チルソクの夏の紹介:2003年日本映画。日本の女子高生と韓国の男子高校生が織りなす国境を超えた恋模様を描く。知名度より実際に陸上競技に秀でた若手俳優を多数抜擢している。上野樹里の映画デビュー作。
監督:佐々部清 出演:水谷妃里(遠藤郁子)、上野樹里(杉山真理)、桂亜沙美(藤村巴)、三村恭代(木川玲子)、淳評(安大豪)、山本譲二(郁子の父)、高樹澪(26年後の郁子)、ほか
映画「チルソクの夏」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「チルソクの夏」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「チルソクの夏」解説
この解説記事には映画「チルソクの夏」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
チルソクの夏のネタバレあらすじ:起
2003年に資金繰りの悪化によって長らく行われなかった下関と釜山の関釜陸上競技大会が開催されました。体育教師の遠藤郁子の尽力によって復活の目を見たのです。競技に励む選手たちを見ながら、郁子は遠い昔のことを思い出していました。舞台は遡って1977年に飛びます。高校二年生の郁子は、真理、巴、玲子の親友と釜山の陸上大会にフェリーで向かっていました。到着した釜山で郁子たちは歓迎を受けました。その中の一人の少年に郁子は心惹かれます。先生の引率で街に観光に行くことになりましたが、自由に行動したい真理は郁子たちを連れて先生に嘘をついて別行動に出ました。釜山観光を楽しんだ郁子たちは歓迎会に間に合いました。その歓迎会で少年の名前が安ということを郁子は知ります。次の日、競技大会が始まりました。真理は長距離走に参加していましたが、真理と接触して転んだ釜山の選手がワザとだと叫び、真理と周囲の選手を巻き込んで乱闘騒ぎになってしまいます。とっさに安がスターターピストルを鳴らしてその場を治めました。郁子の走り幅跳びの番がやってきました。郁子は安から5cm後ろに下がると良いとアドバイスをもらいました。そのアドバイスを受けて郁子は大会新記録を出しました。
チルソクの夏のネタバレあらすじ:承
その夜安が戒厳令を潜り抜けて、郁子の宿舎にやってきました。窓越しに郁子と安は不慣れな日本語と英語でやり取りしました。自分の住所と名前をトイレットペーパーに口紅で書いて郁子は安に渡しました。二人は来年の七夕に再会しようと約束しました。韓国語でチルソクと呼ばれるその日に再会するには来年も大会に出場しなければなりません。下関に戻った郁子と安は文通を始めます。同時に4人で韓国語の勉強も始めました。しかし郁子の父の隆次は娘が朝鮮人との文通することに反対します。さらに安の母親も日本人との交流に反対します。母は昔、日本兵に親戚を殺されていたのです。郁子は陸上と韓国語の勉強の無理が祟って、成績が落ちてしまいました。家庭の事情から郁子は就職を考え始めます。安も韓国の受験事情と母の懇願から、郁子との文通を止め陸上もやめてしまいます。安からの手紙が来なくなって不安な郁子の元に安の母からもう手紙を送らないで欲しい旨の手紙が届きました。やる気を喪失した郁子は部活を休むようになりました。真理から何のために陸上をやってきたのかと問われた郁子は、自分のためだと再確認して部活に復帰します。そして陸上を頑張って体育大学に進学する目標もできました。
チルソクの夏のネタバレあらすじ:転
夏になり再び陸上競技会の季節がやって来ました。下関に釜山の選手たちがやってきました。その中には安の姿もありました。郁子と安は再会しました。大会の途中に安は韓国語で5番ゲートに来てくれと言います。しかし早口だったので郁子には聞き取れませんでした。その後二人は話すことができませんでした。真理たちがお節介で安に夜の8時に待ち合わせ場所に来るように韓国語で手紙を渡しました。手紙の韓国語が下手だったこともあって1時間遅れで安はやって来ました。二人きりで過ごす郁子と安の様子を、真理たちは物陰からこっそり見守っていました。安は兵役があるから次は4年後に会おうと約束し、明日見送りに来て欲しいとキスをします。こっそり宿舎を抜け出したことがバレた4人は先生に怒られていました。安が乗ったフェリーが行ってしまうと真理たちは先生を抑えつけて、郁子は走り出しました。しかし結局は間に合わず郁子は遠ざかるフェリーに向かって「安くーん」と叫ぶのでした。そんな郁子に一人の女生徒が釜山の子から預かったというブレスレットを渡しました。
チルソクの夏の結末
時代は2003年に戻ります。郁子はもらったブレスレットを今でも付けていました。しかし郁子と安は4年後に再会することはなく、郁子は新たな恋もし結婚も離婚も経験しました。大会は釜山の勝利で終わりました。真理たちや当時の先生たちも駆けつけ、郁子の労を労います。先生は大会に多大な資金援助をしてくれた釜山側の役員からと郁子にメモを渡しました。メモには5番ゲートにきてほしいと韓国語で記されていました。ゲートでは一人の男性が佇んでいました。イルカの「なごり雪」が流れてエンディングです。
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