シャイアンの紹介:1964年アメリカ映画。マリ・サンドスの『Cheyenne Autumn』とハワード・ファストの『The Last Frontier』を基に、アメリカ政府の政策により強制移住を強いられたシャイアン族が故郷へ戻るために苦難の脱出を敢行した“北部シャイアンの脱出”の実話を映画化した西部劇です。
監督:ジョン・フォード 出演者:リチャード・ウィドマーク(トーマス・アーチャー)、キャロル・ベイカー(デボラ・ライト)、ジェームズ・スチュワート(ワイアット・アープ)、アーサー・ケネディ(ドク・ホリデイ)、エドワード・G・ロビンソン(カール・シュルツ)ほか
映画「シャイアン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シャイアン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「シャイアン」解説
この解説記事には映画「シャイアン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シャイアンのネタバレあらすじ:起
1878年9月7日。アメリカ政府の政策により、故郷ワイオミング準州イエローストーンからオクラホマ準州のインディアン居留地に強制移住させられていたシャイアン族は、病気と飢餓のため仲間の3分の2が死んでいった現状を打破すべく、内務省先住民管理局を訪れて現状を訴えようとましたが、政府の委員会の役員は結局姿を現さず、しびれを切らした長老トール・トゥリー(ヴィクター・ジョリー)らは結局引き上げていきました。シャイアン族の子供たちに読み書きを教えている白人女性のデボラ・ライト(キャロル・ベイカー)はシャイアン監視隊の司令官ブレイデン少佐(ジョージ・オブライエン)に部族の現状を訴えますが、ブレイデンはあくまでも監視の職務に徹するのみで何ら手を打とうとはしませんでした。
シャイアンのネタバレあらすじ:承
シャイアン族に同情的な監視隊の副官トーマス・アーチャー大尉(リチャード・ウィドマーク)は酋長リトル・ウルフ(リカルド・モンタルバン)とダル・ナイフ(ギルバート・ローランド)に対して政府が部族に援助することなどを伝えましたが、部族は政府の白人らを信用しておらず、両者の板挟みになったデボラは深く悩み、彼女に想いを寄せているアーチャーの言葉にも聞く耳を持とうとはしませんでした。そしてその夜、シャイアン族はリトル・ウルフに率いられ、デボラの制止を振り切って居留地を脱出、イエローストーンへ向けて出発しました。翌朝、デボラもシャイアン族に同行したことを知ったアーチャーは部下を引き連れて追跡を開始しますが、偵察に向かった部下らはダル・ナイフの息子の赤シャツ(サル・ミネオ)に銃撃されたのを発端として遂にシャイアン族と監視隊の衝突が勃発しました。
シャイアンのネタバレあらすじ:転
シャイアン族は監視隊と交戦しながら移動を続け、新聞もこぞって事態を取り上げたことからワシントンD.C.の内務長官カール・シュルツ(エドワード・G・ロビンソン)は事態の収拾に頭を悩ませました。カンザス州ダッジ・シティでは名保安官ワイアット・アープ(ジェームズ・スチュワート)を隊長とする市民軍が編成され、シャイアン族の鎮圧に向かうも両軍の睨み合いに混乱する始末でした。やがてネブラスカ州まで移動したシャイアン族は赤シャツの暴走を巡ってリトル・ウルフとダル・ナイフとの間で意見が分かれ、折からの降雪や飢餓にも苦しめられたシャイアン族は遂に分裂、ダル・ナイフは女子供とデボラを引き連れてロビンソン砦に降伏しました。一方、アーチャーは事態を打破すべく休暇を取ってワシントンに向かい、シュルツにシャイアン族の苦境を伝えました。
シャイアンの結末
軍の命令はシャイアン族を居留地に戻すというものでした。砦の部隊から不当な扱いを受けたダル・ナイフらは再び戦う決意をして砦を脱出、リトル・ウルフと合流しましたが周囲を軍に取り囲まれ、洞窟に身を隠したシャイアン族に対して軍は大砲で攻撃してきました。もはやシャイアン族が絶体絶命に追い詰められたその時、騎馬隊を率いたアーチャーがシュルツを伴ってその場に現れました。シュルツはシャイアン族の命がけの行為を讃えたうえでイエローストーンへの帰還を認め、シャイアン族はアーチャーの部隊に護衛されて無事イエローストーンへ辿り着きました。赤シャツを粛清したリトル・ウルフは酋長の座をダル・ナイフに譲り、デボラはアーチャーと喜びを分かち合いました。
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