベを撃って爆発させ、怪物を焼き殺しました。イヴリンはスプリンクラーを作動させて怪物を攪乱し、その間に地下に潜ってマーカスと赤ん坊のいるボイラーに逃げ込みました。イヴリンは今度は換気口は確保しておきました。
一方、リーガンとエメットは島に辿り着き、そこで生き残っていた人々を見かけました。島の長(ジャイモン・フンスー)はリーガンとエメットを歓迎し、自分たちは怪物が地球に飛来してきたその日にニューヨークからこの島に逃げてきたことを語りました。リーガンは自らの補聴器を島の長に見せました。
翌朝、エメットは島の海岸で息子を偲んでいました。すると海岸には沖合に流されたはずのモーターボートが漂着していました。嫌な予感を感じたエメットは急いで集落に戻り、人々に避難するよう叫びましたが、エメットの不安は的中し、集落では怪物が人々を襲っていました。
島の長は車のクラクションで怪物を引き付け、リーガンとエメットを車に乗せるとラジオの放送局へと向かいました。しかし、島の長が入口のシャッターを開けたところで怪物に殺されてしまい、リーガンとエメットは放送室へと急ぎましたが、部屋のドアを開けた際の軋み音に怪物が反応してやってきてしまい、エメットは自分が怪物を引き付けている間にリーガンを放送室内に淹れました。
リーガンは「ビヨンド・ザ・シー」のレコードの音を拾っていたマイクに補聴器を取り付け、高音波を流し始めました。エメットにとどめを刺そうとしていた怪物は途端に苦しみ始め、リーガンはマイクスタンドの鉄パイプを怪物の露出した頭部に突き刺して殺害しました。
その頃、廃工場ではイヴリン、マーカス、赤ん坊がボイラーに身を隠していましたが、怪物はボイラーのすぐ近くまで迫っていました。怪物はボイラーの扉を開けようとし、イヴリンは足を引っ掻かれて負傷してしまいましたが、その時ラジオから高音波が流れ、怪物はもがき苦しみ出しました。リーガンが作戦を成功させたことを確信したマーカスは、イヴリンの拳銃で怪物の頭部を撃ち抜いて殺害しました。
以上、映画「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」のあらすじと結末でした。
余計なBGM・効果音を一切使わずに静寂を大事に演出を作り出しているところはどこかしら日本独自のワビ・サビを感じました。洋画ではあるが、日本らしいところを感じる理由なのかもしれません。そしてそこがこの映画が作り出すホラーチックな味を出しています。ちょっと変わったホラー洋画を見たい方におすすめです。