あ・うんの紹介:1989年日本映画。昭和初期を舞台とした向田邦子の長編小説が原作。神社の狛犬、阿(あ)と吽(うん)に例えられた、不思議とうまがあう、水田と門倉の2人と、水田の妻たみ、娘のさと子との物語です。
監督:降旗康男 出演:高倉健(門倉修造)、富司純子(水田たみ)、板東英二(水田仙吉)、富田靖子(水田さと子)、山口美江(まり奴)、ほか
映画「あ・うん」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「あ・うん」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「あ・うん」解説
この解説記事には映画「あ・うん」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
あ・うんのネタバレあらすじ:起
昭和12年春。東京に栄転となった水田と、戦友として20年来親しくしている門倉。家族ぐるみで付き合いが再開しました。中小企業の社長で羽振りが良く、芸者遊びもする門倉と、製薬会社で働く真面目な水田は、不思議とうまがあいました。ある日、門倉の妻きみ子が、水田の娘さと子の縁談話を持って来ます。きみ子の強い勧めもあり、さと子は石川と見合いをしますが水田は門倉に見合いを断ります。旧家出身の石川とは家柄が釣り合わないうえに、水田は上司が使い込んだ5千円の弁済を迫られていて、ジャワ支店に飛ばされるかもしれないと話します。
あ・うんのネタバレあらすじ:承
固辞する水田に、門倉は5千円を無理やり渡します。会社が危なくなり金策の為、門倉ときみ子が秘術品を処分しているとたみとさと子が見合いを断りに来ますが、さと子が倒れます。肺炎でした。石川が見舞いに訪れ、たみにびわと本を渡します。夏。回復したさと子は、石川と会うようになります。一方、水田はまり奴に入れ揚げ、給料の前借もして通い詰めるようになります。そんな水田を門倉はたしなめますが、水田は聞き入れません。後日、早退した水田が八百駒へ行くとまり奴は、他の客に引き落とされていました。
あ・うんのネタバレあらすじ:転
ある日、さと子の駆け落ち騒ぎが起きます。さと子の机に修善寺と書いたメモがあり、水田とたみは修善寺の旅館へ向かいます。後から門倉も心配してやって来て、旅館の番頭は、門倉とたみが夫婦で、水田がたみを奪って駆け落ちしてきたと勘違い。ひと騒動ありますが、すぐに誤解は解け、さと子も石川と映画を見に行っていただけと分かり、その晩は3人仲良く旅館で過ごします。ある日、きみ子が水田家を訪れ、門倉に愛人がいると告白。水田を伴って、その愛人宅へ行きます。愛人はまり奴でした。水田の乱心を治めるためと言う門倉に、水田は絶交を言い渡します。
あ・うんの結末
石川の部屋で、さと子と石川がキスしていた時、警察が踏み込んで来ました。石川は特高ににらまれていたのです。さと子は門倉が手を回し、家に帰されます。水田夫婦は門倉に、石川をあきらめるよう説得してと頼みますが「実らずとも惚れてしまうものだ。」と言います。たみに心惹かれながら、そしてたみもそれに気づきながら、2人は決して踏み込みません。ある日、水田家を訪ねた門倉は、1人でポーズを付けてふざけているたみを見てしまい「やばいな。」とつぶやきます。たみへの想いに耐えきれなくなってきた門倉は、水田に喧嘩をふっかけ、再び絶交します。帰宅した水田がたみにジャワ行きを伝えると、たみは同行すると即答します。そして門前に立っている門倉を泣いて説得し、水田と門倉は和解します。さと子は東京に残る、と舌を噛もうとするので、3人で慌てて止めます。そこに石川が訪れ、招集された事を伝えます。石川が帰りかけると、門倉はさと子に追いかけるよう促し「今夜は帰らなくてもいい。責任はおじさんが取る。」と言います。水田家で酒を酌み交わしながら、門倉は「特高ににらまれて徴兵された者で生きて帰った者はいない」と語ります。酔いつぶれて眠る門倉と水田の横で、たみは「ジャワには行けないわ。門倉さんの行く場所がなくなるもの。」とつぶやきます。
やはり最後は、雪景色ですよね。