晩春の紹介:1949年日本映画。鎌倉に住む大学教授の曽宮周吉は婚期を逃しかけている娘紀子のことが心配になってきていた。原節子と杉村春子が初めて小津作品に出演し、脚本家の野田高梧も戦後初めて小津とコンビを組む。1930年代に既に名声を確立していた小津の戦後の全盛時代の始まりを告げることになる。
監督:小津安二郎 出演者:笠智衆(曽宮周吉)、原節子(曽宮紀子)、杉村春子(田口まさ)、月丘夢路(北川アヤ)、宇佐美淳(服部昌一)、三宅邦子(三輪秋子)、三島雅夫(小野寺譲)その他
映画「晩春(1949年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「晩春(1949年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
晩春の予告編 動画
映画「晩春(1949年)」解説
この解説記事には映画「晩春(1949年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
晩春のネタバレあらすじ:父と娘の暮らし・起
56歳の曽宮周吉は東京で大学教授をしながら、鎌倉で27歳の娘、紀子と二人で暮らしている。紀子の買い物があるので二人一緒の電車で東京に出た日、紀子は銀座で、周吉の親友で、京都で大学教授をしている小野寺と偶然再会。一緒に夕食をし、そのまま小野寺を鎌倉に連れてくるが、小野寺が後妻をもらったことに紀子は不潔であると言ってしまう。
周吉の妹、田口まさは、戦中戦後の無理で体を悪くしていた紀子も最近では元気になったことだし、もう嫁に行かせなくてはと考えている。大学の助手の服部はどうだろうかと兄に言ってみる。その日、紀子が、留守中に周吉をたずねてきた服部と自転車に乗って楽しんだと聞いて、周吉は色めき立ち、紀子に服部との結婚はどうかと話を切り出すが、笑われてしまう。服部は既に紀子も知っている女性との結婚が決まっていたのだった。
晩春のネタバレあらすじ:娘の縁談と父の縁談・承
ある日、紀子は叔母まさの家で、前にお茶会で顔を会わせたことのある未亡人・三輪秋子に紹介される。まさは紀子に縁談をもちかけると共に、三輪が周吉の後妻にいいのではないかと考えていることを話す。
周吉と紀子は東京に能を見に行く。離れた席に三輪を見つけて、周吉が会釈するのに紀子は気づき、不機嫌になる。帰りも行くところがあると父に言って、道の反対側をすたすたと歩いてく。だが、訪問した同級生の出戻り娘・北川アヤにも、あなたはさっさとお嫁に行った方がいいと言われて、やはり機嫌を損ねて帰る。
その晩、周吉は紀子にまさの薦める相手と見合いをするように言う。嫌なら断ればいいと言うが、周吉はこの縁談に乗り気だった。私がいないとお父さんのことが心配だ、と言う紀子に周吉は、紀子の代わりの人がいればだいじょうぶと言う。それは三輪のことかと聞く紀子に、周吉はうなずく。父も小野寺と同じになるのかと紀子は思う。
晩春のネタバレあらすじ:京都旅行・転
見合いの二週間後、早く話を進めたいまさは、周吉の家に紀子の意思を確認しに来る。あんたは見合いでなければ結婚できないから嫁に行っちゃいなさいとアヤに言われて、帰ってきた紀子は縁談に承知する。周吉は紀子に、いやいやながら嫁に行くのではないねと念を押す。
結婚を前に紀子と周吉は二人だけで京都に旅行する。京都では小野寺の一家が二人を歓待する。小野寺の妻は素敵な人で、小野寺に「汚らしい」と前に言ってしまったことを紀子は悔いる。しかし、京都の旅館の最後の夜に、荷物をカバンに詰める父に紀子は「お父さんとこのまま暮らしたい。これからこれより幸せなことはない」と訴える。父は娘に、幸せは夫婦二人で作るものだと教え、娘も納得する。
晩春の結末:嫁入りの日
間もなく結婚式の日が来た。二階の紀子の部屋で紀子は花嫁姿を周吉に見せて挨拶をした。
娘夫婦を新婚旅行に出した後、周吉は料亭でアヤと酒を酌み交わす。お嫁をもらうのかとアヤに聞かれ、紀子に結婚を促すために再婚すると嘘をついたことを言う。帰宅した周吉は一人ぼっちになった家でリンゴの皮をむくのだった。
以上、映画「晩春」のあらすじと結末でした。
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