ぼくのおばあちゃんの紹介:2008年日本映画。菅井きんが映画初主演、「世界最高齢映画主演女優」としてギネス認定された作品です。幼少期をおばあちゃんに育てられた智宏は、現在エリート営業マン。多忙な日々で忘れかけた家族の絆を、おばあちゃんとの思い出を回顧することで取り戻す物語です。
監督: 榊英雄 出演: 菅井きん(村田みさお)、岡本健一(村田智宏)、阿部サダヲ(茂田洋一)、寺島進(新海幸太郎)、清水美沙(茂田美佐子)、加藤貴子(村田絵美)ほか
映画「ぼくのおばあちゃん」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ぼくのおばあちゃん」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ぼくのおばあちゃんの予告編 動画
映画「ぼくのおばあちゃん」解説
この解説記事には映画「ぼくのおばあちゃん」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ぼくのおばあちゃんのネタバレあらすじ:起
村田智宏は夢を見ています。故郷の大洲城を舞台に、自分が正義のヒーロー成敗侍、妻が捕われた姫になり、悪党たちと大立ち回りを演じる夢です。危なくなったところで目が覚めます。残業や仕事の持ち帰りが続き、近頃ほとんど睡眠がとれていません。そんな智宏は、戸建て住宅の営業マン。半期連続売上1位の、会社の期待の星です。「家族が幸せに暮らせる家」がモットーの、顧客に寄り添った営業がウケているようです。今プランニング中なのは、茂田家の新居。夫婦に子ども一人。今はおじいちゃんも一緒に住んでいますが、嫁に煙たがられ、この機会に老人ホームに入れさせられようとしています。以前おじいちゃんが、孫を怪我させてしまったのがきっかけのようです。智宏の前でも意見の合わない茂田夫婦に、困惑する智宏なのでした。
ぼくのおばあちゃんのネタバレあらすじ:承
一方、智宏の家は、幼なじみの妻絵美と、小学生の息子雄太の3人暮らし。会社ではエリートの智宏ですが、仕事が忙しすぎて、家庭のことは妻に任せっきり。朝のゴミ出しが精一杯です。雄太の父親参観にはなんとしても出席しなければ、と予定を調整しますが、茂田家のゴタゴタに巻き込まれて、結局間に合いませんでした。雄太と険悪になる智宏です。この前の夢の続きが浮かびます。成敗侍になった智宏のピンチに登場するのは、忍者姿のおばあちゃんなのです。智宏は、幼い頃、愛知県の大洲市で育ちました。癌を患って入退院を繰り返していた父、父の看病とパートで多忙な母に代わり、育ててくれたのがおばあちゃんです。時々舞い込む「髪結い」の仕事の傍ら、やんちゃな智宏の面倒を見るのは大変。模造刀を振り回す智宏のせいで、おばあちゃんが怪我をしたこともありました。後に結婚することになる絵美は、商店街の八百屋の娘。八百屋の幸太郎夫婦や、薬局の憲次は、父が亡くなった後も、何かと村田家を気にかけて世話を焼いてくれました。
ぼくのおばあちゃんのネタバレあらすじ:転
智宏が中学生の頃に、おばあちゃんが入院します。おばあちゃんには内緒でしたが、癌で手の施しようがない状態です。あるとき、医師が病名をおばあちゃんに告知してしまい、おばあちゃんは錯乱状態に。自宅で余生を送ることになりました。智宏は寝たきりのおばあちゃんのために、父が撮りためた家族写真を天井に張り付けてあげました。おばあちゃんは喜んでそれを眺めています。83歳の誕生日には、近所の人達も集合し、縁側で賑やかにパーティー。智宏が福引きで当てられなかったビデオカメラは、見事絵美が引き当て、おばあちゃんにプレゼントしてくれました。庭の柿の木。実に手が届かなかった幼年時代。病気のおばあちゃんをおんぶして眺めた少年時代。そして、おばあちゃんは亡くなります。おばあちゃんとの思い出を回顧して、家族の大切さを改めて感じた智宏。茂田家には、密かに2種類の新居の模型を持参しました。親子3人が暮らすプランと、おじいちゃんも一緒の4人のプランです。まずは3人のプランを説明し始めた時、茂田家の妻が「待った」をかけ、別室のおじいちゃんと息子タケシを呼んできます。先日、タケシが火傷をした際に、おじいちゃんの素早い対応で大事に至らずに済んだのです。「おじいちゃんと4人の家を」との妻の要望に、嬉々としてもう一つの模型を取り出す智宏たち。みんな笑顔です。
ぼくのおばあちゃんの結末
智宏は、仕事の合間に、息子のためにもうひとつ模型をこしらえていました。それはおばあちゃんと過ごした大洲の古い家。庭には思い出の柿の木もあります。今は母が一人で住んでいる実家を、家族3人で久しぶりに訪れることにしました。雄太も大喜びです。おばあちゃんとの思い出がつまった家は、変わらぬ姿で智宏たちを待っていました。雄太と一緒に遊んでいると、戸棚からおばあちゃんの誕生日に撮ったビデオが出てきます。テープを再生して懐かしむ大人たち。パーティーの映像のあとに、おばあちゃんが一人で撮ったと思われる遺書がわりのビデオメッセージが。心から智宏を愛し、一緒に歩むことのできない智宏の未来を想ったおばあちゃん。智宏は号泣します。墓参りの後、車に乗り込む3人。車が見えなくなるまで手を振っている智宏の母。その姿は、いつかのおばあちゃんを彷彿とさせるのでした。
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