塀の中のジュリアス・シーザーの紹介:2012年イタリア映画。イタリア・ローマ郊外のレビッツァ刑務所を舞台に、演劇実習としてシェークスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」の稽古に取り組む服役囚たちの姿をドキュメンタリータッチで描いた異色作です。
監督:パオロ・タヴィアーニ、ヴィットリオ・タヴィアーニ 出演者:コジーモ・レーガ(キャシアス役の囚人)、サルヴァトーレ・ストリアノ(ブルータス役の囚人)、ジョヴァンニ・アルクーリ(ジュリアス・シーザー役の囚人)、アントニオ・フラスカ(アントニー役の囚人)、フアン・ダリオ・ボネッティ(ディシアス役の囚人)ほか
映画「塀の中のジュリアス・シーザー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「塀の中のジュリアス・シーザー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
塀の中のジュリアスシーザーの予告編 動画
映画「塀の中のジュリアス・シーザー」解説
この解説記事には映画「塀の中のジュリアス・シーザー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
塀の中のジュリアスシーザーのネタバレあらすじ:起
イタリア・ローマ郊外のレビッビア刑務所。その一角にある重警備棟では、殺人や麻薬密売、組織犯罪など重犯罪に手を染めた服役囚が収監されています。その中には終身刑囚、更には死刑囚もいます。この刑務所では囚人の更生プログラムの一環として、毎年服役囚による演劇実習が行われています。この演劇実習を経て刑期を終えた者の中には、作家や俳優に転身した者もいるそうです。今年の演目はシェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」に決まりました。
塀の中のジュリアスシーザーのネタバレあらすじ:承
参加を希望する囚人はオーディションを受け、それから次々と配役が割り当てられていきます。囚人たちは舞台監督ファビオ・カヴァッリの指導のもと約半年間に渡る稽古を行い、本番当日には刑務所内に仮設の舞台を組み上げ、衣装も用意され、公演には一般の観客が招待されます。囚人たちはオーディションで思い思いのパフォーマンスを見せ、中には何年も演劇実習に参加している強者もいます。やがて配役が決まり、ジュリアス・シーザー役には麻薬売買で懲役17年の刑を受けた囚人(ジョヴァンニ・アルクーリ)、ブルータス役には昌益14年8ヶ月の組織犯罪者(サルヴァトーレ・ストリアノ)、キャシアス役には殺人罪で終身刑の男(コジーモ・レーガ)。アントニー役には懲役26年の男(アントニオ・フラスカ)が選ばれました。
塀の中のジュリアスシーザーのネタバレあらすじ:転
それぞれの役を与えられた囚人たちは次に台本読みへと移ります。各々は房の中で台本を読み合わせ、独自に稽古を開始します。ある時は掃除当番中にモップを持ったまま台詞の復習をする熱心な男もいます。通し稽古は刑務所内の中庭で行われ、その白熱した様子は看守らですらも見入ってしまうほどです。やがて、出演者の中には役作りに入れ込み過ぎ、登場人物と自分自身の生き方をオーバーラップさせる者も出てきました。
塀の中のジュリアスシーザーの結末
半年の準備期間を終え、いよいよ演劇実習本番の日が訪れました。一般人の観客たちが数多く招待された仮設劇場の周辺は警官隊が物々しく警備に就き、出演者たちも厳重な警備を受けます。そして遂に舞台の幕が上がり、出演者たちは白熱した演技を披露します。舞台は大団円を迎え、万雷の拍手と歓声のなか幕を落とします。カーテンコールの歓喜に沸く彼らが向かった先は、鉄の扉で頑丈に覆われた監獄でした。彼らは再び日常へと戻っていきます。
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