シャレードの紹介:1963年アメリカ映画。『踊る大紐育』『雨に唄えば』などの名作ミュージカル映画を手掛けてきたスタンリー・ドーネンが監督・製作を務めたコミカルでロマンチックなサスペンス映画です。謎の死を遂げた大富豪の持ち金25万ドルが紛失、大富豪の妻は謎の男の協力を得て金を探そうとするのですが・・・。
監督:スタンリー・ドーネン 出演者:ケーリー・グラント(ピーター・ジョシュア/アレキサンダー・ダイル/アダム・キャンフィールド/ブライアン・クラクシャンク)、オードリー・ヘプバーン(レジーナ・ランバート)、ウォルター・マッソー(ハミルトン・バーソロミュー/本物のアレキサンダー・ダイル)、ジョージ・ケネディ(ハーマン・スコビー)、ジェームズ・コバーン(テックス・ペンソロー)、ネッド・グラス(レオポルド・ギデオン)、ジャック・マリン(エドゥアード・グランピエール警部)ほか
映画「シャレード」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シャレード」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シャレードの予告編 動画
映画「シャレード」解説
この解説記事には映画「シャレード」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シャレードのネタバレあらすじ:起
スキー旅行に出かけた大富豪チャールズの妻レジーナ・ランバート(オードリー・ヘプバーン)は、そこでピーター・ジョシュア(ケーリー・グラント)と名乗る男と出会い、軽く会話を交わしました。その後、夫との離婚を決意したレジーナはパリの自宅アパートに戻りましたが、いつの間にか全ての家財道具一切が部屋から持ち出されていました。
驚くレジーナの前に司法警察のエドゥアード・グランピエール警部(ジャック・マリン)が現れ、レジーナは警察署まで連れて行かれました。そこでレジーナが知らされたのはチャールズが死んだという衝撃の知らせでした。チャールズは死の直前に家財道具の全てを競売にかけ、落札代金25万ドルを持ってパリを経とうとしましたが、列車に乗った際に何者かによって突き落とされたというのです。
レジーナは警察からチャールズの遺品である手帳や文房具、レジーナに宛てた手紙、何冊ものの偽名のパスポートなどを受け取ってアパートに戻りました。するとそこに先日知り合ったばかりのピーターが現れ、「夫の事件は新聞で知った。何か協力できることはないか」と申し出てきました。自分は警察から疑われていると感じたレジーナはピーターの協力を得ることにしました。
シャレードのネタバレあらすじ:承
チャールズの葬儀に参列したのはレジーナ、レジーナの親友でスキー旅行にも同行していたシルヴィ・ゴーデット(ドミニク・ミノット)、そしてグランピエール警部だけという実に寂しいものでした。しかし、葬儀の途中にレジーナと面識のない三人の男、小柄なレオポルド・ギデオン(ネッド・グラス)、身長の高いテックス・ペンソロー(ジェームズ・コバーン)、大柄で右手が義手のハーマン・スコビー(ジョージ・ケネディ)が現れ、チャールズの遺体を確認すると去っていきました。
不安を覚えたレジーナはアメリカ大使館に呼び出され、大使館員のハミルトン・バーソロミュー(ウォルター・マッソー)から衝撃の事実を伝えられました。チャールズの正体は第二次世界大戦時にCIAの前身であるOSSに所属していたエージェントのチャールズ・ヴォスであり、葬儀の場に現れたギデオン・テックス・スコビーと共にフランスのレジスタンスに渡すという25万ドル相当の金塊の輸送任務に従事していたのです。
ところが、チャールズたちは金塊を盗まれたことにして着服、戦争が終わったら四人で山分けする取り決めをしていたのですが、ドイツ軍の攻撃を受けたスコビーが右手を失い、四人が散り散りになった隙を狙ってチャールズが金塊を独り占めしたというのです。
シャレードのネタバレあらすじ:転
金塊の行方を追っているギデオン・テックス・スコビーはレジーナを脅し、「金をよこせ」と脅迫してきました。ピーターはレジーナを守るべく三人と交渉しますが、実はピーターはこの三人と旧知でした。しかし、ピーターがレジーナの信頼を得ることで大金を独り占めしようとしているとの懸念を強めたスコビーはレジーナに電話をかけ、ピーターの正体はチャールズら四人と共に金を盗み出したダイルという男であると告げました。
バーソロミューと会ったレジーナは彼からピーターの正体を探るよう頼まれ、レジーナから問い詰められたピーターは自分はダイルの弟であり、兄は金塊のことを密告しようとして殺害されたと語りました。その後、ピーターはスコビーと格闘して怪我を負い、レジーナの手当てを受けた際に自分の正体はダイル本人であることを告げました。
ギデオン・テックス・スコビーはレジーナの甥ジャン=ルイ(トーマス・チェリムスキー)を人質に取り、レジーナとピーターを部屋に呼び出しました。ピーターは金の在り処は三人のうち誰かが知っており独り占めにしようとしていると語り、三人は疑心暗鬼に陥りました。やがてスコビーが他殺体となって発見され、ピーターとレジーナはグランピエール警部から追及されました。
その後、レジーナはバーソロミューからダイルに兄弟はいないとの連絡を受け、改めてピーターを疑いますが、ピーターは今度は自分の正体は泥棒の泥棒のアダム・キャンフィールドだと告げ、ピーターとレジーナは互いに打ち解けあっていきました。
その夜、ギデオンが他殺体となって発見され、レジーナとピーターは行方をくらましたテックスが犯人だと疑いました。しかし、テックスはピーターに
金の在り処を教えるよう電話をかけてきたため、ピーターはレジーナが金の在り処を知っていると考え、改めてチャールズの遺品を確認することにしました。翌日、チャールズの手帳がなくなっていることに気付いたピーターはテックスの部屋でその手帳を見付け、レジーナを連れて手帳に書かれていたシャンゼリゼ公園へと向かいました。この日が切手市の日であり、レジーナは自分宛の手紙に貼ってあった切手こそが25万ドルの値打ちがある稀少な切手であることを突き止めました。
シャレードの結末
切手収集家から切手を取り戻したレジーナは部屋に戻りましたが、そこではテックスが殺害されていました。現場には「ダイル」という文字が残されていおり、レジーナはバーソロミューと連絡を取ってパレ・ロワイヤルで待ち合わせすることにしました。ピーターは自分がダイルではないことを明かしますが、レジーナは彼を振り切って現地に向かいました。
ピーターに追われながらもバーソロミューに会ったレジーナでしたが、追いついたピーターからバーソロミューことが本物のダイルであることを告げられました。正体を認めたバーソロミューはレジーナから切手を奪おうとしますが、ピーターはバーソロミューを倒してレジーナを助けました。
翌日、レジーナは25万ドルの切手をアメリカ政府に返却するためアメリカ大使館へと向かいました。ところが、応対室へ通されたレジーナは何とピーターがイスに座っていることに驚きました。実はピーターの真の正体は大使館員のブライアン・クラクシャンクであり、かねてからこの金塊の事件を追っていたのです。ピーターは納得しないレジーナに結婚を申し入れました。
以上、映画「シャレード」のあらすじと結末でした。
ひと口に言えば、当時としては類を見ない、オードリー・ヘプバーン主演のおしゃれで、ユーモアたっぷりのロマンティックサスペンス、とでも言ったところか。
勿論カラー映像で、ケーリー・グランド、ウォルター・マッソー、ジェームズ・コバーンにジョージ・ケネディと、当時としては豪華キャストである。
音楽がまたいい。
「ティファニーで朝食を」や「ひまわり」など、多くの傑作を書いたヘンリー・マンシーニである。
当時としては傑作であったろうと思う。
今観ても充分楽しめる。
楽しくて、ハラハラドキドキの映画なのだ。
ヘプバーンがスキー旅行に出かけ、ケーリー・グラントとたまたま知り合いになり、
家に帰ってみると家財道具は一切なく、もぬけの殻。
警察によれば、夫がそれらを処分し、25万ドルを持ってパリを発とうとしたところ、列車から突き落とされて殺されたということ。
金はどこへ行ったのか?
さて、そこで前述の俳優たちがその金を巡って争奪戦を繰り広げることになる。
話は二転、三転、それこそスリルとサスペンスの連続なのだが、それがユーモアとおしゃれなセンスのオブラートに包まれて、もう画面から目が離せない。
しかし皆が探せども金は出てこない。
25万ドルはどこへ消えたのか?
もしまだご覧になっていない方がいたら、この古いけどやっぱりセンス抜群のサスペンスを是非お楽しみください。