ブランカニエベスの紹介:2012年スペイン,フランス映画。スペインの白雪姫は女闘牛士。有名なグリム童話をスペイン風にアレンジ、躍動的な姫の前に王子様は現れるのか?
監督:パブロ・ベルヘル 出演:マリベル・ベルドゥ(エンカルナ / 継母)、ダニエル・ヒメネス・カチョ(アントニオ・ビヤルタ / 父親)、アンヘラ・モリーナ(ドナ・コンチャ / 祖母)、ソフィア・オリア(カルメンシータ / 幼少期のカルメン)、マカレナ・ガルシア(カルメン / 白雪姫)、ほか
映画「ブランカニエベス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブランカニエベス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブランカニエベスの予告編 動画
映画「ブランカニエベス」解説
この解説記事には映画「ブランカニエベス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブランカニエベスのネタバレあらすじ:起・売れっ子闘牛士
セビーヤの町で人気の闘牛士ビヤルタは、コロサル闘牛場で身重の妻が見ているその前で瀕死の重傷を負って病院に運ばれた。産気づいた妻のカルメンもまた同じ病院に運ばれた。ビヤルタは処置の甲斐もあり、一命はとりとめたが、目を覚ました時には妻は女の子を産んで亡くなった事、また全身不随で闘牛士を辞め、記者押し寄せる中、看護師を連れて退院した。残された女の子はカルメンの母が連れて行った。
祖母の元で母の名前を継いだカルメンは、鶏のペペと暮し、初聖体を受ける日に父親が来ないか楽しみにしていた。古いアルバムには、フラメンコの踊り手だった若い頃の母と、闘牛士の父が瀕死の重傷を負ったその後、介抱をしていた看護師エンカルナと再婚した記事がスクラップにされていた。
初聖体の日、父親はお祝いだけを残し、姿を見せることなく去った。その日、近所の近所の人たちと集まって踊っている最中に、祖母が倒れ、カルメンは父親の元に引き取られることになった。しかし、彼女を迎えたのはエンカルナで、二階へ上がっては駄目だと言い置いて、カルメンを納屋に住まわせ、ぺぺは鶏小屋に入れられてしまった。
ブランカニエベスのネタバレあらすじ:承・継母との生活
髪を短く切られ、石炭運びや水汲み等の大変な仕事を命じられ、少しでも手を休めると髪を引っ張られた。
ある日、鶏小屋に卵を取りに行くと、ペペが逃げ出した。ペペを追っていくと、カルメンは二階のとある部屋まで入ってしまった。そこは父の部屋で、びっくりした父親は車椅子に取り付けられた呼び鈴を鳴らした。ペペと隠れたカルメンは、エンカルナが父親に辛く当たっているのを見、若い男を連れ込んで放蕩の限りを尽くしているのを知った。
父親は、カルメンの面差しに亡くなった妻を思い出しうれし涙を流した。父ビヤルタは闘牛の色はをカルメンに教え、牛から目を離しては駄目だと言った。
エンカルナが狩猟に出掛けた日、カルメンはレコードをかけて父の前でフラメンコを披露した。しかし回ったままの蓄音機に、カルメンがここに入り込んでいる事がバレてしまった。
エンカルナはカルメンを夕食の席に招き、殺したペペで作ったスープと丸焼きを食べさせ、次はお前だと彼女を脅した。
その日を境に、父の部屋には鍵が掛けられた。
数年たち、カルメンが美しく成長したある日、父親は階段から転落して亡くなった。
ブランカニエベスのネタバレあらすじ:転・カルメンの危機
父親の墓のために、エンカルナに遠くまで花を摘みに行ったカルメンは運転手に殺されそうになり、逃げたが途中の川で無理矢理溺れさせられ気を失った。そして河原に打ち上げられた彼女は、見世物小屋の小人たちに拾われた。目を覚ましたカルメンは何も覚えておらず、彼らと行動を共にすることになった。小人は闘牛士は牛に襲われるのを見世物にしていた。咄嗟に助けに入ったカルメンが牛の相手をすると、それが客に受け、白雪姫と7人の闘牛士たち名前を変え、セビーヤの闘牛場からスカウトされた。
新居でビヤルタの一周忌の記事のインタビューを受けたエンカルナは、自分の事が載った雑誌に、コロサル闘牛場で白雪姫となったカルメンがデビューすることを知ってしまった。
晴れてデビューの日、脚光を浴びるカルメンを良く思わない小人のヘスニンは、彼女が相手をするはずだった若い牛を、大人の牛に取り換えた。そして闘牛場にはエンカルナも訪れていた。
ブランカニエベスの結末:継母は毒林檎を持って
闘牛場に出ようとするカルメンに、父親の旧知の紳士に声をかけられ、彼女はすべてを思い出し。そして、予定していた若い牛ではなく、成牛にも恐れず、父の言葉を思い出し相手をし、拍手喝采を浴びた。観客も彼女がビヤルタの娘だと気がつき、白いハンカチを取り出し牛を助けるように示し、闘牛は終了した。チップを投げ入れる観客に混じって、エンカルナはヘスニンに気づかれていたけれど、カルメンに林檎を渡した。観客の拍手に答えながら、林檎を齧ったカルメンはその場に倒れてしまった。林檎を渡したのがエンカルナだと知っているヘスニンと小人たちよって、隠れた檻に猛牛を入れられ、彼女は死んだ。
カルメンの死を嘆く小人たちは、「白雪姫の目覚め」という見世物小屋をはじめ、10セントで彼女にキスができる言ってお金を巻き上げては、最後の一人で彼女が目覚める仕掛けをして驚かせていた。
いかがわしいその見世物を、カルメンに想いを寄せる小人のラフィーナは気乗りしなかったが、彼女の身繕い役をかって出た。ある夜、彼が眠るカルメンにキスをすると、目尻に涙が浮かび、零れた。
以上、映画「ブランカニエベス」のあらすじと結末でした。
ブランカニエベスのレビュー・考察:王子さまは小人
スペインの要素を取り入れながら、白雪姫を踏襲するが、この作品には王子様が出てこない。記憶を失った彼女を唯一歓迎して迎え入れた小人のラフィーナがその役を担う。一目惚れではなく、白雪姫のそばにずっと寄り添っていた物の愛の物語は、おとぎ話の王子像の現代風解釈に思える。
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