野球少女の紹介:2019年韓国映画。1996年の規約改定により女性もプロになれることになった韓国野球界を舞台に、天才と称される野球少女が幾多の困難を乗り越えてプロ入りを目指す姿を描いたスポーツドラマです。本作の主人公は実在の女性野球選手アン・ヒャンミをモデルとし、主演のイ・ジュヨンは撮影にあたり約40日間訓練を重ね、劇中の全ての野球シーンを代役なしで演じ切りました。
監督:チェ・ユンテ 出演者:イ・ジュヨン(チュ・スイン)、イ・ジュニョク(チェ・ジンテ)、ヨム・ヘラン(スインの母)、ソン・ヨンギュ(スインの父)、クァク・ドンヨン(イ・ジョンホ)、チュ・ヘウン(ハン・バングル)ほか
映画「野球少女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「野球少女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
野球少女の予告編 動画
映画「野球少女」解説
この解説記事には映画「野球少女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
野球少女のネタバレあらすじ:起
韓国プロ野球界は1996年の規約改定により、女性もプロ選手になれることになりました。本作はプロ野球入りを目指す一人の天才少女のお話です。
とある高校の野球部では、創部3年目にして初めてプロ野球球団からの指名がありました。指名を受けた男子生徒イ・ジョンホ(ァク・ドンヨン)は校長先生から讃えられ、一躍学校の英雄として祭り上げられていました。そんなジョンホを羨望の眼差しで見ている一人の女子生徒がいました。ジョンホのリトルリーグ時代からの戦友であり、同じ野球部に所属するチュ・スイン(イ・ジュヨン)でした。
スインは一家の大黒柱である母(ヨム・ヘラン)、無職で万年受験生の父(ソン・ヨンギュ)、まだ幼い妹の4人暮らしです。スインはリトル・リーグ時代から“天才野球少女”の異名を持つ天才的な投手で、最高球速は134kmを誇る注目された存在でした。
しかし、女子野球選手の部活動は中学までしかなく、スインは進学と共に野球を諦めざるを得なくなりましたが、スインの父が高校と交渉した結果、特例として野球部への入部を許されたのです。
ジョンホ以外のプロ行きを果たせなかった野球部員たちは高校卒業後の進路を早く決めなければなりませんでした。スインもまた母から職を斡旋してやると持ちかけられましたが、野球への情熱を捨てきれないスインにとっては乗り気になれませんでした。勉強がからっきし苦手なスインは青春の全てを野球に捧げており、せめて野球に関わる仕事に就きたいと願っていました。
野球少女のネタバレあらすじ:承
ある日、スインが所属する野球部に、パク監督(キム・ジョンス)の紹介で新コーチのチェ・ジンテ(イ・ジュニョク)が加わりました。これまでプロの二軍暮らしを送ってきたジンテは教職員の資格を有しておらず、コーチの経験は実質今回が初めてでした。ジンテはパク監督の紹介でスインと初対面しました。
将来プロ野球選手になりたいとの夢を抱くスインは、放課後を利用してとあるプロ野球チーム球団にトライアウト受験を申し込みました。しかし、受付係はスインが女性であることを理由に申請書を受け取りませんでした。スインはアイドルになる夢を追っている親友のハン・バングル(チュ・ヘウン)にこのことを相談しましたが、バングルでさえもトライアウトに合格などできないと諭してきました。
スインはパク監督の薦めで、かつて女子野球の韓国代表に選ばれた経験のあるキム先生(イ・チェウン)に進路相談することになりました。スインは改めてプロ野球に進みたい意思を示し、側で話を聞いていたジンテからもプロ行きは無理だと言われても頑なに意思を変えることはありませんでした。
スインは自分の実力を示すため、ジョンホと対決したいとジンテに願い出ました。スインは自慢の速球で2ストライクまで追い込みましたが、スインの投球をみきったジンテはジョンホに攻略法を伝授し、ジョンホはホームランを打ってみせますした。ジンテはうなだれるスインに、男女の差は関係なくスインには実力が足りないことを指摘しました。一度は深く落ち込んだスインでしたが、どうしても野球を諦めきれず、自分の持ち球である速球に磨きをかけるために一人だけで猛特訓を開始しました。
一方、ジンテは別れた元妻に養育費を渡すために会いに行きました。元妻はジンテは現役よりもコーチの方が性に合っていると指摘し、「あなたが教えた者は上手になった。あなたは教える才能がある」と激励しました。ジンテはスインが必死に血のにじむ猛特訓をしていることを知り、また彼女の意志が非常に固いことも知り、自らスインの指導を買って出ることにしました。
野球少女のネタバレあらすじ:転
ジンテはパク監督からスインの投球の特徴を聞き取り、彼女の投げる球は独特の回転数を持っていることに気付きました。スインは速球に磨きをかけて球速を150km台にアップしようと考えていましたが、ジンテは投球に高い回転数のナックルボールを取り入れて打者を翻弄する策を授けました。
スインの父は娘の頑張りに触発されて宅地建物取引士の勉強に熱を入れましたが、合格を焦るあまり不正に手をつけて逮捕されてしまいました。スインの母は夫の件に加えて未だに野球の夢ばかり追いかけているスインにも腹を立て、彼女の愛用していたグローブを燃やしてしまいました。
深く落ち込んでしまったスインは母のコネで、金型製造工場で働くことになりました。そんなある日、ジンテは知人のコネを使って、スインのためにトライアウトの申請をしてくれました。ジンテはスインを焼肉屋に招いてご馳走し、新しいグローブをプレゼントしてくれました。大喜びするスイン。
ジンテは更にジョンホも招待していました。ジョンホはスインに爪を保護するためのマニキュアをプレゼントすると、今やリトルリーグ時代から野球を続けているのは自分とスインしかいないと語りました。これを機に、スインとジョンホは友情を深めていきました。
野球少女の結末
そして迎えたトライアウト当日。会場となる球場の観客席にはジンテとジョンホ、そしてスインのプロ入りを未だに反対し続けているスインの母の姿がありました。
そしていよいよスインの出番がやってきました。ベンチの者たちは誰もがスインの球の遅さをバカにしていましたが、監督だけはスインの投球には球速だけではないキレがあることを見抜いていました。スインは習得したナックルボールを駆使して打席に立ったルーキー選手から2ストライクを取りました。ルーキー選手はコツを掴んだとばかりにスインの次の球を打ちましたが、タイミングを微妙にずらされてポップフライとなり、スイン自ら掴んでアウトを取りました。
スインが必死で野球に打ち込む姿を見たスインの母は、ジンテから「プロになるのは難しい。それでも好きにやらせてあげればよいのではないか」と声をかけられました。その夜、スインの母は帰宅したスインに声をかけ、スインが幼かった頃の話を始めました。
それは、他の同年代の女の子たちがアイスクリームを食べていた時、スインの母はアイス代すらも惜しんで我が子に買ってあげなかったことでした。スインの母はそのことを素直に謝りました。その後、スインの父は資格取得を諦め、定職を探すことにしました。
後日、スインはトライアウトを受けた球団から呼び出しを受けました。それはプロ野球選手としての契約ではなくチームスタッフとしてのオファーでした。あくまでも球速にこだわる球団フロントの考えに対し、スインは投手の役目は打たせないことだと主張、オファーを断りました。
その後、球団は改めてスインの投球を分析、思い直してスインにプロ野球選手としての契約を提示することにしました。それは二軍選手としての契約でしたが、契約書を見たスインの母は思わず気が動転してしまいました。
そしてようやくプロ野球選手になるという夢を叶えたスインは、気持ちを新たにプロのマウンドに向かいました。
以上、映画「野球少女」のあらすじと結末でした。
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