ビフォア・ザ・レインの紹介:1994年イギリス,フランス,マケドニア映画。紛争の絶えないマケドニア共和国とロンドンを股にかけ、民族間や宗教間の対立や戦争がもたらす悲劇を、時間軸が環のように繋がった3話のエピソードで描いたオムニバス作品です。ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞しています。
監督:ミルチョ・マンチェフスキ 出演者:グレゴワール・コラン(キリル)、ラビナ・ミテフスカ(ザミラ)、カトリン・カートリッジ(アン)、ラデ・シェルベッジア(アレキサンダー・“アレックス”・キルコフ)、ジェイ・ヴィラーズ(ニック)ほか
映画「ビフォア・ザ・レイン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビフォア・ザ・レイン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ビフォア・ザ・レイン」解説
この解説記事には映画「ビフォア・ザ・レイン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビフォアザレインのネタバレあらすじ:第1部 言葉
マケドニア。キリスト教の修道僧のキリル(グレゴワール・コラン)はこの修道院で2年に渡って“沈黙の修行”をしていました。そんなある日の晩、キリルが寝床につこうとすると、部屋には見知らぬムスリム教徒の少女ザミラ(ラビナ・ミテフスカ)が隠れていました。キリルは修道院の上層部に報告しようとしましたが、裸足で逃げてきたザミラを哀れに思ってひとまず匿うことにしました。しかしその翌日、マケドニア人の民兵集団が修道院におしかけ、ザミラに兄弟を殺されたと主張すると傍若無人な振る舞いで修道院内を探し回りましたが、ザミラを発見には至らず、民兵たちは強引に修道院に泊り込むことにしました。夜になり、他の修道僧たちはキリルを破門したことにしてザミラと共に脱出させました。翌朝、キリルはロンドンにいる写真家の叔父のところに逃げようと提案したその時、ザミラの祖父や兄を含むムスリム民兵が現れました。ザミラはキリルを守るため、二人は愛し合っているのだと主張しましたが聞き入れられず、キリルが解放された直後にザミラは兄に背中を撃たれて殺害されました。
ビフォアザレインのネタバレあらすじ:第2部 顔
「第1部 言葉」の少し前、ロンドンの雑誌社に勤める女性編集者のアン(カトリン・カートリッジ)は夫ニック(ジェイ・ヴィラーズ)との関係に不満を抱いており、ピュリッツァー賞を受賞したマケドニア出身の報道カメラマンのアレックス(ラデ・シェルベッジア)と不倫関係にありました。しかもアンのお腹の中には既にアレックスとの子供が宿っていました。この日もアンはアレックスとの情事の後、その足でニックとの夕食に向かいました。アンはニックとの子を授かったと嘘をついたうえでニックに離婚話を切り出しました。しかしその時、レストランの店員とトラブルを起こした男が突然銃を取り出して乱射、ニックは顔を撃たれて即死しました。しかし、夫の死に顔を見たアンはただ「顔が…」と呟くのみでした。
ビフォアザレインのネタバレあらすじ:第3部 写真(前)
「第2部 顔」での事件の後、アンと別れたアレックスは仕事がてら16年ぶりに故郷マケドニアに帰ってきました。マケドニアは未だにアルバニアとの紛争が続いており、アレックスは旧友と変わらぬ友情を確認しあいますが、幼馴染みでかつてアレックスが想いを寄せていたアルバニア人女性ハンナはアレックスに対して冷淡な態度を取り、アレックスは時代の変化の波だと受け入れるしかありませんでした。アレックスはこれまで世界各国の紛争地帯を渡り歩いて写真を撮り続けてきたのですが、目の前で無惨にも射殺されていく捕虜を救うことが出来ず、ただひたすらカメラのシャッターを切り続けている日々に疲れ切っていました。ある時、アレックスは何者かによって殺害された従兄弟の死体を見つけました。
ビフォアザレインのネタバレあらすじ:第3部 写真(後)
その直後、アレックスはハンナに助けを求められ、娘のザミラを救ってほしいと懇願されました。どうやらザミラがアレックスの従兄弟を殺したらしく、ザミラはアレックスの仲間たちに捕まり監禁されていました。ハンナの頼みを聞き入れたアレックスはザミラを助け、共に逃げようとしましたが、その途中でアレックスは裏切りに怒った仲間たちの手で射殺されました。何とか逃げ延びたザミラは、アレックスの甥・キリルが修行を積む修道院へと向かいました。
この映画の感想を投稿する