デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナーの紹介:2007年アメリカ映画。1982年に公開されたSF映画の金字塔『ブレードランナー』。公開25周年を記念して、80名以上にも及ぶ関係者の証言や当時の貴重なメイキング映像などを基に『ブレードランナー』制作の舞台裏を追ったドキュメンタリーです。
監督:チャールズ・デ・ロージリカ 出演者:リドリー・スコット、ハリソン・フォード、ショーン・ヤング、ルトガー・ハウアー、マイケル・ディーリー、ハンプトン・ファンチャー、ダグラス・トランブルほか
映画「デンジャラスデイズ(ブレードランナー)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「デンジャラスデイズ(ブレードランナー)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「デンジャラスデイズ(ブレードランナー)」解説
この解説記事には映画「デンジャラスデイズ(ブレードランナー)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナーのネタバレあらすじ:起
1982年に公開され、今やSF映画の金字塔として語り継がれている『ブレードランナー』。このドキュメンタリーは、公開25周年記念の一環として本作の製作に携わった出演者やスタッフなど総勢80名以上の証言や当時の貴重なメイキング映像を基に構成されたものです。
『ブレードランナー』の基となったのは、アメリカのSF作家フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』です。その作風に惚れ込んだプロデューザーで脚本家のハンプトン・ファンチャーは映画化権を獲得、1979年公開の映画『エイリアン』を世界的大ヒットに導いたリドリー・スコット監督がメガホンを執ることになりました。当初は『デンジャラス・デイズ』というタイトルで企画されたものが、完璧主義者であるスコット監督は何度も脚本の修正を要求、新たに雇われた脚本家デビッド・ピープルズも交えて脚本を煮詰めていき、タイトルもいつしか『ブレードランナー』に決定していました。
デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナーのネタバレあらすじ:承
脚本執筆と同時にキャスティングも進められ、主人公リック・デッカード役はハリソン・フォードに決定、その他の配役も続々と決まっていきました。スコット監督は『スター・ウォーズ』シリーズのハン・ソロ役で大ブレイクしたばかりのフォードの演技を「賢い男だ」と称賛、ベテランと若手が融合した出演者たちの演技力を最大限に引き出していきました。一方、映画の世界観である近未来の世界を限られた予算で表現しなければならず、しかしスコット監督は決して妥協せずに追加の舞台セットを用意させるなどしたために予算も撮影スケジュールも大幅にオーバーしていき、スタッフとの意見の相違からスタジオが一触即発の緊張状態に陥ることもあり、フォードは主役の責任感から他の出演者のフォローも買って出て撮影がスムーズにいくよう計らいもみせました。
デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナーのネタバレあらすじ:転
撮影のスケジュールが逼迫するなか、人造人間レプリカントの反逆者ロイ・バッティ(演:ルトガー・ハウアー)がフォードのデッカードを追い詰めるクライマックスシーンの撮影に入ったクルーでしたが、ロイのスタントマンが中々思うようなアクションができずに撮影は行き詰まりかけていました。そこでロイ役のハウアー自らがスタントを買って出、スコット監督はそのアクションを絶賛しました。更に、ロイが絶命するシーンではまるで狙っていたかのように空が晴れ渡り、ハウアーは機転を利かせて「そういう思い出もやがて消える」というセリフをアドリブで生み出し、クライマックスを大きく盛り上げることに貢献しました。そして何とか撮影は完了したのですが、今度はスタジオ側の意向により、難解なストーリーを理解しやすくするという名目でフォードのナレーションを追加したり一部シーンがカットされることとなりました。しかし、これらの措置はスコット監督の意図するものではありませんでした。
デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナーの結末
編集担当のテリー・ローリングスは当時を振り返り、「『ブレードランナー』の悲劇は作品を理解していない人々が製作に関与したことだ」と当時の制作陣を批判しました。1982年にようやく公開された『ブレードランナー』でしたが、その評価は賛否両論となり、興行収入も伸び悩む結果となりました。しかし、ホームビデオの普及や熱狂的なファンの存在により、一切妥協することなく近未来世界を描き切った作品とその世界観は再評価されるようになり、その後も再編集を施した様々なバージョンが公開されていくうちに『ブレードランナー』はSF映画の金字塔のひとつにまで語り継がれるようになっていきました。スコット監督は当時を振り返り、「調和の取れた美しさを求め、最高の撮影を目指した」と胸を張ったうえで、『ブレードランナー』に影響を受けて映画製作者を志すようになった若い世代に向けて「最善を尽くす君たちを見捨てはしない。精一杯支えてあげるよ。最高を目指すんだ!」とエールを送りました。
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