悪名桜の紹介:1966年日本映画。堅気になり焼き鳥屋をやり始めた元ヤグザの朝吉と清次でしたが、愚連隊の猛をかくまった事から、地元の大鯛組と新興勢力のABC会の抗争に巻き込まれてしまいます。愚連隊の猛は、町の土地を牛耳る大地主で質屋の沢村の息子でした。大鯛組とABC会は沢村の利権を奪い合い抗争が起こり、住人が犠牲になりました。怒りに燃える朝吉は遂に立ち上がりますが…という大映の「悪名」シリーズの13作目です。
監督:田中徳三 出演者:勝新太郎(朝吉)、田宮二郎(清次)、市原悦子(菊枝)、藤岡琢也(乾)、沢村貞子(房枝)、多々良純(沢村亀之助)、酒井修(猛)、須賀不二男(後藤)ほか
映画「悪名桜」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悪名桜」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「悪名桜」解説
この解説記事には映画「悪名桜」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悪名桜のネタバレあらすじ:起
やくざから足を洗い、焼き鳥屋を始めた朝吉と清次は、花見で写真を撮る記者たちに暴行を加えていた暴力団たちを袋叩きにします。二人の活躍は新聞に載り、ヒーロー扱いでした。古くからの暴力団の大鯛組と、新興勢力のABC会はこの記事を見て面白くないと思っていました。
このヒーローを刺して有名になろうとする、愚連隊の猛でしたが、朝吉にあしらわれ、清次に痛めつけられます。それでも強がる猛の態度に、朝吉は「根性を叩きなおしてやる」と言って一晩泊めます。翌朝、朝吉の幼馴染の菊枝が突然やって来て「朝吉さんの妻にしてください」と言います。戸惑う朝吉に、清次が焚きつけ菊枝はしばらく家にいることになりました。
朝吉が猛に「連れて帰る」と言うと、猛は「オレはこの辺では有名な質屋の沢村の息子だ!」と言います。それならと朝吉と清次が沢村の家に連れて行くと、母親の房枝は不機嫌で、父親の亀之助は「こんなバカ息子」と怒鳴るだけで、朝吉が説教しても「出て行け」と言うだけでした。そこで朝吉は「猛をうちで預かる」と言って連れて帰ります。
悪名桜のネタバレあらすじ:承
焼き鳥屋に連れて行き修行させようにも、何もしない猛でしたが、そこへ大鯛組の連中がやって来ます。亀之助が大鯛組の組長の後藤に「息子を取り返してくれ」と頼んでいたのでした。しかし朝吉と清次が組員たちを叩きだします。そして朝吉が「仕返しが大勢来るぞ」と言うと菊枝が「堅気になったんだからこんなことはやめて!」と言います。
夜になると、大勢の大鯛組の組員がやって来ました。それでも朝吉と清次は動ぜず袋叩きにして追い帰します。翌日、清次は朝吉に菊枝が妊娠していることを話しました。身に覚えのない朝吉は「オレはなにもやっていない」と言いますが、清次は「オレを追い出そうとして呼んできたんだな」と言って、怒って出て行きます。菊枝に話を聞くと「ヤクザの男にだまされて妊娠したものの、どこにも行く場所がなくここに来た」と言います。朝吉は帰ると言う菊枝に「いいからここに居ろ」と言いました。
そのころ、清次は大鯛組に乗り込み後藤を銃で脅し、10万円をせしめます。一方、猛は大きなことをやりたくて大鯛組の組員を刺します。
悪名桜のネタバレあらすじ:転
一旦は朝吉の家に帰ってきた猛でしたが、朝吉に叱られ再び出て行き、ABC会を頼ります。ABC会の会長の乾は、猛に盃をやり子分にした後、猛の父の亀之助を呼びます。そして「息子を警察に突き出す」と脅し、町の大地主である沢村から娯楽センター建設の合意を取り付けます。朝吉は一人でABC会に乗り込み「猛を返せ」と言いますが、乾は「猛はABCの組員だから返せない」といってビールを朝吉の頭から浴びせました。
そのころ亀之助は大鯛組の後藤に会い、いきさつを話します。後藤は「それなら300万円出せ、縁を切ってやる」と切り出すと、亀之助は300万円を渡します。翌日、ABC会と亀之助が、朝吉らの借家を回り、立ち退きの話をし始めました。元々朝吉らの借家一体は大鯛組の縄張りであったため、この一件でABC会と大鯛組の抗争が始まります。
そして流れ弾が食堂の店主に当たり死んでしまいました。葬儀に訪れた後藤に朝吉が、ABC会との手打ちの話を持ちかけます。すると後藤は「こちらからは言えない」と言います。その足でABC会の乾に会った朝吉でしたが、返事は同様「こちらからは言えない」でした。
悪名桜の結末
止める菊枝を振り切り、朝吉は一人で仲介役をやると言って家を出ます。そこへ清次が帰って来て、菊枝に聞いて後を追います。料亭に着くとすでに和解が終わっていました。朝吉は「両方ともこの町から出て行ってくれ」と言いますが当然のように断られます。朝吉と清次は一旦家に帰ります。
そのころABC会では、幹部が「後藤を殺して男になれ!」と猛に銃を渡します。猛は車に乗り込もうとした後藤を射殺しました。猛は朝吉の家に逃げ帰ります。朝吉は両親に電話をし「猛を自首させたいからここへ来い」と言いますが、両親は「もう勘当したから勝手にしろ」と突き放します。
朝吉と清次は猛を連れ警察に向かいますが、そこへABC会の車が来て猛に銃弾を撃ちこみます。瀕死の猛の為に両親を呼びますが、来たときには猛は死んでいました。朝吉は亀之助に「ABC会のやり方はこんなもんだ!」と言い、立ち去ります。
朝吉は菊枝に「八尾に帰れ」と言って清次に送らせます。一人でABC会に乗り込んだものの、菊枝が清次に「朝吉さんはABC会に行った」と言った事から清次もやって来ます。そして二人でABC会を叩き潰し、乾から娯楽センターの権利書を奪います。そこへ大鯛組も乗り込んできて、二人は一気に大鯛組も潰しました。
朝吉らの町に平和が戻るのでした。
以上、映画「悪名桜」のあらすじと結末でした。
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