カルメン純情すの紹介:1952年日本映画。「カルメン故郷に帰る」に続く「カルメン・シリーズ」の第2弾。前作と違って東京が舞台となり、前衛芸術や政治情勢を風刺的に描いた異色作となっている。画面を斜めに傾けて異常な雰囲気を出すなど、演出も意欲的。
監督:木下恵介 出演:高峰秀子(カルメン)、小林トシ子(朱實)、若原雅夫(須藤)、斎藤達雄(須藤の父)、村瀬幸子(須藤の母)、淡島千景(千鳥)、ほか
映画「カルメン純情す」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カルメン純情す」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カルメン純情すの予告編 動画
映画「カルメン純情す」解説
この解説記事には映画「カルメン純情す」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カルメン純情すのネタバレあらすじ:起
カルメンは少々オツムは弱いのですが、いたって気の良いストリッパー。「ストリップは芸術」と信じ込んでいる彼女は、今日も元気に舞台に立っています。そんなカルメンのところへ、かつてのストリッパー仲間である朱實が訪ねてきます。朱實はある男性に惚れて一緒に旅芝居の一行に加わったのですが、赤ちゃんができるとすぐに捨てられてしまったのです。乳飲み子を抱えて貧窮した朱實は昔の朋輩のカルメンしか頼るところがありません。最初からその男のことを信用していなかったカルメンは「それみたことか」と思って朱實を責めますが、朱實は赤ちゃんとともにひたすら泣くばかりです。
カルメン純情すのネタバレあらすじ:承
困ったカルメンは赤ん坊を捨てることを提案。最初、朱實は抵抗しますが、生活のためにはやむを得ません。なるべく裕福な家に拾ってもらおうと、国会議事堂近くのある邸宅の門前に赤ちゃんを置いていきます。ところが帰り道、やはり子供に未練のある朱實は邸宅へ戻ろうとします。しかし折悪しく近所で火事が起こり、野次馬に巻き込まれて邸宅に近寄れません。一緒に踵を返したカルメンだけが邸宅へたどり着き、赤ちゃんを拾おうとしますが、すでに家の人間に見つけられた後でした。
カルメン純情すのネタバレあらすじ:転
仕方なく彼女は家の中に声をかけ、赤ちゃんを取り戻そうとします。ところがその邸宅に住んでいるのが奇天烈な一家。全員が幾何学的なデザインの異様な服を着ています。実は彼らは没落した華族で、前衛芸術家の息子・須藤に頼って生活しているのでした。カルメンはなんとか赤ちゃんを取り戻しますが、彼女の容貌に惹かれた須藤が「モデルになってくれ」と懇願します。芸術大好きのカルメンは感激するものの、須藤は女たらしで、彼女の体が目的でした。
カルメン純情すの結末
やがてカルメンはモデルとして須藤宅へしげしげと出かけることになります。惚れっぽい彼女はすぐに須藤に恋心を抱くようになり、人前で裸になることに抵抗を覚え始めます。ところが須藤には婚約者がいて、お金のためにも絶対に結婚しなければなりません。それを知ったカルメンは泣く泣く身を引くことに。もはや裸で稼げなくなった彼女は、色々なバイトを続けながら生きていくのです。
この映画の感想を投稿する