牡丹燈籠の紹介:1968年日本映画。お盆の16日、燈籠流しをしていた新三郎が、お米と若いお露という女性と会い、お露に惚れた新三郎は関係を持ってしまいました。しかしお米とお露は幽霊で、新三郎の精気は日に日に吸い取られていきました…という、中国に伝わる怪談と、三遊亭円朝の怪談話を元に撮られた怪談映画です。古典作品ながら、現在においても新鮮な怖さを見せる内容です。
監督:山本薩夫 出演者:本郷功次郎(新三郎)、赤座美代子(お露)、小川真由美(おみね)、西村晃(伴蔵)、志村喬(白翁堂)、大塚道子(お米)、宇田あつみ(次男の嫁菊)ほか
映画「牡丹燈籠(1968年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「牡丹燈籠(1968年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「牡丹燈籠(1968年)」解説
この解説記事には映画「牡丹燈籠(1968年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
牡丹燈籠のネタバレあらすじ:起
武家の家を出て、長屋住まいをし、近所の子供たちに読み書きを教えていた新三郎が、お盆の8月13日、実家に呼び出されました。跡取りであった次男が急死し、後家になった菊を、新三郎の嫁にして跡目を継がそうとしますが、新三郎はかたくなに拒みました。
8月16日、新三郎は教え子たちと燈籠流しをしていました。そこへ二人の女が近寄って来ました。年配の女は、新三郎に「私たちの燈籠を流してくださっている」と感謝して立ち去りました。家に戻った新三郎でしたが、深夜、先ほど会った女二人が訪ねてきました。
若い女はお露と言い、吉原で玉虫と名乗っていました。年配の女はお米と名乗り、吉原の女中だと言いました。お米はお露をお嬢様と呼び、お露の話をしました。武士の娘・お露は、父親の病気により借金をしたことから、借金のカタに吉原に売られたと言います。そして育ちが良い事から、館の主人は客を取らせませんでしたが、金持ちの年寄に惚れられ、裏盆が終わる20日を過ぎると、体を差し出すことになっていると言いました。
牡丹燈籠のネタバレあらすじ:承
話を聞いた新三郎は、自分も武家の生まれで、今は家を飛び出し、近所の子供に読み書きを教え、末は塾を開きたいと言いました。話に感動したお米は、盆が終わるまでお露を寄り添わせてくれと頼みました。やがて二人は帰りました。その時、向かいの家の伴蔵が帰る二人を見かけました。遊び人の伴蔵は吉原にいる、お米と玉虫でだと分かりました。
翌日、伴蔵は遊び仲間の男に、新三郎が女郎を家に呼んでいると話し、これをネタに本家をゆすろうと誘いました。男が名前を聞くと、お米と玉虫だと言うと、その二人は先日死んだと言いました。飯屋の女も「二人は死んでいる」と言いました。
その夜遅く、新三郎が家に帰るとお米とお露が来ていました。お露にすっかり惚れてしまった新三郎は、お露に「一緒に居てくれ」と頼みました。お米は盆の間だけでも祝言をあげて結婚しましょうと言い、二人はその夜、愛し合い結ばれました。
その間お米は隣の部屋でずっと待っていました。酔っぱらって帰ってきた伴蔵が新三郎の家の明かりを見て中を覗くと、新三郎は幽霊と愛し合っていました。
牡丹燈籠のネタバレあらすじ:転
翌朝、伴蔵は白翁堂に駆け込みました。白翁堂が新三郎の顔を調べると、精気を吸い取られて衰弱していることがわかりました。白翁堂は「会い続けると死んでしまう」と言いました。お露が幽霊だと信じられない新三郎は、町娘に話を聞き、二人が死んだことを聞かされました。お堂に行くと、和尚が二人の墓を見せました。
見ると墓が荒らされ、お露の墓から手鏡が盗まれていました。お露が手鏡を置いて帰った事を思い出した新三郎は、自宅で確認すると手鏡がありました。怖くなった新三郎は家にこもりました。
深夜、お米とお露がやって来ました。新三郎は二人が幽霊であることを話しました。お米がそうだと言うと、新三郎は刀で二人を切り付け始めました。物音に気付いた伴蔵が駆けつけ、新三郎を鎮めました。伴蔵が帰ると二人がやって来ました。お米が『あんなむごいことを何故するのですか?』と言うと、新三郎は落ち着きました。そして、お米が『せめて裏盆の20日まで一緒に居てください』と頼むと、新三郎は納得し、お露と愛し合いました。
牡丹燈籠の結末
翌朝、伴蔵と白翁堂が新三郎に会うと、死人のような顔になっていました。そこで和尚に相談に行くと、20日まであと二日、お堂に閉じ込めて入り口と窓に御札を貼れと言いました。新三郎をお堂に閉じ込め、御札を貼って夜を迎えました。
新三郎に会えないお米とお露は、伴蔵に御札を剥がしてくれと頼みました。伴蔵が断って追い返しますが、この様子を帰ってきた伴蔵の妻のおみねが見ていました。おみねは「幽霊に100両持って来たら御札を剥がしてやると言え」と伴蔵に言いました。
そして迎えた最後の夜、白翁堂ら住人は徹夜でお経を唱えていました。伴蔵に家にお米とお露がやってきました。伴蔵が100両持って来たら剥がしてやると言うと、お米は私たちの墓の二つ隣の墓を掘れと言いました。およねは金が出てきたらそのまま逃げたらいいと言って、伴蔵と墓を掘りました。すると小判が出てきました。金を持って逃げているとお米らに捕まり、伴蔵は御札を剥がしました。
夜が明け、白翁堂らがお堂に行くと、剥がれた御札を見つけて中に入りました。中には着物を着た二人の骸骨と新三郎が死んでいました。
金をせしめ逃げていたおよねと伴蔵でしたが、欲が出て、金がまだあるかもしれないと言って墓に戻って掘りました。しかしそこは盗賊が金を隠していた場所で、見つかった二人は切り殺されました。長屋では新三郎の葬儀が行われていました。
以上、映画「牡丹燈籠」のあらすじと結末でした。
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