バッド・エデュケーションの紹介:2004年スペイン映画。スペインを代表する映画監督であるペドロ・アルモドヴァルの半自伝的作品。第57回カンヌ国際映画祭のオープニングを飾り、ニューヨーク映画批評家協会賞の外国語映画賞を受賞した。閉鎖的な神学校で出会った2人は、神父の嫌がらせによって離れ離れになりますが、成人後に再会します。しかし、会いに来たかつての恋人の面影を感じ取れない若き映画監督は、彼に内緒で身辺を調べ始めますが、そこには悲しい真実が隠されていました。
監督:ペドロ・アルモドヴァル 出演:フェレ・マルティネス(エンリケ)、ガエル・ガルシア・ベルナル(イグナシオ/フアン)、ダニエル・ヒメネス・カチョ(マノロ神父)、ペトラ・マルティネス(イグナシオとフアンの母親)、ほか
映画「バッド・エデュケーション」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バッド・エデュケーション」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バッド・エデュケーションの予告編 動画
映画「バッド・エデュケーション」解説
この解説記事には映画「バッド・エデュケーション」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バッド・エデュケーションのネタバレあらすじ:起
1980年、マドリード。俳優のイグナシオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)はスランプに陥っていた映画監督のエンリケ(フェレ・マルティネス)の事務所へ行き、仕事をもらえないかと訪ねてきます。実は、エンリケにとって、イグナシオは初恋の相手だったのです。イグナシオは自ら書いた「訪れ」という作品をエンリケに手渡します。その物語はかつての2人をベースにしていました。女装家のイグナシオはかつて自分が通っていた学校へ忍び込みます。そして校長のマノロ神父(ダニエル・ヒメネス・カチョ)に再会し、出版したい本があるので原稿を読んで感想を聞かせて欲しい、更に出版費用を援助して欲しいと頼みます。イグナシオとエンリケはこの学校の同級生かつ恋人同士で、夜に部屋を抜け出して会っていましたが、マノロ神父にばれてエンリケが退学させられそうになります。しかし、イグナシオはエンリケを守るため、神父に体を売ります。しかし、結局エンリケは退学になってしまったため、イグナシオは神父への復讐を誓います。物語の最後は神父が既に彼女がイグナシオだと気づいており、彼の部下に殺されてしまうという内容でした。
バッド・エデュケーションのネタバレあらすじ:承
原稿が気に入ったエンリケはイグナシオを呼び出し、製作が決まったお祝いにエンリケが借りている家へと向かいます。しかし、エンリケは彼の好きだった曲を聞かせても無反応だったことから、本当に彼がイグナシオなのか疑いを持ち始めます。イグナシオは、主人公を演じることを望んでいましたが、エンリケは頑なに断ります。イグナシオは役を得るため、女装家に役作りのアドバイスを求めるのでした。
バッド・エデュケーションのネタバレあらすじ:転
一方、エンリケはイグナシオの持っていたライターを元に、彼の実家を訪れます。そこで彼の母親から、イグナシオは3年前に亡くなっており、瓜二つの弟フアン(ガエル・ガルシア・ベルナル)がイグナシオを真似ていたことを告げられます。エンリケは彼らの母親(ペトラ・マルティネス)から手紙を渡され、その内容は初監督作品が公開されたことの祝福、のちにある原稿を送ること、マノロ神父が出版社に勤めており、彼を脅して大金を手にするつもりであることが書かれていました。ある日、フアンがエンリケの元を訪れます。エンリケは改めてフアンと共に映画を撮ることを決めますが、結局フアンの胸中は分かりませんでした。フアンは主人公として最後のシーンを演じた後、兄のことを思い涙に暮れます。
バッド・エデュケーションの結末
その日、今は若い作家を手掛ける編集者であるマノロ神父がエンリケを訪ねてきます。神父はイグナシオの原稿を却下しましたが、イグナシオから連絡が入り、彼の元を訪れます。イグナシオは既に女性として暮らしており、薬物中毒となっていました。神父は、兄の世話係として家にいたフアンに恋してしまい、そのことがイグナシオにばれてしまいます。母親や自分を苦しめる兄に愛想を尽かしたフアンは、イグナシオを神父に殺害させる計画を立てます。イグナシオも麻薬常習犯の更生施設に入り、人生をやり直そうとしていましたが結局亡くなってしまうのでした。エンリケは撮影終了後、フアンを家から追い出しますが、彼からイグナシオの最後の手紙を渡されます。その後、この映画が公開されフアンはスターになりますが、その人気は長くは続かず、偶然マノロ神父を車で引き殺してしまいました。エンリケは今も、映画を撮り続けています。
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