想い出の瞳の紹介:1948年フランス映画。1947年、エールフランス航空の乗務員が成し遂げた大西洋上空での出来事にヒントを得たとされるエピソードを、パイロットとスチュワーデスの恋物語を軸に描いた作品。
監督:ジャン・ドラノワ 出演:ミシェル・モルガン、ジャン・マレー、ジャン・シャヴリエ、ロベール・ミュルゾー、コレット・マルス ほか
映画「想い出の瞳」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「想い出の瞳」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「想い出の瞳」解説
この解説記事には映画「想い出の瞳」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
想い出の瞳のネタバレあらすじ:起
エールフランス航空の客室乗務員クレールは、ダカール空港で機長のピエールから乗客が2名増えたとの連絡を受ける。アフリカの航空貨物便の操縦士ジャックと整備士ポールが機体の故障で不時着したところを救助され、ジャックの戦友ピエールの計らいでパリ行きの便に乗ることになったのだ。
しかし、出発前に2人の顔を見て、乗客名簿でその名を確認したクレールの顔はにわかに曇る。ダカール空港を離陸した航空機の客席で、彼女は苦い過去を思い出していた。
3年前、舞台女優を目指していたクレールは、チャーター機の操縦士ジャックと情熱的な逢瀬を重ねていた。ある日、約束の場所にジャックは現れず、彼の友人だというポールが現れて、ジャックはダカールで航空貨物の仕事に就くため街を出ると告げられる。
付き合って1週間ほどしか経っていなかったが、クレールにとっては真剣な恋愛だったゆえに、自分は単なる遊び相手だったと悟りショックを受けた彼女は、衝動的に自殺を図る。幸い居合わせた客室乗務員のマルセルに助けられたクレールは、彼女に励まされて立ち直り、その後、客室乗務員となってエールフランス航空でピエールとともに、ダカール便を担当するようになったのだった。
想い出の瞳のネタバレあらすじ:承
最初のうち気づかなかったジャックも、機内でようやく客室乗務員がかつての恋人クレールだと気づいて話しかけるが、悪びれることなく再会を喜び、3年前そのままの態度で接する彼を、クレールは冷たく突き放す。
パリに到着すると、ピエールからジャックとポールがエールフランスに就職したがっていると聞かされて、クレールの気持ちはさらに揺れ動く。そしてお構いなしにヨリを戻そうと付きまとうジャックに、恋人がいると言って突き放し、その時かかってきたピエールからの電話で彼が恋人だと思わせる。
その後、エールフランスへの入社に向けての研修を受けることになったジャックは、教官となったピエールの指導で研修を受ける。自分に対してことさら厳しくあたるピエールに、ジャックはクレールとの再会に嫉妬してのことだと突っかかるが、合格させたいためにわざと厳しくしたのだというピエールに、誤解したことを謝罪する。
しかし、クレールに密かに想いを寄せていたピエールは、2人の過去を知り、それ以来クレールを避けるようになる。
想い出の瞳のネタバレあらすじ:転
ピエールと同じ乗務がなくなり、電話や会うことも避けられるようになったことを不審に思ったクレールは、マルセルから、彼が次のダカール・リオ便を最後にインンドシナへ転勤することを聞かされる。
それがジャックから2人の過去を聞かされたせいだったことを知ったクレールは、ピエールに会うため、ジャックが乗務する次のダカール便に自分も乗務する。そしてダカールでピエールと会ったクレールは、彼との結婚を決意し、彼女の同乗で気を良くしていたジャックにピエールと結婚することを話す。
リオで落ち合ったクレールとピエールがレストランで互いの将来について語り合っているところへ、ジャックが地元女性を伴ってやってくる。酔って絡むジャックに辟易し、店を出ようとする2人に、彼は死をほのめかすようなセリフを口にする。
その言葉が気になったクレールは、夜半にジャックの泊まるホテルの部屋へ向かうが、それは彼女を呼び出す彼の策略だった。結婚を知ってもなお自分を手に入れようとするジャックに、クレールは3年前彼が去ったときに自殺を図ったことを告白すると、それを聞いたジャックは初めて本当に彼女を傷つけてしまったことを悟るが、そんな彼にクレールは、ピエールを幸せにするのだと言って別れを告げる。
想い出の瞳の結末
リオからダカールへの帰途につくF-BBDK便の機内で、ジャックとクレールは何事もなかったかのように勤務を続けていた。悪天候の中、赤道通過する際の”赤道祭”が機内で行われ始めた頃、突如異音が発生、1番エンジンから出火する。
2番エンジンにも延焼し、外れたプロペラが操縦席の窓を直撃して、ジャックは怪我を負いながらも操縦を続け、クレールは海への着水に備えて乗客の対応にあたっていた。しかし、海へ突っ込む寸前、エンジンの火が消えたことで、ジャックは高度を上げ、クレールと共に乗客を落ち着かせると、ギリギリの燃料とエンジンの回転数でダカールを目指す。
やがて、ダカールの灯が見え始め、地上で空港関係者が見守る中、F-BBDK便は誰一人けが人を出すことなく、無事ダカール空港に着陸する。
乗客が全て降機したあとの機内で、ジャックは震える手でクレールからグラスを受け取とると、ビールを飲み干す。そして、生死を分かち合った2人は固く抱きしめ合い、クレールは本当の自分の気持ちを解放する。
機内から寄り添って出てきた2人を見たピエールは、その場からひとり去って行った。
以上、映画「想い出の瞳」のあらすじと結末でした。
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