聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅の紹介:2011年ドイツ,インド映画。アクティビティの一つとして欧米に広がったヨガ。その起源のインドでヨガはどのように受け継がれ発展してきたのか。広く世間に浸透していったその経緯にはインドの歴史が深く関わっていた。
監督:ヤン・シュミット=ガレ 出演者:T・クリシュナマチャリアの子供達、K・パタビジョイス、ほか
映画「聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅の予告編 動画
映画「聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅」解説
この解説記事には映画「聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅のネタバレあらすじ:起・五千年の歴史を持つヨガ
インド人にとって、ヨガは苦行をする人や心に問題を抱えた人が行う得体の知れないものという偏見があった。ヨガの起源は古く、その伝統を研究する者も実践はせず、哲学を優先していた。
しかし近年、その理論は完成され、クリシュナマチャリアの弟子がハリウッドで教えた事でアメリカに伝えられ、爆発的に広がる事となった。そして師匠のクリシュナマチャリアがアメリカで崇拝されるようになると、無償の物だったヨガに欧米人がお金を払ってくるようになった。
聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅のネタバレあらすじ:承・クリシュナチャマリアのヨガ
1933年、哲学者でインドの古典経典を基礎としているバラモン出身のクリシュナマチャリアは、藩主の子供達の健康のために、道場を開いた。藩主たちが求めたのは、来たるインド独立運動のため。親族の身体能力向上のためのヨガで、武術にも通ずるものだった。
当時ヨガのアーサナ(ポーズ)を知る者は少なく、古代の叙事詩などを教え、研究しながら教えた。形のある財産は奪われるが、知識は誰にも奪えない、教えない限り他者には渡らないとして、学びを勧めた。
クリシュナマチャリア自身も、六派哲学を短期間で究めたのち、ヒマラヤの洞窟に住むブラフマチャマリアの下で、三千のアーサナと、呼吸法のプラーナーヤーマを学んだ。そして、彼は自らの身体機能をコントロールし、心臓をに二分間停止することができた。
聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅のネタバレあらすじ:転・ヨガと運動の違い
ヨガとは、集中することで心と身体を一体化させる事。そして集中する中で気づきを得る事。呼吸と動きを連動させなけれはただの運動で、ヨガではない。さらにそれまで限られた人のみが学ぶ事のできたヨガを、女性達にも開き、自分の妻や娘たちにヨガを行わせた。こうして、壁が取り払われヨガは万人の元になった。
また、学者たちのために、大学などで、古典の聖典を用いてヨガを教えるという試みも、彼の息子によって行われようとしている。
やがて、藩主の王宮のダンスや音楽を披露する舞台で、ヨガの実演も行われ、その評判はインドの他の都市へ広まっていった。さらに60年代に渡欧し、有名になった。
聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅の結末:ヨガが広がるきっかけ
1947年のインド独立後、財政難のためクリシュナマチャリアの道場は閉鎖された。その後、チェンナイの出版業者がヨガによる治療の評判を聞き、彼に助けを求めた。そこでクリシュナマチャリアはチェンナイのアパートで患者と学生を受け入れ、命を繋ぐヨガを始めた。
チェンナイでもヨガを広めようと講演をし、チェンナイの大学には健康な身体、健全な心、集中力を目的としてヨガが大学の科目にもなった。
ヨガの起源かもしれないと言われるクリシュナ寺院のヨガ・ナラスィムハという神は、アーサナと呼吸法を実践する姿が絵に残されている。生活の中に神の存在があるインドでは、それが当たり前のように受け入れられたが、欧米では異なり、クリシュナマチャリアはその宗教観を押し付けはしなかった。その代わり、ヨガを行う事で、宗教に関係なく魂のある場所を考える生き方を練習で見出そうとした。
欧米人にとっては、ヨガは身体をストレッチする一つの手段というだけでなく、集中して呼吸すると効果を発揮するものとして広まっていった。
以上、映画「聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅」のあらすじと結末でした。
聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅のレビュー・考察:ヨガと禅
瞑想やリラクゼーションの一環として広まっているヨガはいわゆる健康のためのスポーツとは一線を画している。行った後に疲労ではなく集中力の向上などがある点など、出勤前のいわゆる朝ヨガなどに発展しているように思う。またヨガのルーツをたどっていくと、アーサナの一つに座禅があり、仏教と共に伝わり、座禅業として日本では僧侶や一般の間にヨガの一部の名残が見られる。その座禅もZENとして欧米に受け入れられていのがまた面白い点と言えるだろう。
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