カラミティの紹介:2020年フランス, デンマーク映画。アニメーション映画『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』のレミ・シャイエ監督とスタッフが再集結。西部開拓史上、最初の女性ガンマンとされるカラミティことマーサ・ジェーン・キャナリーの少女時代を描いた長編アニメーション作品です。本作は2020年のアヌシー国際アニメーション映画祭にてワールド・プレミア上映され、グランプリにあたるクリスタル賞を受賞しています。
監督:レミ・シャイエ 声優:サロメ・ブルバン(マーサ・ジェーン・キャナリー(カラミティ))、デリア・レジス(レナ)、マックス・ブレナー(エリージャ)、ビアンカ・トマシアン(イヴ)、サンティアゴ・バーバン(イーサン)、ヨヘン・ヘーゲレ(アブラハム)、アレクシ・トマシアン(サムソン)、レオナール・ルフ(ジョナス)、ダミアン・ウィテカ(ロバート)、アレクサンドラ・ラミー(ムスタシュ夫人)ほか
映画「カラミティ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カラミティ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カラミティの予告編 動画
映画「カラミティ」解説
この解説記事には映画「カラミティ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カラミティのネタバレあらすじ:起
1868年頃、西部開拓時代のアメリカ。
12歳の少女マーサ・ジェーン・キャナリー(サロメ・ブルバン)は母を亡くし、父ロバート(ダミアン・ウィテカ)、まだ幼い妹レナ(デリア・レジス)と弟エリージャ(マックス・ブレナー)と共に、大規模な開拓者集団の幌馬車隊で西を目指していました。
幌馬車隊を率いるアブラハム隊長(ヨヘン・ヘーゲレ)の息子でマーサと同年代のイーサン(サンティアゴ・バーバン)は、マーサにほのかな想いを抱いていましたが、どうしても素直になれずに、マーサについ意地悪をしてしまっていました。
そのため、マーサもイーサンの想いに全く気付くことなく、持ち前の負けず嫌いの性格から、ついイーサンと張り合ってしまっていました。
マーサとイーサンが喧嘩すると、叱られるのはいつも決まってマーサの方でした。この時代は男尊女卑の風潮が根強く、女は女らしく男に歯向かうことなく大人しくしているべきだという考えは、ごく普通のことでした。マーサは女であるがゆえに、男の役目である馬に乗ることも馬車を操ることも、火を起こすことも銃を扱うことも許されませんでした。
それでも納得のいかないマーサは、イーサンのみならず幌馬車隊の大人たちとも事あるごとに衝突していました。
そんなある時、幌馬車隊の移動中にロバートが暴れ馬の暴走に巻き込まれて肋骨を骨折する大怪我を負いました。幌馬車隊はしばらくこの場所に留まることにし、マーサは女性たちと共にたきぎ拾いに参加しましたが、中々良い枝は見つからず、森の中ならば最適な枝が拾えると考えました。
幌馬車隊は女性が森の中に入ることを禁じていましたが、マーサは禁を破って森の中に入りました。そこでマーサはイーサンが逃がした子牛がピューマに襲われて死亡しているのを発見しました。
カラミティのネタバレあらすじ:承
ロバートが回復するまでの間、マーサが一家を取り仕切ることになりました。マーサは弟や妹の世話をしつつ、ロバートに代わって馬車を操ろうとしましたが、上手くいきませんでした。
そこでマーサは幌馬車隊の人々が寝静まった真夜中にこっそり馬車を操る練習を開始しました。最初のうちは女性らしくスカート姿で練習していたマーサでしたが、動きずらいので周囲に内緒でこっそりとズボンを着始めました。
そんなある日、マーサの親友イヴ(ビアンカ・トマシアン)がガラガラヘビに襲われるという事件が発生しました。イヴの悲鳴を聞き付けたマーサはズボン姿のままでイヴを助けに行き、その姿をボロ馬車体の人々に見られました。人々はマーサのズボン姿は女の子らしくないと批判しました。
やがてマーサは巧みに馬を扱うことができるようになりました。そんなある時、マーサは森の中でトラに出くわしましたが、居合わせた軍服の男とその愛犬ピックに助けられました。男は第3騎兵隊のサムソン少尉(アレクシ・トマシアン)と名乗り、当分の間幌馬車隊に同行することにしました。
騎兵隊について強い関心と憧れを抱いたマーサはサムソンから色々と話を聞きましたが、マーサがサムソンと一緒にいるところを見たイーサンは面白くありませんでした。イーサンは嫉妬のあまり、マーサが大切にしていた“光る石”を投げ捨ててしまいました。
マーサは髪を短く切り、自分も他の男子と同等に扱ってほしいと訴えましたが、アブラハム隊長や周囲の大人たちは聞き入れませんでした。マーサは家出して軍隊に入る決意をし、その前にサムソンに話をしようとしましたが、サムソンは忽然と姿を消していました。
それから程なくして、幌馬車隊の人々が相次いで盗みの被害に遭い、人々は姿を消したサムソンに疑いの目を向けました。人々は幌馬車隊とサムソンを引き合わせたとしてマーサにも共犯の疑いをかけ、急遽審議会を開いてマーサ一家を次の交易所で追放する決定を下しました。
マーサは無実を証明すべく、友人に弟と妹の世話を託して幌馬車隊を抜け出しました。
カラミティのネタバレあらすじ:転
マーサはサムソンの愛犬ピックと共に馬に乗り、軍の駐屯地があるとされるホットスプリングを目指しました。その途中、道に迷ったマーサは熊に襲われていた少年ジョナス(レオナール・ルフ)を助けましたが、ジョナスはあの熊は自分の熊で調教していたのだと反論してきました。
同じ頃、幌馬車隊はマーサの捜索隊を送り込んでいました。幌馬車隊の追っ手に気付いたマーサはホットスプリングにいる親のもとに自分を連れて行くようジョナスに提案しました。マーサはズボン姿に短い髪と男の子のような風貌だったので、マーサはとっさに“マーカス”という偽名を名乗って、自分は男の子であるように振る舞いました。
ジョナスもマーサが女の子であることに気付かないまま旅に同行することにしました。
食糧も底を突いたマーサとジョナスは、たまたま出くわした開拓者たちから食糧を巻き上げようとしましたが、捕まってしまいました。何とか逃げ出したマーサとジョナスはいつの間にか打ち解け合っていきました。
とある町に流れ着いたマーサはジョナスと別行動を取り、保安官や軍人にサムソンのことを聞こうとしましたが、失敗して追われる羽目になってしまいました。マーサはジョナスと合流して逃走し、貴婦人のムスタシュ夫人(アレクサンドラ・ラミー)に匿われました。
マーサとジョナスはムスタシュ夫人の経営する金鉱で働くことになりました。その際、ジョナスはマーサが女の子であることを知り、ショックを受けました。
不動産を営むカーソンという男は、ムスタシュ夫人の金鉱の土地を安く買い叩こうと目論んでおり、金鉱で働く労働者にムスタシュ夫人は給料を払う経済力がないと触れて回りました。
労働者たちは次々と金鉱を去り、人手不足に陥ったムスタシュ夫人は窮地に陥りましたが、マーサは自ら金鉱の奥に潜り込み、採掘途中のこの金鉱に本当に金があるのか確かめてくると言い出しました。マーサは危険を承知で金鉱の奥の岩の隙間に潜り込み、この金鉱に本当に金が埋蔵されていることを確認しました。
カラミティの結末
金鉱は本格的に金の採掘を始め、ムスタシュ夫人はマーサにお礼がしたいと申し出ました。サムソンの行方を捜しているマーサは怪しまれないよう女の子らしい服装に身を包み、ムスタシュ夫人と共に町の軍人にサムソンのことを尋ねましたが、軍人はサムソンについて心当たりはないと答えました。
その後、マーサはサムソンが滞在しているテントを見つけ、サムソンと再会を果たしました。実はサムソンは軍人などではなくただの洗濯係であり、軍服を着て町を歩くと人々の自分を見る目が変わるという理由で軍服を着歩いていただけでした。
そしてサムソンは幌馬車隊の人々が盗まれたという物品を所持していました。サムスンはこれらの物品を盗むつもりなど毛頭なく、ことの真相はサムソンに嫉妬したイーサンが金目のものをやる代わりにマーサから手を引けと押しつけたものでした。
マーサはサムソンとピットを引き合わせ、幌馬車隊の物品を返してもらいました。マーサはムスタシュ夫人のもとで働くというジョナスに別れを告げ、幌馬車隊のもとへと向かいました。
幌馬車隊の人々はマーサは死んだものだと思い込んでいました。マーサは自らを“カラミティ”と名乗り、人々に物品を返しました。ロバートはマーサの帰還を大いに喜びました。イーサンは真相を幌馬車隊の人々に素直に明かしました。
イーサンは以前自分が投げ捨ててしまった、マーサの宝物である“光る石”を探し当てていました。イーサンは石をマーサに返して謝罪し、二人はようやく打ち解け合いました。
マーサは幌馬車隊の進路を先回りしてチェックする役目に就き、幌馬車隊はマーサの先導で目的地に向かって進み続けていきました。
以上、映画「カラミティ」のあらすじと結末でした。
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