四月物語の紹介:1998年日本映画。松たか子の初主演映画。「スワロウテイル」の岩井俊二監督が地方から上京してきた女子大生の何気ない日常と恋をみずみずしい映像で描いた中編作品です。
監督:岩井俊二 出演:松たか子(楡野卯月)、田辺誠一(山崎先輩)、留美(佐野さえ子)、藤井かほり(北尾照子)、光石研(サラリーマン風の男)、加藤和彦、江口洋介、石井竜也、伊武雅刀、松本幸四郎、市川染五郎、ほか
映画「四月物語」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「四月物語」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「四月物語」解説
この解説記事には映画「四月物語」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
四月物語のネタバレあらすじ:起
桜が舞う四月のある日、高校を卒業したばかりの楡野卯月(松たか子)は、北海道の旭川から、東京の武蔵野大学に通うため一人で上京してきます。新生活の舞台となるアパートの部屋に引っ越し屋が荷物を運んできますが、荷物が多すぎて部屋に入りきりません。仕方なく、不要と判断したソファやいくつかの荷物をトラックに戻してもらう卯月。隣人への挨拶もすませ、いよいよ大学生活が始まりました。
大学の入学式、緊張した面持ちで参加する卯月。そしてクラスでは、一人一人の自己紹介が始まりました。卯月は武蔵野大学を受けた理由を尋ねられますが、言いよどんではっきりとは答えられません。その後一人で食堂に行くと、同じクラスの佐野さえ子(留美)に話しかけられます。そして「次の日曜日に買い物に行こう」と誘われる卯月ですが、「部屋の荷物の整理がしたい」と断りました。
四月物語のネタバレあらすじ:承
日曜日、卯月は新しく買った自転車に乗って出かけます。卯月が向かった先は「武蔵野堂」という書店でした。本を買う時に、店が何時まで開いているか確かめる卯月。その後、公園で時間を潰し、次に向かったのは映画館でした。空席の目立つ映画館で時代劇を一人で見ていた卯月ですが、一人の怪しい男性が近づいてきます。卯月はどうやら痴漢らしい挙動不審の男に狙われ、館外へ逃げ出し、自転車にまたがって走り出しました。しかしその際に武蔵野堂で買った本を映画館の座席に置き忘れてしまいます。
その後、卯月はまた武蔵野堂へ行きました。どうやら本を買う以外に何か別の目的があるように、店内をくまなく歩きまわり、あたりをキョロキョロうかがう卯月。本をもう一冊買い、店員に定休日を確認します。
家に帰ろうとする卯月を走って追いかけてくる男性がいます。映画館に忘れていった本を渡そうと近づいてくる男性。怖くなった卯月は必死で自転車をこいで逃げます。男性は前かごに本を投げ入れ、卯月に小さく手をふりました。
四月物語のネタバレあらすじ:転
次の日、さえ子に釣りに興味がないか聞かれた卯月は、さえ子と釣りサークルを訪れます。先輩からフライ・フィッシングについての話を聞かされ、外に出て釣りの練習をする卯月。
その後、サークルを休んで、また武蔵野堂を訪れた卯月は、そこで男性のアルバイト店員に出会います。山崎という名の彼(田辺誠一)を卯月は知っていました。高校の先輩だった山崎ですが、卯月の顔を見ても何の反応もありません。卯月は自分のことを覚えていないことにがっかりし、自転車を走らせて家に帰りました。実は、高校時代から山崎先輩に想いを寄せていた卯月は、東京に遊びに行った後輩から、武蔵野大に入学した山崎先輩が武蔵野堂でアルバイトをしていることを聞いていました。それが卯月が武蔵野大を目指し、また武蔵野堂に通っていた理由です。
その夜、独りが寂しくなった卯月は、隣人の女性に「カレーを一緒に食べませんか」と誘います。しかし断られてしまい、一人部屋で寂しく食事をする卯月。すると隣人の女性が訪ねてきて、カレーを食べさせてほしいと頼みます。卯月は家にあげてカレーをふるまいました。
四月物語の結末
翌日、サークルの先輩に恋するさえ子に、好きな人はいないのか聞かれた卯月は、片思いをしている人がいると話します。そして高校時代を思い出す卯月は、バンドをして、頭のいい山崎先輩のことを考えました。
ある日、再び武蔵野堂を訪れた卯月は山崎と目が合います。するとようやく卯月に気づいた山崎に「同じ高校だった?」と声をかけられました。名前を聞かれ、同じ大学だと知った山崎はうれしそうに笑い、そして「また来てよ」と声を掛けます。うれしくなった卯月が店を出ようとすると、外は雨が降っていました。山崎が傘を貸そうとしますが、卯月は「近くですから」と断って自転車で走り去ります。
しかし大雨が降ってきてビルの前で雨やどりしていると、ある男性が傘を貸してくれました。卯月はその傘を借りて武蔵野堂に戻り、山崎に赤い傘を借ります。赤い傘は壊れていましたが卯月は、「また返しに来ます」と言い残し、雨の中を走ってビルに戻り、男性に傘を返しました。
壊れた赤い傘を見て微笑む卯月。成績の悪い卯月が大学に合格した時に、担任は奇跡だと祝福してくれました。しかしどうせなら、愛の奇跡だと呼びたい卯月でした。
以上、映画「四月物語」のあらすじと結末でした。
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