赤い波止場の紹介:1958年日本映画。石原裕次郎と北原三枝のコンビ作。異国情緒あふれる港街を舞台に、「カサブランカ」や「望郷」を思わせるバタ臭い物語が展開する。1950年代の神戸でオールロケーションされていて、名カメラマン姫田真佐久が撮影した風景も魅力のひとつになっている。
監督:舛田利雄 出演:石原裕次郎(富永二郎)、北原三枝(杉田圭子)、中原早苗(マミー)、岡田眞澄(タア坊)、二谷英明(勝又)、二本柳寛(松山)
映画「赤い波止場」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「赤い波止場」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「赤い波止場」解説
この解説記事には映画「赤い波止場」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
赤い波止場のネタバレあらすじ:起
1950年代の神戸港。小さなポンポン船が岸壁に着くと、一人のいかがわしい男が近づきます。地元のヤクザ・松山組の組員でした。船に乗っているのは近くでレストランを経営している杉田という男です。組長が呼んでいるといって人気のない埠頭に杉田を連れ出した組員は、クレーンを使って彼を殺害。見張り役としてそばについていた白いスーツ姿の若者が「もっと粋にできないのかよ」と文句をつけます。
赤い波止場のネタバレあらすじ:承
彼は富永二郎。感化院育ちのヤクザで拳銃使いの名人。「左射ちの二郎」と異名を取っています。殺し以外のあらゆる悪事に手を染めてきましたが、根は善良。特に子供や女性には優しく接することで知られています。彼は元々東京の藤田組に所属していましたが、警察に目をつけられ、ほとぼりを冷ますために神戸の松山組の客人になっていたのです。毎日のように港をブラブラするうち、二郎は殺された杉田の妹・圭子と知り合います。彼女は兄が殺されたために東京の女子大を中退して故郷に帰ってきたのでした。健気に働く圭子のことが好きになった二郎は、自分が杉田の殺害に関わったことを後悔するようになります。圭子の方でもどうやら兄が殺されたらしいと知り、二郎に問いただしますが、彼は言葉を濁します。
赤い波止場のネタバレあらすじ:転
やがて夜道を歩いていた二人は後ろから来た車から銃撃を受けます。幸い二郎も圭子も無傷ですみましたが、なぜ自分が狙われるのか二郎にも覚えがありません。雇われた殺し屋らしい男はその後も二郎の後をしつこく付け回すのですが、二郎は用心してスキを見せません。そして二郎と深い仲であったマミーという女が圭子に嫉妬。圭子の兄がクスリの運び屋であったことを教えてしまいます。圭子は自分の学費のために兄がそんな仕事に手を出し、結局は口封じのために殺されたことを知ります。「犯人が憎い」という圭子の言葉に、二郎は苦悩。そんな中、東京から藤田組の勝又がやってきます。彼は二郎にとって兄貴分といえる存在でした。勝又は松山組の組長に挨拶すると、ある男に連絡を取ります。その男こそ、二郎の命を付け狙っている殺し屋です。藤田組では、親分が脳軟化症で倒れたため、その跡を誰が継ぐかが問題になりました。親分が1番可愛がっていた二郎がその有力候補であるため、跡目相続に野心を持つ勝又としては面白くありません。そのため、密かにその生命を殺し屋に狙わせたのでした。
赤い波止場の結末
仲の良かったタア坊が殺し屋にやられたことから二郎は激怒。殺し屋を追い詰めて重傷を負わせます。そのトドメを刺したのはタア坊の恋人・美津子でした。勝又が黒幕だということを知り、二郎はホテルの部屋で彼と対決。激闘の末、勝又を殴り殺してしまいます。お尋ね者となった二郎は香港へ逃げようとしますが、警察が新聞に手を回して圭子が重体だと嘘の記事を書かせたため、ひと目彼女の様子を見ようと病院へ忍び込みます。彼は病室にいる圭子が元気な姿でいることを確認。もはや逃げるのにも疲れ、やってきた警察に抵抗もみせずに逮捕されるのです。
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