東京不穏詩の紹介:2017年日本映画。俳優を目指して売春バーで働く30歳の純が、貯めた金を恋人のタカに奪われます。途方に暮れた純は実家に帰りますが、母が死に、自分を女として見る父と暮らし始めます。そんな時、同級生で恋仲だったユウキと再会します。やがて父が体を求め、タカが探しにやって来ます。純とユウキのとった行動は…という内容のインド人監督の撮った重いテーマの人間ドラマです。純に群がる人達の人間性が上手く表現されています。
監督:アンシュル・チョウハン 出演者:飯島珠奈(藤田純)、望月オーソン(タカ)、川口高志(ユウキ)、真柴幸平(父)、山田太一(バーのオーナー)、ナナ・ブランク(ナナ)、古越健人(ケン)ほか
映画「東京不穏詩」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「東京不穏詩」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「東京不穏詩」解説
この解説記事には映画「東京不穏詩」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
東京不穏詩のネタバレあらすじ:起
英語をしゃべりながらオーデションを受ける30歳の純は、東京大学を卒業しホステスの仕事をしながら女優を目指しています。激しい演技を見せたあと、彼氏のタカに会います。部屋でタカと愛し合うと「今度のオーデションは手ごたえがある。受かったら3か月カナダに行かないといけない」と言います。反応の悪いタカに「私がいなかったら、色んな女を抱けるね」と言うと、タカは「そんなことはしない、君だけだ」と言います。
純はタカに紹介された、高級売春バーで働いています。そんな純にタカは「お金600万くらい貯まった?」と聞きます。純は適当に答え、バーに出勤するタカを送り出します。その後、同じバーで働く外国人ホステス・ナナに会った純は、ナナからタカの悪い噂を聞かされます。
部屋に帰ると生理になった純に、バーのオーナーから呼び出しがかかります。「今日は休みをもらっている」と言う純でしたが、オーナーは「お前がそんなことを言える立場じゃない」と言って無理やり来させます。そして純目当ての客に付くと、「アレになったからここで飲みましょう」と純が言います。客は「飲むために高い金を払っているんじゃない」と言って、車に乗せます。タチの悪い客の態度に切れた純が車を降り部屋に帰ります。
部屋には見知らぬ男がいて物色しています。「あんたダレ?何してんのよ」と言う純に、男は「痛い目にあいたくなかったら大人しくしていろ」といます。そして男が純の隠し貯金を見つけると、純が飛び掛かります。男は純を何度も殴りつけ出て行きます。
東京不穏詩のネタバレあらすじ:承
血まみれの顔を洗い流した純はタカを電話で呼びつけます。「あんたがやったんでしょう。正直に云って」という純に、傷だらけの純の顔を見たタカは「知らない」と言って出て行きます。タカが電話をすると、金を盗んだ男がやって来ます。タカが男を殴りつけると、逆に殴り倒されます。「お前が頼んだんだろう」と言う男に、「傷つけろとは言っていない」というタカ。男は「お前の取り分だ」と言って金を半分渡すと、「警察に言ったらお前を殺す」と言って立ち去ります。
体を売って貯めた金を信用していた男に騙し盗られた事で、純は荷物をまとめ実家に帰ってしまいます。家に帰ると、父が「その顔どうしたんだ。東京で事件でも起こして警察が来るのはゴメンだからな」とくぎを刺します。純は「お母さんは?」と聞きます。父は「1年前に死んだよ」と言います。
そのころバーではオーナーがいなくなった純を「どこに行ったんだ?」とウェイターたちを殴りながら聞いています。タカを呼びつけると「お前、純とやってるんだろう。何処に行ったか言え!」と問い詰めます。タカは「知りません」としらを切り通しますが、わかっているオーナーはタカを蹴り飛ばします。
純が入浴していると「父が一緒に入ろう」と言います。純が無視すると、今度は寝ている純の側に座って見つめます。翌朝、父は「ここに住まわせてもらってるんならもっと協力しろ」と言います。純は「お母さんが死んだことも知らせないで、この家もおばあちゃんの家じゃない。おばあちゃんの遺産で酒ばかり飲んでるくせに」と言い返します。
東京不穏詩のネタバレあらすじ:転
父が「お前が東京で、お前のお母さんと同じ娼婦をやっていたことは知っている」と言い出します。すると純は「あんたの目的はわかっている。さあやれよ」と言って自分の胸を揉ませます。父は純を突き飛ばし「出て行け!」と怒鳴ります。
外に出で、チェンソーで草刈りを始めた純を、同級生のユウキが見かけ話しかけます。二人はかつて恋人同士だったようで、農業をやっているユウキは「来いよ」と純を呼びます。倉庫の中で着替えるユウキは純と懐かしい話をします。その横で、幼馴染のケンが忙しそうに動きます。ケンを見た純は「ケンは変わらないね」と言います。「私のお母さん何で死んだの?」とユウキに聞きます。「知らなかったのか。家の庭で首を吊って死んだんだよ」と教えます。驚いた純は、黙って家に帰ります。
タカがナナの部屋に押し掛けます。純の居場所を聞きますが、ナナは「知らない」とだけ言います。タカが「店の金を借りるつもりでちょっと抜いたら、あっという間に膨れ上がって純の金に手を付けたんだ。オレは純を探すためにバーも辞めたんだ」と言うと、ナナは「実家に帰ったよ」と教えます。
自分で髪を短く切った純が父に「おばあちゃんの遺産を半分よこせ。権利があるのは私とあんただけだ」と詰め寄ります。父は「お前に渡す金はない」と言います。すると純は、階段を転げ落ち、自分の顔を殴りはじめます。「私の取り分をよこさないと、警察に行ってあんたに強姦されたと言う」と脅します。
東京不穏詩の結末
田植えをするユウキの元へ純が行きます。純は「あさって東京へ配達に行くんだ。一緒に行こう」と誘います。純が「いいよ」と言うと、ユウキは「今から川へ行こう」と言ってケンも誘い3人で川に向います。3人は全裸になり泳いで楽しみます。
その後、BBQパーティーに行き、楽しく過ごした後、純が「私が東京で売春をして金を貯め、彼氏に騙され金を奪われて、実家に帰って父から金を巻き上げようとしている女でもいいの?」と聞きます。黙っていたユウキが純にキスをします。そして二人は草むらで愛し合いはじめます。
純は途中で止め家に帰りシャワーを浴びます。そしてドライヤーで髪を乾かしていると、父が「金はいくらでもやる、その代わりわかってるよな」と純の体を要求します。純はドライヤーを自分の腕に当て、父の視線が変わったのを見て、ドライヤーのコードで父の首を締め上げて殺してしまいます。
タカは列車に乗って純の田舎に着きます。家を探すため何人かに純の事を聞きます。少しずつ純の家に近づくタカが青年を見つけ話しかけます。それはユウキでした。一瞬たじろいだユウキでしたが「知ってるよ。近くに行くので乗せて行ってやるよ」と軽トラに乗せます。ユウキが向かったのは3人が泳いだ川でした。「何もないですよ」と降りたタカをユウキがショベルで殴り殺します。
ユウキが純を乗せ東京に向います。何もしゃべらない純がしばらくして「外に出たい、止めて」と言います。純は車を降り、呼び止めるユウキの声に反応もせず山に向かって歩きはじめたのでした。
以上、映画「東京不穏詩」のあらすじと結末でした。
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