CHiLDREN チルドレンの紹介:2006年日本映画。家庭裁判所の調査員である武藤。堅物の武藤は非行少年少女と話をしますが、いつも騙されています。そんな武藤は万引き常習者の志郎少年の担当となり、先輩調査員の陣内の助言も参考にし話しているうちに、少しずつ成長していきます。そんな調査員・武藤の姿を中心に描いたヒューマンドラマです。
監督:源孝志 出演者:坂口憲二(武藤俊介)、大森南朋(陣内達也)、小西真奈美(青木美春)、國村隼(木原周五郎)、加瀬亮(永瀬政人)、三浦春馬(木原志朗)、長谷川初範(青木良平)ほか
映画「CHiLDREN チルドレン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「CHiLDREN チルドレン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「CHiLDREN チルドレン」解説
この解説記事には映画「CHiLDREN チルドレン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
CHiLDREN チルドレンのネタバレあらすじ:起
銀行強盗が発生しました。面をつけた犯人2人は客や行員らにも面をつけて人質にします。人質の二人組の男性の一人・陣内(大森南朋)が「その銃、偽物だろう、撃ってみろよ」と挑発します。焦った犯人は天井に向けて数発発砲します。このことで通報され警察に包囲されると、警察側は犯人と連絡を取ります。
犯人側は「人質は行内に12人、別の部屋に2人」と言います。警察側は「14人もいるなら、人質を少し解放しろ」と言うと、数人ずつ解放が始まります。人質の中の武藤(坂口憲二)は、気絶した青木美春(小西真奈美)という女性を見て一目ぼれします。
人質だった武藤、陣内、永瀬(加瀬亮)の3人は警察から事情を聞かれます。永瀬は「奥の部屋に2人の人質はいない。全員が面を被っているから、犯人は人質に紛れて逃げるつもりだ」と推理します。刑事は「そんな甘いもんじゃないんだよ」と一蹴しますが、結果、永瀬の言うとおりになってしまいました。
武藤と陣内は家庭裁判所の調査員で、未成年の男女を担当しています。堅物の武藤に対し、陣内は適当ながら、少年少女を高い確率で更生させている特異な存在です。ある日、武藤は万引き常習者である木原志朗(三浦春馬)という少年と面談します。志朗は父の周五郎(國村隼)に連れられてやって来ます。武藤の質問に対し、志朗は父の顔色ばかりうかがっています。
話を聞けない事から武藤を部屋から出し、志朗を一人にすると、父を”あの人”と呼び、母の事は「母は旅行中です」と言って、その他色々話してくれますが、核心には触れません。そこで武藤は、陣内から勧められた芥川龍之介の小説を渡し「1週間後の面談までにこれを読んで、いいと思った言葉を書いてきなさい」と言って別れました。
CHiLDREN チルドレンのネタバレあらすじ:承
事務所に戻ると、陣内が「お前が一目ぼれした人質の女は、青木美春という名で『DON』という書店にいる、会いに行って来い」と言います。「僕は行きませんよ」と言いながら武藤は書店に向います。
美春はレジにいて、高校生の万引きを見逃しています。そこへ武藤がやって来て「先日はどうも」と始まり、唐突に色々話しかけます。意味がわからない美春は武藤を辞書で殴りつけます。その美春は、近くのスーパーで万引きを繰り返す常習者でした。美春の部屋には、万引きした商品で埋め尽くされています。
昼間、武藤がカフェにいると、志朗がやって来ます。志朗は「武藤さんの本のおかげで、あの人と分かり合えました」と言って喜びます。武藤は志朗に「僕たちは銃を持った牧師だ。銃は法律で、牧師は僕たちの事だ。いざとなったら銃で脅すんだ」と陣内に聞いた話をします。そのころ、先日の銀行強盗が、横領を隠すための狂言だと判明していました。
夜になり、志朗を家に送ると、豪邸の窓際で周五郎がうたた寝しています。翌朝、武藤が陣内に志朗とのことを話すと「それはウソだ。志朗とオヤジが母を殺しているんだ」ととっぴない推理をしますが、聞いた武藤も、もしやと思ってしまいます。
翌日、書店で万引き少年を捕まえた武藤は、店主の良平(長谷川初範)に礼を言われます。良平は美春の叔父で、このことがきっかけで武藤が人質になっていたことを知り、美春は武藤に無礼を謝り、二人は仲良く話すようになります。
その後一人で飲み屋街を歩く武藤は、周五郎と会い、バーで酒を飲みます。武藤は「志朗君のお母さんは?」と疑問をぶつけます。周五郎は「旅行に行ってます」と言うだけでした。帰り道、周五郎はヤクザに追いかけられ暴行を受けます。「1000万、耳を揃えて返せ」と凄まれていると、武藤が陣内を真似て立ち回りをしますが、武藤も暴行を受けてしまいました。
CHiLDREN チルドレンのネタバレあらすじ:転
スーパーで万引きをしようとしていた美春のところへ武藤がやって来ます。お互い一人暮らしの話をしながら外に出ると、武藤は自分の仕事の話を始めます。「子供は一人ならチャイルド、複数になるとチルドレンと呼ばれ、別物になる」と陣内に聞いた話をはじめます。すると美春は不機嫌になり「そんなに子供に接してもダメだよ。ダメな子はダメなの」と言って帰っていきます。
翌日、武藤が書店に入ると万引き少年を見つけます。美春が見て見ぬふりをしたものの、武藤が少年を隣町まで追いかけて捕まえます。高校時代の美春は万引きで捕まり、両親、そして兄にまで見放され、高校を卒業すると家を出たのでした。
武藤は少年を連れ、良平に引き渡します。良平は「君は子供時代にここによく買いに来ていたね、うちの大事なお客さんだ。もうしないよな!」と言うと、少年は素直になって謝り、金を払って本を買います。少年は武藤に「僕の事、覚えてくれていたんだ」と喜び、もうしない事を誓いました。
良平は武藤に「うちの店は万引きを見逃してくれると有名なんです。見逃しているのは美春です。美春は高校時代の万引きが原因で家を出て、何をやってもダメなので、叔父の私が引きとっているんです。両親も来づらいのか会いに来ません。美春の味方になりたいんですけど、親じゃないと無理なんでしょうかね?」と言います。それを聞いた武藤は「じゃあ僕はどうなるんですか?他人が必死に味方になろうとしているんです」と言いました。
CHiLDREN チルドレンの結末
翌日、新聞に驚きの記事が載ります。志朗が誘拐され、7日ぶりに解放・保護されたと書いてあります。訳の分からない武藤が志朗を訪ねます。母親が出迎え志朗に会うと、志朗は話しはじめます。
「両親が旅行に出掛けた夜、あの人が強盗に入ってきたんです。しかし僕しかいなかったから、両親が帰って来るまで家に居座って、僕に言う事を聞かないと殺すとか脅すんです。面談の日も僕が何を言うかわからないから、父親として付いてきたんです。でも武藤さんの本のおかげで、打ち解けて話すようになり、分かり合えたんです。あの人は1000万円の借金があって、その金があれば再出発できると言うから、狂言誘拐を僕が考えたんです。僕の父は金持ちで、女子高生と援助交際をするエロ親父です。そんなことに金を使うくらいなら、あの人に渡す方が良いと思ったんです」と言います。
志朗が銀行から金を受け取ると、駅のホームで待つ男にバッグを渡します。男は「受け取れない」と返しますが、志朗に「この金で立ち直ってください」と言われた男は、バッグを受け取り、列車に乗ると「必ず立ち直るから」と頭を深々と下げました。
話し終った志朗は「このこと警察に言う?」と武藤に聞きます。武藤は「牧師は口が堅いんだ」と言います。翌日、陣内が「どうなったんだ?」と聞きます。武藤は「騙されました。騙されるのと裏切られるのは違いますよね」と言います。
一方、美春は立ち直り、今まで万引きした商品を宅急便で帰します。そしてスーパーで万引きしようとしていた少女を止めるのでした。
以上、映画「CHiLDREN チルドレン」のあらすじと結末でした。
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