恐怖の岬の紹介:1962年アメリカ映画。刑期を終えた前科者ケイディから逆恨みされ、執拗にストーキングされるようになった弁護士のボーデン。家族を守るため孤独な戦いが幕を開けます。グレゴリー・ペックとロバート・ミッチャムが共演したサスペンス映画。1991年には「ケープ・フィアー」としてリメイクされた作品です。
監督:J・リー・トンプソン 出演者:グレゴリー・ペック(サム・ボーデン)、ロバート・ミッチャム(マックス・ケイディ)、マーティン・バルサム(マーク・ダットン警察署長)、ロリ・マーティン(ナンシー・ボーデン)、ポリー・バーゲン(ペギー・ボーデン)ほか
映画「恐怖の岬」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恐怖の岬」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
恐怖の岬の予告編 動画
映画「恐怖の岬」解説
この解説記事には映画「恐怖の岬」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恐怖の岬のネタバレあらすじ:起
裁判所にやってきたマックス・ケイディが法廷に立つ弁護士のサム・ボーデンをじっと見つめています。裁判が終わり帰ろうとするボーデンを追いかけてきたケイディは出所の挨拶に来たと告げ、不敵な笑いを浮かべます。ボーデンはその場を立ち去ろうとしますが、去り際にケイディは奥さんと娘によろしくと呟きます。その後ボーデンが妻ペギーと娘のナンシーとともにボーリングに行くと、再びケイディが姿を現します。危機感を感じたボーデンは知り合いの警察署長マーク・ダットンに電話を掛けます。
恐怖の岬のネタバレあらすじ:承
8年前のこと。ボルチモアのホテルに向かっていたボーデンはケイディによる婦女暴行の現場を目撃してしまいます。ボーデンの証言によりケイディの有罪が確定しますが、刑期を終えて出所したケイディはボーデンへの憎しみを募らせていました。ダットンはボーデンに依頼され、ケイディの余罪を調べますが、逮捕の決め手となるような罪は出てきません。やがてナンシーが可愛がっていた愛犬マリリンが庭で何者かに毒殺されてしまいます。ボーデンはケイディの犯行に違いないと確信しますが、証拠がない上にケイディは凄腕の弁護士グラフトンを雇って身の潔白さを主張しはじめます。
恐怖の岬のネタバレあらすじ:転
ある日授業を終えペギーの迎えを待っていたナンシーはケイディに追いかけまわされた挙句、道に飛び出して車と衝突してしまいます。怪我は幸い軽症でしたが、逆上したボーデンはケイディを銃殺しようと考え始めます。しかしペギーから金銭で解決することはできないのかと懇願され、思いとどまります。ボーデンはケイディに会いに行き、2万ドル支払うので町から出て行ってくれないかと取引を持ち掛けますが、ケイディの目的はあくまでボーデンや彼の家族を苦しめることであり、交渉は決裂します。追い詰められたボーデンはごろつきを雇ってケイディを襲撃させますが失敗に終わり、グラプトンには弁護士会の除名を要請すると宣言されてしまいます。
恐怖の岬の結末
ボーデンは川沿いのコテージに妻子を避難させ、ケイディをおびき出すという計画を思いつきます。ダットンは無謀な計画だと躊躇しますが、ボーデンの強い信念に突き動かされ、若い保安官を同行させることにしました。計画通りケイディはボーデン一家の居場所を突き止め、コテージのある川沿いへとやってきます。ボーデンと保安官はコテージの下の草むらに身を隠し、ケイディがやってくるのを待ち受けます。しかし狡猾なケイディは保安官を後ろから羽交い絞めにし、川で溺死させます。さらにコテージに侵入し、怯えるナンシーを草むらの中へと連れ去ります。ボーデンは川の中を追いかけ、待ち構えていたケイディと格闘しますが、持っていた拳銃を落としてしまいます。ケイディはボーデンを川に沈めようとしますが、ボーデンは川底の岩を掴んでケイディの頭を殴打、苦しんでいる隙にナンシーを連れて草むらへと身を隠します。しかし執念深いケイディはなおもボーデンを追いかけ徘徊し続けます。ボーデンは拳銃を拾い上げ、迫りくるケイディの腹を撃ちぬきました。銃口を突き付けられたケイディは撃てばいいと挑発しますが、ボーデンは檻の中で生涯苦しみながら生き続けろと吐き捨てます。翌朝ボーデン一家は警察に保護され、ようやく平穏な日々が戻ってくるのでした。
刑務所から出た凶悪犯のロバート・ミッチャムが、彼の人生の一部を奪った、弁護士のグレゴリー・ペックに復讐するために、この弁護士一家を恐怖に陥れる。
犯人役のロバート・ミッチャムの想像を絶する、狂気を孕んだ威圧感と、弁護士役のグレゴリー・ペックの、彼には珍しい冷淡な芝居が、加害者と被害者の構図を揺るがせる。
ヒッチコックの映画でお馴染みの、バーナード・ハーマンの音楽も秀逸な、ヒッチコック映画へのオマージュになっており、1991年には、マーティン・スコセッシ監督が、ロバート・デ・ニーロとニック・ノルティの出演でリメイクしていますね。