名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊の紹介:2002年日本映画。ゲーム業界の新作発表会に招待されたコナン達は体験型ゲームに参加します。しかしゲームでは人工知能が発達したノアズ・アークがゲームを支配し、もし誰か1人でもゲームにゴールしなければ参加者全員の脳を破壊すると宣告します。そして同時に現実の世界でも殺人事件が起こり、コナンの父、工藤優作が解決のために捜査します。人気アニメ「名探偵コナン」シリーズの第6弾で舞台が100年前のロンドンでコナン達が活躍します。脚本には江戸川乱歩賞を受賞している野沢尚さんが参加しています。
監督:こだま兼嗣 出演:高山みなみ(江戸川コナン)、山崎和佳奈(毛利蘭)、神谷明(毛利小五郎)、山口勝平(工藤新一)、林原めぐみ(灰原哀)、ほか
映画「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」解説
この解説記事には映画「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
名探偵コナン ベイカー街の亡霊のネタバレあらすじ:起
シンドラー・カンパニーの新作ゲーム発表会に招待されたコナン達は体験型ゲーム「コクーン」に参加することになりました。このゲームに参加するのは財界や政界、芸能界で活躍する大物の子供や孫など特別招待された50人の子供達で、中には会場でサッカーをするなど常識のない小学生・諸星達も含まれていました。ちょうどその頃、同じ会場の地下でゲーム開発者の樫村が殺害され、ひそかに警察が捜査しており、そのダイイング・メッセージには「J」「T」「R」とキーボードに打たれていました。そして会場では体験ゲーム「コクーン」が動き出したのですが、人工知能「ノアズ・アーク」によってゲーム操作を支配されてしまいます。1人でもゲームをクリアできなければ参加者全員の脳を破壊し、全員の命を奪うと宣告してきました。外から大人達が子供達を連れ出そうとしますが、電流が走り、むやみに手出しできません。コナンは少年探偵団そして蘭と共に子供達の命をかけて4つのゲームの1つである「オールド・タイム・ロンドン」に参加します。一方ゲームの監修に関わっていたコナンの父・工藤優作も同じ会場に来ており、事件の存在を知ります。そして警察と共に捜査に乗り出します。
名探偵コナン ベイカー街の亡霊のネタバレあらすじ:承
100年前のロンドンを舞台にした「オールド・タイム・ロンドン」では実在した殺人鬼ジャック・ザ・リッパー(J・T・R)を捕まえることでゲームクリアとなります。各ゲームにはお助けキャラが存在し、このゲームではシャーロック・ホームズがその役割となっているため、コナン達は探しにいきます。その最中、一緒に参加していた諸星がビック・ベンの時計の動きがおかしいことに気づきます。コナンはゲームに脱落していった子供の数であると指摘します。その後、時計の針はコナン達を含めた人数のみとなってしまいました。コナン達はホームズに接触を試みますが、不在であることがわかります。しかしホームズの資料からジャック・ザ・リッパーはホームズの宿敵・モリアーティ教授の手先であることがわかります。
名探偵コナン ベイカー街の亡霊のネタバレあらすじ:転
コナン達はモリアーティ教授に会うため、その部下であるモラン大佐と接触しますが、接触の最中、歩美・元太・光彦と諸星たちのグループ4人の内1人がゲームオーバーになってしまいました。モラン大佐とやり合うコナン達の姿をみたモリアーティ教授はジャックを捕まえる協力をすると言い出します。しかしそれはホームズの大切な女性であるアイリーン・アドラーの殺害を指示したものでした。翌日の新聞で知ったコナン達は急ぎアイリーンの舞台へ向かい、公演の中止をお願いしますが、アイリーンに拒否されてしまいます。演奏中、教授の仕掛けた爆弾が爆発し、アイリーンは間一髪で諸星のグループの2人に助けられます。しかし2人は脱落し、コナンを助けようとした灰原も脱落してしまいました。アイリーンを助けた後、ジャックをみたコナン達はその姿を追い、駅の列車に飛び乗ります。一方現実世界の優作も会場で起こった殺人事件の解決のため、謎解きと犯人について話し始めます。
名探偵コナン ベイカー街の亡霊の結末
会場で起こった殺人事件の犯人はゲームを主催したシンドラー・カンパニーの社長・トマス・シンドラーでした。彼は以前樫村の息子であり、ノアズ・アークの開発者でもあるヒロキを養子として育てていました。しかしシンドラーがジャック・ザ・リッパーの子孫であることを知られたことでヒロキを自殺に追い詰め、そのことを知った樫村も殺害していたのでした。同じ頃、コナンも列車内に逃げ込んだジャックを見つけ出し、追い詰めますが、蘭が人質に取られてしまいます。列車の上でジャックと縄でつながれた蘭を見つけますが、なす術がありません。その時、蘭が列車から落ちてゲームから脱落し、ジャックは谷の底に落ちてしまいます。列車は暴走し、乗客はノアズ・アークの力で車掌ごといなくなり、このままでは駅にぶつかり大惨事になってしまいます。その時ホームズが現れ、「血まみれになっていない」と助言します。それを聞いたコナンと諸星は車両に積まれていたワイン樽を割り、プール状態にして衝撃を和らげます。見事ゲームにクリアしたコナンと諸星ですが、コナンは諸星がノアズ・アークの知能を持ったヒロキであると言い当てます。コナンは時計の針の動きがおかしいこと、諸星がサッカー少年であったにも関わらず、サッカーボールに興味を示さなかったことでヒロキであると推測したのでした。ヒロキは10歳ながらも天才と呼ばれ、友達と遊ぶことがなく、諸星の体を借りて遊んでみたかったと話し、消えてしまいます。ゲームをクリアしたコナンのおかげで子供達は見事現実の世界に戻ることができました。コナンも優作と話をすることはありませんでしたが、目を合わせ、お互い信頼していたことを確かめ合います。そしてコナンはヒロキを追悼するのでした。
「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」感想・レビュー
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スリル満点でむちゃくちゃ面白かったです!
シャーロックホームズの世界観のゲームに入るという、一風変わった設定が新鮮でした。次々と脱落していく仲間と、進み続けるコナンくんの対比がいい意味ですごく焦りました!亡くなったヒロキ君の思いがコナンによって推理されるシーンが、切なかったです。
ラストのB’zのエンディング「Everlasting」がヒロキの心情やコナンたちの人間関係、映画の雰囲気とマッチしていて、格好よかったです。 -
100年前のロンドンで、コナンと「シャーロック・ホームズ」とが共演を果たしたことに心が躍りました!
『ベイカー街の亡霊』では、コナンを守るために蘭が自らジャック・ザ・リッパーを引き連れて、走っている電車から飛び降ります。蘭が飛び降りた後、コナンは絶望し生き延びることを諦めてしまいます。いつもはどんな難事件でも諦めず、犯人に食いついていくコナンが、珍しく普通の人間らしい感情を露わにしている様子に心を打たれました。コナンのこういう姿が描かれているのは、後にも先にもこの映画だけだと思います。
コナン映画の中で一番好きな作品。仮想現実の中と外で、二つの事件が同時に進行し、やがて一つの出来事に繋がってゆくところはパズルが組みあがるような感覚は推理ものの醍醐味。あと、クライマックスの切り裂きジャックとの対決からの緊張感は異常で、今でもあのシーンでは手に汗を握る。推理とアクションのバランスが取れていると思う映画。