アルファ碁の紹介:2017年アメリカ映画。ディープマインド社デミス・ハサビス氏率いるチームが開発したAI「アルファ碁」が欧州チャンピオンを破った後、現在世界最強とされる韓国のイ・セドル9段に対局を挑む。AI対天才棋士の5回勝負とそれを取り巻く人々の様々な思いを追ったドキュメンタリー。
監督:グレッグ・コーズ 出演:ファン・フイ(プロ棋士)、イ・セドル(プロ棋士)、ディープマインド社デミス・ハサビスおよびアルファ碁開発チーム、碁やプログラム開発に詳しい学識者たち
映画「アルファ碁」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アルファ碁」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アルファ碁」解説
この解説記事には映画「アルファ碁」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アルファ碁のネタバレあらすじ:起
フランス在住中国人で欧州囲碁チャンピオンのファン・フイに、ロンドンの「ディープマインド」社AIプロジェクトチームから連絡が入る。開発中のAI「アルファ碁」との対局を申し込むためだった。フイはまさか自分がプログラムに負けるとは思っていなかったが、5-0で負けるという結果に終わる。チェスと比べ囲碁は1手の可能性が膨大で、AIが囲碁で人間を破るのは20年先と予想されていたが、この結果は世界的なニュースとなる。フイは負けたことは悲しいが、歴史に残る対局ができて嬉しい、とコメントする。この前向きな姿勢にディープマインド社は彼にプログラム強化への協力を頼む。
アルファ碁のネタバレあらすじ:承
その数か月後、プロジェクトチームは長年の世界王者、韓国のイ・セドル9段に対局を申し込む。イ・セドルは快く受けて立つ。チームは対局場所である韓国に飛ぶ。対局は世界中のメディアとともにイ・セドルの妻と娘も見守っている。娘はアイスクリームを食べながら、お父さんが勝つに決まっている、と言う。しかしイ・セドルの劣勢となって来て娘は泣きながら退席する。1回戦はイ・セドルの投了により終了。チームの一人は、「アルファ碁の能力の基盤はすべて人間が作ったデータとアルゴリズムに由来している」ので、アルファ碁の勝利は人間の勝利なのだ、と言う。イ・セドルは記者会見で「勝つ気でいたので、非常に驚いた。チームに敬意を表す」と述べる。
アルファ碁のネタバレあらすじ:転
2局目の序盤、イ・セドルは休憩を取りタバコを吸いに行く。その間にアルファ碁が37手目を打つ。人間なら考えもつかない手だと、周囲は驚く。これはアルファ碁が人間の考えを真似ずに新たな手を創造したのだ。休憩から戻ったイ・セドルは37手目を見て苦笑し、困惑した表情を浮かべる。後のインタビューで、イ・セドル自身、この一手を「美しいとさえ感じた」と述べた。イ・セドルは非常に苦戦し、2局目も投了で敗北する。ホテルのフロア全体が悲しみに包まれる。2敗後、1日休みを取り、3局目に挑んだ。5回戦中2回連敗し、もう後がないイ・セドルは勝ち急いで彼自身の囲碁ができない。3局目も投了。アルファ碁チームの女性プログラマーは、「イ・セドルの渾身の戦いとその落胆を見て、アルファ碁の勝利を祝う気持ちになれなかった」と語る。
アルファ碁の結末
対局4日目。イ・セドルは保守的な手で挑む。そして闘いはイ・セドルらしい内容となり、別室で見守るアルファ碁チームが焦り始める。アルファ碁は不可解な動きをし、ミスを繰り返す。イ・セドルは油断することなく、最後までベストを尽くし、4局目はアルファ碁が投了する。イ・セドルの勝利にフロア全体が喜んだ。テクノロジー担当のジャーナリストさえも。「1勝だけでこんなに喜んでもらえるとは」とイ・セドルも笑う。5局目もアルファ碁劣勢で進み、アルファ碁はミスを繰り返したように見えたが、それは人間の理解を超えた手で、終盤アルファ碁が優勢であるという見方が強まる。皆が見守る中、イ・セドルは投了し、「今回の経験を通して自分は成長した。囲碁を打つ理由が分かった。囲碁を学んで本当に良かった」と語った。本編を通してナレーションを務めたファン・フイ棋士も、最後に「世界が違って見えるようになった。囲碁の向こうにあるもの。人間が知らなかったすばらしいことをAIが教えてくれるかもしれない」と結ぶ。
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