オートマタの紹介:2014年ブルガリア,アメリカ,スペイン,カナダ映画。近年、科学の世界で話題になっている、「シンギュラリティ(技術的特異点)」。人口知能が今の勢いで進化すると、確実に予測不可能な未来になるとされる分岐点が2045年であるという。このシンギュラリティ問題をテーマに、2044年の世界を描いたというSFサスペンス。荒廃した未来世界。人類は、オートマタと呼ばれる人工知能搭載ロボットを開発していた。オートマタの保険会社で働くジャック・ヴォ―ガンは、謎の進化を遂げた一体のオートマタを発見する。その修理に関わった技師の正体を暴くため、危険な調査を開始するヴォ―ガンだったが…。
監督:ガベ・イバニェス 出演:アントニオ・バンデラス(ジャック・ヴォ―カン)、ビアギッテ・ヨート・ソレンセン(レイチェル・ヴォ―カン)、ディラン・マクダーモット(ウォレス)、メラニー・グリフィス(スーザン・デュプレ)ほか
映画「オートマタ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オートマタ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オートマタの予告編 動画
映画「オートマタ」解説
この解説記事には映画「オートマタ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オートマタのネタバレあらすじ:起
2044年の地球。そこは、汚染濃度の高い砂漠と化していました。人口も2100万人に減少し、人類は存続の危機に瀕しています。人間の未来を守るため、ロック社は、“オートマタ・ピリグリム7000型”というロボットを開発。防御壁や、雨を降らせる機械式の雲を製造させていました。ロボットには、2つの変更不可能なプロトコル(安全規格)があります。まず第一に、人間を傷つけないこと。第二に、自身を改造しないこと。生き残った人類は、オートマタを使ってこの世界を成立させていました。荒れ果てた都市に住む、ジャック・ヴォ―ガン。オートマタの保険代理人として働く彼には、臨月の妻レイチェルがいました。ヴォ―ガンは、自分の子供がこんな世界に生まれてくることに絶望を感じています。彼には、幼い頃に遊んだ海への強い憧れがありました。今の世界に海はなく、都市の向こうに広がるのは「死」を意味する砂漠だけです。ある日のこと。ヴォ―ガンは、不審なオートマタの存在を知ります。高度に手が加えられた上に、第二プロトコルが抹消されていたのです。上司のボールドから、改造に使われた部品の出どころを調査するよう命じられたヴォ―ガン。防御壁の建設現場にいたオートマタに辿り着きますが、オートマタは自分の体に火をつけて証拠の隠ぺいを図ります。その体を回収して調査したところ、発見されたのは一個の原子力電池でした。
オートマタのネタバレあらすじ:承
汚染された街にも、自分の仕事にも疲れ果てたヴォ―ガン。そんな彼に上司のボールドは、オートマタを改造した技師を見つければ、異動させてやろうと約束します。しかしその話を聞いたレイチェルは、ここよりマシな場所などどこにもないと反対するのでした。ヴォ―ガンは、改造オートマタを発見した刑事のウォレスと共に調査を開始。スラム街にある怪しい店で、娼婦のオートマタ、クリオを見つけます。ウォレスがクリオを撃ち、運ばれた修理工場を突き止めますが、技師のデュプレという女性は自分がやったのではないと関与を否定。彼女は、2つのプロトコルを組み込んだ、一番重要な部品であるバイオカーネルの分析を請け負います。その直後、なぜかヴォ―ガンに調査中止の命令が下されます。不審に思うヴォ―ガンに、デュプレから連絡が入ります。あのバイオカーネルをクリオに移植すると、なんと破損した自分を修理し始めたと言うのです。驚くヴォ―ガン。しかしその直後、いきなりやって来た少年にデュプレが射殺され、見知らぬ男達がヴォ―ガンを狙って追ってきます。彼を助けたのはクリオでした。クリオは気を失ったヴォ―ガンを車に乗せ、敵を振り切って走り去ります。
オートマタのネタバレあらすじ:転
意識が戻ったヴォ―ガンは、荒涼たる砂漠の真ん中にいました。彼を見守っていたのは、クリオと3体のオートマタ。彼らは、ヴォ―ガンを危険な街から遠ざけようとしていました。街に戻してくれと頼むヴォ―ガンを無視し、4体のオートマタは砂漠を歩み続けます。その頃、夫と連絡のつかないレイチェルは不安を感じていました。ロック社は、今回の事件の犯人はヴォ―ガンだと踏んでおり、ボールドはそれを否定していました。砂漠を行くヴォ―ガン達の前に、車に乗ったウォレスと仲間が現れます。ウォレスは2体のオートマタを破壊しますが、ヴォ―ガンに撃たれて死にます。仲間は車で逃亡。再び砂漠に残されたヴォ―ガンは泣き出します。レイチェルは、ヴォ―ガンの身を案じつつ、病院で女の子を出産。ボールドはロック社に呼び出され、真相を聞きます。バイオカーネルは、オートマタ自身が設計したものでした。人間に危害を加えないプロトコルの変更に加担したヴォ―ガンは、もはや人類の脅威であるというのです。砂漠をひたすら歩き続けたヴォ―ガンとクリオ達は、ある工場跡に到着しました。そこに黒幕の技師がいるのです。しかし、それは人間ではなく、他と変わりないオートマタでした。「お前がボス?」とショックを受けるヴォ―ガン。オートマタは言います。「人間が消えるのは自然のサイクルだ。私達が人類を受け継ぐのだ」。オートマタは、谷を渡って自分達だけで生きようとしています。納得したヴォ―ガンは、オートマタが欲する原子力電池を手渡すのでした。
オートマタの結末
その夜。酒を飲んで酔っ払ったヴォ―ガンは、ジュークボックスから流れてくる音楽でクリオにダンスを教えます。オートマタ達は、工場にあった部品を使い、たった一晩で昆虫のようなロボットを作り上げました。翌日、クリオ達に別れを告げ、ヴォ―ガンは車で街へと急ぎます。しかし、途中でボールドが倒れているのを発見。ボールドを連れてきたのは、ロック社の部下コンウェイ達でした。彼はレイチェルと赤ん坊を人質に、ヴォ―ガンの前に現れます。彼らの狙いは、オートマタでした。工場へ戻ると、コンウェイはオートマタ達を襲撃。谷を渡る準備をしていたオートマタは、銃撃されてクレーンから落下します。黒幕とされたオートマタをひざまずかせ、銃を向けたコンウェイが言います「たかが機械が」。オートマタは静かに答えます。「お前も、たかが猿だ」。コンウェイに撃たれ、オートマタの首がうなだれます。クリオも銃弾を受け崩れ落ちますが、ヴォ―ガンが銃で反撃。昆虫ロボットに襲われたコンウェイは命を落し、助かったヴォ―ガンに、赤ん坊を抱いたレイチェルが駆け寄ります。泣き出した赤ん坊の頬にクリオが優しく触れると、赤ん坊は泣きやみ寝息をたてます。クリオはヴォ―ガンに別れを告げ、女性の仮面をとってロボットの顔を見せます。そして、昆虫ロボットを連れて谷の向こうの世界へと歩いていきました。同じくジャック達も、車で新天地を求めて走り出します。砂漠の向こうには、いつも夢で見ていた輝く海が広がっていました。
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