ひとつの太陽(原題:陽光普照 A Sun)の紹介:2019年台湾映画。優秀な兄に劣等感を抱えながら幼少期を過ごしたアーフーは、いじめられたオレンを懲らしめるためにツァイトウと共に事件を起こします。この事件をきっかけに家族の歯車が大きく崩れる台湾のヒューマン映画です。中国の映画祭の一つ「金馬奨(第56回ゴールデン・ホース・アワード)」で作品賞を含む5冠を制した作品。
監督:チョン・モンホン 出演:ウー・ジェンホー(アーフー)、チェン・イーウェン(アーウェン)、コー・シューチン(アーフーの母親)、グレッグ・ハン(アーハオ)、ほか
映画「ひとつの太陽」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ひとつの太陽」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ひとつの太陽の予告編 動画
映画「ひとつの太陽」解説
この解説記事には映画「ひとつの太陽」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ひとつの太陽のネタバレあらすじ:起
アーフーとツァイトウは、盗んだバイクで2人乗りをし、ナタを持ってあるレストランに押入り、オレンという男の腕を切り落とします。アーフーはオレンにいじめられており、ツァイトウに頼んでオレンを懲らしめる計画でした。2人はすぐに捕まり少年院に収容されます。
アーフーの両親は疲労困憊の中、アーフーが15歳の女の子シャオユーを妊娠させた知らせも受けます。シャオユーは10年前のバス火災事故で両親を亡くしており、それからはシャオユーの母の妹が母親代わりでした。そのこともあり、アーフーの母親はシャオユーをしばらく引きとることにします。
アーフーの父親アーウェンは自動車学校で働いています。その職場にオレンの父親が何度もやってきて、賠償金150万ドルを払えと要求され、アーウェンは強く拒絶をします。そして、その賠償金はツァイトウの家族に請求されます。
アーフーの母親はクラブで美容師をしており、そこでシャオユーも働かせて面倒をみます。アーフーの兄アーハオは、予備校に通って医大を目指している、家族の期待の星でした。アーハオはその予備校でグオ・シャオゼンという女の子と出会い、仲を深めていきます。
ひとつの太陽のネタバレあらすじ:承
シャオユーはアーフーと会いたいと思っていたため、アーハオと面会に行くことにします。しかし、面会は家族しか許されませんでした。そこでアーハオだけがアーフーと面会をすることに。そのときにシャオユーの妊娠の話をすると、アーフーは妊娠のこと自体知りませんでした。そこからアーフーは怒りだし、強制的に面会は終了します。
ある夜、アーハオは自宅から飛び降り自殺をして亡くなってしまいます。両親はひどく落ち込みました。手錠がかけられたまま、アーフーはアーハオの葬式に参加しました。アーフーは優秀だった兄が嫌いでしたが、葬式場では涙を静かに流しました。
その後、シャオユーは無事に赤ちゃんを出産しました。しかし、結婚して家族にならないと二人は面会ができません。そこで、アーフーは少年院に入ったままシャオユーと結婚しました。
ひとつの太陽のネタバレあらすじ:転
当初3年の予定でしたが、1年半でアーフーは少年院を退院しますが、父親だけが迎えに来ませんでした。実家で奥さん子供と暮らしながら、昼間は洗車場で働き、深夜はコンビニでアーフーは働きました。
アーフーが戻ってきてから、アーフーを避けるようにしてアーウェンは職場で寝泊りするようになります。帰ってきてから二人は一言も口を聞いていません。
そんな中、アーフーが働いているコンビニにアーウェンがやってきます。二人はコンビニの前で話し、「自分は出て行くから家に戻ってきてほしい」とアーフーに言われます。母親はクラブで働いていましたが、シャオユーのためにも美容院を開きたいと計画します。
ひとつの太陽の結末
3年後、オレンの腕を切ったツァイトウが、アーフーの職場にやってきます。ツァイトウは少年院に3年間収容され、最近退院をしました。商売を始めたいから150万ドルを貸してほしいと言われますが、アーフーはそんな金はないと断ります。するとツァイトウに「この銃弾で議員事務所を撃て。そしたら金のことは忘れてやる。」と言われ、アーフーは実行します。アーフーは賠償金のことについて何も知っていませんでした。アーフーはこの事件で容疑にはかけられませんでしたが、ニュースを見たアーウェンは息子がやったと気づきます。
アーウェンはツァイトウが働く闇金の事務所を訪れます。アーウェンはお金を用意し、ツァイトウから息子を離そうとしましたが、賠償金のせいで家が差し押さえになってしまったことをツァイトウは許してくれませんでした。
その後もツァイトウはアーフーの職場にやってきます。車で一緒にある場所に連れていかれます。ツァイトウはアーフーにリュックを渡し、お金運びをさせます。アーフーが大金を持って車に戻ると、ツァイトウの姿はありませんでした。アーフーは一人で戻ると、その大金を使わずに隠しました。
あくる日、アーフーは突如黒いバンに乗せられ、誘拐されます。お金を盗んだと疑われていたので、暴力を受けましたが、一円も使っていないことがわかると、配達代としてお金を渡され解放されました。その人物によると、アーフーがお金を受け取ったときに、ツァイトウは誰かに殴り殺されていたとのことでした。
ツァイトウがいなくなったことにより、アーフーの暮らしにも少しの光が見えてきました。アーフーの両親は二人で山に登ります。そのときにアーウェンから、ツァイトウを殴り殺したのは自分だという告白を聞きます。アーフーの母親は泣き崩れました。
アーフーは母親に自転車で二人乗りをしようと提案します。アーフーが子供の頃に、よく二人で二人乗りをしていました。自然の中、当時の二人の関係に戻ったかのような予感をさせて、この映画の幕は閉じます。
以上、映画「ひとつの太陽」のあらすじと結末でした。
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