青い山脈の紹介:1949年日本映画。戦後間もない日本。封建的な考えに縛られる田舎町を変えるため、奮闘する女性教師の姿を描く。新任教師島崎雪子は、教え子寺沢新子から偽のラブレターについて相談を受けた。クラスメイトの下品な嫌がらせであると考えた雪子は、生徒にもっと大きな考えを持って欲しいと諭す。しかし未だ根強い封建制度に縛られた町の人々は雪子に反発し、問題はどんどん大きくなってしまう。原作は石坂洋次郎の同名小説で、本作の後もの数度に渡りリメイクされた名作。
監督:今井正 出演者:原節子(島崎雪子)、池部良(金谷六助)、伊豆肇(富永安吉)、木暮実千代(笹井とら)、龍崎一郎(沼田玉雄)ほか
映画「青い山脈」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「青い山脈」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
青い山脈の予告編 動画
映画「青い山脈」解説
この解説記事には映画「青い山脈」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
青い山脈のネタバレあらすじ:偽のラブレター
舞台は戦後間もない日本のとある田舎町。女学校5年生の寺沢新子は、卵を売るため目に付いた金谷金物店へ入りました。そこで店番をしていた金谷六助と出会います。彼は近所の高等学校に通っていて、新子に卵を使って料理をしてくれと言い出しました。2人は談笑しながら少しずつ惹かれ合います。そして新子は易者に姓名判断をして貰いますが、改名を勧められ肩を落として去っていきました。その後ある面倒事に巻き込まれた新子は、新任教師島崎雪子のところへ相談に行きます。雪子は大学を卒業した才媛で、東京出身ということもあり先進的な考えを持っていました。新子は雪子に、偽のラブレターで呼び出しを受けたことを話します。どうやら手紙はクラスメイトの悪戯で、新子は彼女達に試されているということでした。雪子はどう対処すべきか悩み、町医者で校医の沼田玉雄に相談してみます。しかし彼は、自分なら手紙を握り潰すと答え雪子を驚かせました。戦後、国が自由な思想を謳っているとはいえ、小さな田舎町ではまだまだ封建的な考えが根強く残っています。沼田はそれを踏まえ、田舎で生きていくには女性は多少馬鹿でなければいけないとまで言い出しました。雪子は激怒し、沼田の頬を叩いて去っていきます。
青い山脈のネタバレあらすじ:犯人の言い分
沼田は頬を叩かれたショックを引きずったまま、馴染みの芸者笹井とらの家へ往診に向かいました。彼女に先ほどのことを話すと、「大いに脈がある」と笑われます。翌日。雪子はラブレターの問題を解決すべく、新子のクラスで恋愛について生徒と議論することにしました。偽のラブレターなどという、下品な方法で人を試すのは間違っていると諭す雪子。それを聞いて、主犯格である松山淺子ら数人が自分達の言い分を述べ始めました。六助と相性を占って貰っている新子を目撃したと下級生から告げ口があり、母校の名誉を守るため反省を促そうと手紙を書いたそうです。新子は相性占いについて否定し、六助とは後ろ暗い関係ではないと主張しました。雪子は新子の人格をどれだけ傷つけるかも考えず、母校のためという名目で試すなどと情けない、と厳しい口調で説教します。雪子の理解を得られない淺子達は泣き出しました。雪子は新子と共に教室を離れ、今回の問題では出来るだけ戦ってみるが、負けた時は2人で東京へ行こうと笑います。そこへとらの妹で1年生の笹井和子がやって来ました。5年生が雪子に侮辱されたとして、謝罪を求め校長室に押しかけているらしいのです。
青い山脈のネタバレあらすじ:根強い封建制度
学校に戻った雪子は校長から謝罪を促されますが、はっきりと断ります。教室の黒板には謝罪を求める文言が書かれてありました。そこへ仲裁にやって来たのは、学校に長く勤める男性教師田中です。彼が昔この学校でストライキがあったこと、参加した女学生には皆嫁の貰い手がなかったことを話すと、淺子達はヒステリックに泣き始めました。雪子はすっかり呆れ果て教室を出ていきます。その頃、新子は六助に会いに行っていました。高校でテニスの最中だった彼と再会した新子は、ラブレターの件を話します。六助はでたらめだと憤りました。新子はそのまま高校でテニスに興じ、楽しい時間を過ごします。ところが帰宅しようとすると、新子の家の近くまで淺子達が押しかけて来ました。そして新子に退学を迫ります。新子が淺子自身の責任を問うと、彼女は意地悪く笑い更に新子を侮辱しました。思わず新子は淺子を引っ叩きます。一緒にいた六助の友人富永が淺子達を追い払いますが、新子は悲しそうに項垂れるのでした。
青い山脈のネタバレあらすじ:卑劣な策略
偽ラブレターの騒動は、父兄や理事長の耳にも入るような大問題になります。職員会議でも校長始めほとんどの教師は火消しに走るべきだと言い、生徒達の肩を持ちました。そこへ沼田が現れ雪子に加勢します。彼も封建的なものをいつまでも眺めている訳にはいかないと決心したのでした。しかし淺子は地元の有力者である父を味方につけ、雪子をとことん追い詰めようとします。淺子の父や田中達が座敷に集まり、雪子達を潰すための話し合いを開きます。その座敷に嫌々呼ばれたとらは、彼らが雪子の他沼田にも害をなそうとしているのを聞くのでした。
青い山脈の結末:暗闇の襲撃
一方、沼田達も負けじと作戦会議を開いていました。沼田の家に集まったのは、雪子、新子、六助、そして富永です。そこへ和子が刷り上がったばかりの明日の新聞を持ってやって来ました。新聞の内容は、健気な女学生に対し女性教師が無理解な弾圧を加えている、というものです。でたらめを書かれ憤る雪子。沼田はいずれ開かれる理事会に、六助と富永にも出席して欲しいと頼みます。そして議論が始まる前に、地方の封建制度がいかに酷いかということを一般論として主張し、参加者に思い知らせて欲しいというのでした。眠気を覚えた和子が富永に送られながら帰っていると、酔っ払った田中に絡まれるとらに遭遇します。和子に挨拶された田中はそそくさと逃げていきました。富永は町の民主化のため、とらにも理事会に参加して欲しいと頼みます。一方、沼田は遠い東村から急病人の知らせが舞い込み渋々向かうことになりました。ところが道中で与太者に囲まれ、酷い暴行を受けてしまいます。何も知らない雪子達はそれぞれ帰路に就きました。沼田家に電話が鳴り響き、この映画は後編「続青い山脈(1949年)」へ続いていきます。
以上、映画青い山脈のあらすじと結末でした。
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