コレクター 暴かれたナチスの真実の紹介:2016年オランダ映画。オランダのジャーナリスト、ハンス・クノープが第二次世界大戦中にナチス将校と結託してユダヤ人から財宝を巻き上げていた大富豪を追い詰めていく実話を基に制作された歴史サスペンスです。本国オランダではテレビのミニシリーズとして放映され、2017年オランダ映画祭でテレビドラマ部門の最優秀賞を受賞しています。
監督:ティム・オリーフーク 出演者:ヒィ・クレメンス(ハンス・クノープ)、アウス・フレイダヌス(ピーター・メンテン)、アリアン・フォッベン(若き日のピーター・メンテン)、ノーチェ・ヘルラール(ベティ・クノープ)、カリーヌ・クルツェン(メタ・メンテン)、カミラ・モイラー(エリザベス・メンテン)、ヴィンセント・リンソースト(ヘンク・デメスター)ほか
映画「コレクター 暴かれたナチスの真実」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「コレクター 暴かれたナチスの真実」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
コレクター 暴かれたナチスの真実の予告編 動画
映画「コレクター 暴かれたナチスの真実」解説
この解説記事には映画「コレクター 暴かれたナチスの真実」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
コレクター 暴かれたナチスの真実のネタバレあらすじ:起
1976年、オランダ・アムステルダムの一般紙「デ・テレフラーフ」の雑誌「アクセント」編集長でジャーナリストのハンス・クノープ(ヒィ・クレメンス)の元に、大富豪で美術品収集家のピーター・メンテン(アウス・フレイダヌス)が所有する美術品の数々は第二次世界大戦中にユダヤ人から奪い取ったものだとのタレコミが入りました。
ハンスは担当記者のヘンク・デメスター(ヴィンセント・リンソースト)に調査を命じますが、戦争記事に興味のないヘンクはまともに調べようとしませんでした。
そんな時、イスラエルの「ハアレツ紙」の記者ハビフ・カナーン(ジェリー・ハイマン)からハンスの元に電話があり、メンテンは戦争犯罪者でありナチス・ドイツと結託してユダヤ人を大量虐殺したとの証言を知らされました。
カナーンはメンテンに家族を殺されており、オランダ政府は目撃者が多数いたのにも関わらず訴えを無視し続けてきたことからハンスに協力を求めたのです。
戦後、メンテンはナチスの軍服を着ていた件で有罪になっていましたが、ユダヤ人からの横領と虐殺の罪には問われていませんでした。ハンスは収集品の出どころを調べるべく、メンテンを擁護するイスラエルの古物商ジョセフ・シュティーグリッツ(ベンジャミン・ガイゼル)から事情を聞こうとしたところ、直接メンテンと対面する機会を得ました。
ハンスの追及に対し、メンテンと妻のメタ(カリーヌ・クルツェン)は所有するコレクションはみな売買で集めたとし、戦時中にナチスの支配下に逃れた時に資産を売却して逃げようとしたユダヤ人から買い取ったと疑惑を完全否定しました。
ハンスはメンテンの証言に信憑性があるのか疑っていたところ、ユダヤ人からの感謝を伝える手紙中にシュティーグリッツの名前があったのを発見しました。
コレクター 暴かれたナチスの真実のネタバレあらすじ:承
メンテンは自分の潔白を証明したいとカナーンにも会いたいと申し出ましたが、カナーンは裁判の時に会うとして断りました。メンテンから金を払うから記事を非公表にしてほしいと頼まれたハンスは、戦争公文書研究所で改めてメンテンのことを調べると、彼は1949年に有罪判決を受けた後に戦争中や戦後に美術品を奪われたとしてオランダとドイツの両政府を逆提訴、賠償金を受け取っていたことが判明しました。更にはメンテンは予備審査を行ったルーリング予審判事(ジュールス・ロヤーズ)にも文書偽造で逆提訴していたことが明らかになりました。
ハンスはルーリングと共にメンテンを捜査していた元軍指揮官のピート・ファン・アペルドールン(ドリース・スミッツ)に会いに行き、彼からメンテンは何でも金で解決する恐ろしい男だとの証言を得ました。メンテンとメタはそんなハンスとその家族に脅しをかけ、記事を書くなと圧力をかけてきました。
ピートは1945年に一度メンテンを逮捕した際、メンテン家に頻繁に出入りしていたナチス軍人からメンテンとナチスとの繋がりを聞き出していました。メンテンの罪状を暴く決心をしたハンスはピートから証拠を入手して記事の発行に踏み切りました。
ハンスは法務省を動かすため、引き続き記事は掲載していく決意をし、当局も慎重にメンテンの周囲を徹底的に調べることにしました。一方でヘンクは訴訟を起こされないようにメンテン側に立った記事を書き始めました。
コレクター 暴かれたナチスの真実のネタバレあらすじ:転
メンテンは水球選手だった弟ディルク(ハンズ・クロワゼ)は死んだとしていましたが、実はディルクは生きており、カンヌで暮らしていることが判明しました。ハンスは事情を聞くためディルクに会いに行きました。
戦時中にポーランドのとある村の開発を巡ってトラブルを起こしたメンテン(アリアン・フォッベン)は、自らの資産を守るためにポーランド南部のクラクフへ移りました。メンテンはそこで高額な絵画や美術品で莫大な富を得、ディルクの所有する美術品をも私物化していたのです。
戦時中はベルギーにいたディルクはメンテンがポーランドで何をしていたかは把握しておらず、自分が死んだことにされていると知って憤慨しました。
その後、着々と様々な人々から証言を得ていったハンスは、当時ソ連の領内だったポーランドに検察が入って情報収集するとの情報を得、自らビザを取って現地に向かいました。
ハンスは現地で虐殺されたユダヤ人の白骨死体を発見、地元住民の証言からメンテンがこの場にいたことも明らかになりました。しかし、肝心の検察にはビザがおりず、メンテンが国外逃亡しないようハンスが当局に働きかけたにも関わらず逃げられてしまいます。
メンテンの逃亡を許した法務大臣は国の恥だとして激しく糾弾されました。しかし、ハンスと検察は執念でメンテンがスイスに潜伏していることを突き止め、遂にメンテンは戦争犯罪で逮捕されました。
コレクター 暴かれたナチスの真実の結末
1977年。メンテンの裁判は始まり、カナーンも証言台に立ちました。メンテンがポーランド各地でユダヤ人虐殺の責任者だった事実が明るみになっていきますが、メンテンは金でハンスの相棒のカメラマンのヨングスト(レイン・ホフマン)を買収してハンスの記事はでっち上げだと主張、ヘンクもまたメンテンを擁護する内容の記事を書き続けました。
ハンスは編集長の座を降ろされ、「デ・テレフラーフ」を辞めて独立することにしました。メンテンは禁固15年の判決を受けますが控訴、控訴審ではメンテンがかつて当時の法務大臣と司法取引に応じていたなどで逆転無罪となりました。しかし、国民はメンテンを許さず、デモまで起こし、メンテンは検察の上告により再び裁判にかけられました。
そして1980年、ディルクが決定的な証拠を示したことにより、メンテンは禁錮10年、罰金10万ギルターの有罪が確定しました。
1985年、メンテンは刑期半ばで仮出所、認知症を患いその3年後に介護施設でこの世を去りました。メンテンの妻メタは夫の死から約30年近く経った2016年に他界しました。
以上、映画「コレクター 暴かれたナチスの真実」のあらすじと結末でした。
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