ゲティ家の身代金の紹介:2017年アメリカ映画。1973年当時世界一の資産家といわれていた男の孫が誘拐されました。多額の身代金を要求する犯人グループに対し、世界一の資産家は支払いを渋ります。母は息子の即時釈放のため身代金の支払いを義父に要求しますが、息子の命に危険が迫りつつありました。世界一の大富豪は身代金を払うのでしょうか?母と息子の運命は?『ゲティ家の身代金』は当時大きな話題になった実際に起きた事件を元にした話です。
監督:リドリー・スコット 出演:ミシェル・ウィリアムズ(アビゲイル・ハリス)、クリストファー・プラマー(ジャン・ポール・ゲティ)、マーク・ウォールバーグ(フレッチャー・チェイス)、チャーリー・プラマー(ジャン・ポール・ゲティ三世)、ロマン・デュリス(チンクアンタ)、ティモシー・ハットン(オズワルド・ヒンジ)、ほか
映画「ゲティ家の身代金」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゲティ家の身代金」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ゲティ家の身代金の予告編 動画
映画「ゲティ家の身代金」解説
この解説記事には映画「ゲティ家の身代金」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゲティ家の身代金のネタバレあらすじ:起・誘拐事件の発生
1973年、16歳のジョン・ポール・ゲティ3世(以下ポール、チャーリー・プラマー)は大資産家の孫、イタリアのローマを夜中にうろつきます。そこへ不審な車が来て彼を誘拐します。アメリカ出身、ロンドンに拠点を置く石油ビジネスの大富豪ジャン・ポール・ゲティ(以下ゲティ、クリストファー・プラマー)は秘書より孫の誘拐のニュースを聞きますが、孫には無関心です。誘拐犯のリーダーのチンクアンタ(ロマン・デュリス)はポールを監禁します。チンクアンタはポールの母アビゲイル(ミシェル・ウイリアムズ)に身代金1千7百万ドルを要求します。金が無いというアビゲイルにチンクアンタは義父ゲティに金をたのめといいます。映画は数年前のポールとアビゲイルの家庭を説明するシーンになります。アメリカのアビゲイルとゲティの息子の夫はごく普通の家庭、夫は仕事がありません。アビゲイルは夫にゲティにコンタクトしたらといわれ、夫は父ゲティに手紙を書きます。夫はゲティよりローマに仕事があるという手紙を受取りローマへ行きます。アビゲイルと夫、ポールはローマのホテルでゲティに会いますが、その豪華な暮らしぶりとクリーニングですら節約のため自分でするゲティのケチさにおどろきます。ローマでゲティの会社で働く夫ですが、やがて酒にひたり麻薬を始め他の女と関係を持ちます。アビゲイルは離婚を考えます。アビゲイルはポールの養育費をゲティに要求しますが、ゲティは払いたくありません。
ゲティ家の身代金のネタバレあらすじ:承・ポールを追うアビゲイルとチェイス
テレビのニュースで誘拐を知ったゲティは金は払わないと報道陣に宣言します。アビゲイルはゲティにメッセージを残します。アビゲイルのメッセージを読んだゲティは元アメリカ政府の諜報員でゲティのアドバイサーのチェイス(マーク・ウォルバーク)にコンタクトします。アビゲイルはチェイスに会い状況を確認します。長引く人質交渉で誘拐犯たちはポールを他の場所に移動させることを考えます。トイレに行く途中、ポールは誘拐犯の顔を見てしまいます。身元がバレることを恐れた誘拐犯はポールを殺そうとします。アビゲイルはポールの死体が発見されたという連絡を受けます。死体の確認のため警察へ行くアビゲイル、そこで見たのは他の人間でした。殺された人間は誘拐犯の一人、警察は死体から誘拐グループのリーダーがチンクアンタでアジトを突き止めます。警察は誘拐犯グループのアジトを襲撃し、誘拐犯を殺害しますが、ポールとチンクアンタはすでに別の場所に移動していました。チングアンタはポールを地元の犯罪組織にあずけ、彼らと共謀し身代金を受け取ろうとします。犯罪組織の家に監禁されるポールは火災を起こし、逃げ出します。車を見つけ逃れるポールは母に電話をします。しかし、犯罪組織のリーダーに見つかりとらわれます。
ゲティ家の身代金のネタバレあらすじ:転・身代金とポールのゆくえ
ポールを取り戻した犯人グループは、ポールの耳を切り裂きアビゲイルに送るという蛮行にでます。耳を見てアビゲイルとチェイスは驚きます。耳の写真の公表を望む新聞にアビゲイルは同意し、新聞はゲティにも届きます。アビゲイルはゲティが身代金を払うという連絡を受け、チェイスとともにロンドンに向かいます。ゲティは身代金が税控除できるが検討していたといいます。孫の命よりも税金?と驚くアビゲイルとチェイスはとにかく支払いを急ぐようにいます。アビゲイルは記者会見を開き、身代金は全額払うと宣言します。テレビをみて驚くゲティはチェイスを呼び出します。ゲティはチェイスに状況説明を求めますが、身代金の支払いを求めるチェイスと口論になります。結局ゲティは身代金を全額払うことに同意します。アビゲイルとチェイスは犯人グループと支払い方法と金額の交渉を継続します。交渉で身代金は聞き下げられます。チェイスとアビゲイルは金を持ち犯人に指示された場所に金を払いに行きます。森の中で金を置くアビゲイルとチェイス、犯人は金を受け取ります。犯人グループは金を数え金額に間違いないことを確認後、ポールを解放します。
ゲティ家の身代金の結末:ポール、アビゲイル、ゲティの運命
犯人から解放されたポールは逃げ出します。アビゲイルとチェイスはポールの場所をチンクアンタから聞き出します。警察のヘリコプターを上空に見た、犯人グループはポールの殺害を決意します。ポールが現場に居ないことに驚くチェイスとアビゲイルはポールを探します。睡眠中のゲティは虫の知らせか、夜中に起き出し家の中をさまよいます。ポールは町をさまよいますが、犯人グループは追いかけます。チェイスはポールを見つけ、アビゲイルはポールと再会します。警察は犯人グループを逮捕します。家をうろつくゲティは自分のコレクションの親子の描かれた絵画を見て安心します。その後、ゲティは死亡します。アビゲイルはゲティのアドバイサー達と遺産について話します。ゲティ氏の美術品コレクションの中で立つアビゲイルはゲティの顔の彫刻を見つけ、複雑な表情をみせます。映画の最後、ゲティのコレクションは現在ロスアンゼルスのゲティ美術館にあることがながれます。
以上『ゲティ家の身代金』のあらすじと結末でした。
ケビンスペイシーの降板によるドタバタの中、監督の手腕で超スピードで取り直された本作。急きょ主演に呼ばれたクリストファープラマーの、硬質な冷徹さと存在感が作品のスケール感をアップしていて、結果的に大正解だったのではと感じます。美しい街並みと重厚な音楽も、「御曹司の誘拐劇」というハラハラのサスペンスを一層盛り上げていて魅力的でした。