ドクトル・ジバゴの紹介:1965年アメリカ,イタリア映画。ロシアの文豪ボリス・パステルナークの同名小説を映画化した長編大作です。ロシア革命前後の動乱期を生きた医者で詩人の主人公ジバゴの波乱に満ちた生涯を、二人の女性への愛と共に描いています。アカデミー賞で5部門(脚色賞、撮影賞、作曲賞、美術監督・装置賞、衣裳デザイン賞)を受賞しています。
監督:デヴィッド・リーン 出演者:オマー・シャリフ(ユーリ・アンドレイェヴィチ・ジバゴ)、ジュリー・クリスティ(ラーラ・アンチポワ)、ジェラルディン・チャップリン(トーニャ・グロミーコ)、トム・コートネイ(パベル・“パーシャ”・アンチポフ/ストレハニコフ)、アレック・ギネス(エフグラフ・アンドレイビッチ・ジバゴ)、ロッド・スタイガー(ヴィクトル・コマロフスキー)ほか
映画「ドクトル・ジバゴ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ドクトル・ジバゴ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ドクトル・ジバゴ」解説
この解説記事には映画「ドクトル・ジバゴ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ドクトル・ジバゴのネタバレあらすじ:起
ソ連軍の将軍エフグラフ・ジバゴ(アレック・ギネス)は、亡き義弟とその恋人との娘を探していました。そしてようやく探し当てたのは、戦災孤児として生きて延び、今では建築現場で働いているターニャ(リタ・トゥシンハム)という若い娘でした。両親の愛を知らずに育ったターニャに、エフグラフは父親である医師で詩人だった男の話を語り始めました。
時を遡ること19世紀末。幼い頃に両親を亡くし、モスクワに住む親戚のアレキサンダー(ラルフ・リチャードソン)と妻アンナ(シオバン・マッケンナ)のグロミーコ夫妻に引き取られたユーリ・ジバゴ(オマー・シャリフ)。1913年、ジバゴは医学生として勉学に励む傍ら詩人としての才能も開花させ、医師免許を取ると同時にグロミーコ夫妻の娘トーニャ(ジェラルディン・チャップリン)と婚約しました。
一方、同じくモスクワに住む17歳の女性ラーラ・アンチポワ(ジュリー・クリスティ)は洋品店を営む母アメリア(アドリアン・コリ)と2人で暮らしていました。ラーラにはロマノフ王朝打倒を目指す革命に燃える恋人のパベル・“パーシャ”・アンチポフ(トム・コートネイ)がいましたが、母の愛人で弁護士のヴィクトル・コマロフスキー(ロッド・タイガー)もまた美しく成長したラーラを狙っていました。
ドクトル・ジバゴのネタバレあらすじ:承
そんなある日、ラーラとコマロフスキーの関係を誤解したアメリアが自殺未遂を図り、コマロフスキーの頼みで友人の医師ボリス・カート教授(ジェフリー・キーン)が呼ばれ、その弟子だったジバゴも治療に同行することになりました。ジバゴはそこで、ラーラとコマロフスキーのただならぬ関係を知ってしまいます。やがてアメリアは一命を取り留め、ラーラはコマロフスキーにパーシャを紹介しますが、コマロフスキーはパーシャとの交際を止めるよう忠告しました。そんなある時、コマロフスキーは洋品店に1人でいたラーラを襲い、その処女を奪いました。クリスマスの夜、心に深い傷を負ったラーラはコマロフスキーに復讐するため、コマロフスキーが参加しているパーティーへ乗り込み、パーシャから借りた銃でコマロフスキーに発砲、パーシャの手引きで逃走しました。腕を撃たれたコマロフスキーはその場に居合わせていたジバゴの治療を受けますが、ジバゴはラーラを蔑むコマロフスキーの発言に不快感を感じていました。その後、落ち延びたラーラはパーシャと結婚、二人の間には娘のカーチャ(ルーシー・ウェストモア)が産まれました。
ドクトル・ジバゴのネタバレあらすじ:転
1914年に第1次世界大戦が勃発、ジバゴは軍医として野戦病院に赴任しました。パーシャは“ストレハニコフ”と名乗って出征、ラーラはカーチャを実家に預けると夫を追うように従軍看護婦として戦場に向かい、そこでジバゴと共に負傷者の治療にあたりました。ジバゴはあのクリスマスパーティーでの出来事を覚えており、「あの勇気は尊敬するよ」とラーラを励ましました。数ヶ月後、二人はそれぞれの場所に戻ることとなり、ジバゴはモスクワの自宅に戻りましたが、折からのロシア革命により状況は一変しており、ソビエト政府による富裕層への締め付けの強化によりジバゴ一家は貧しい生活を強いられることになりました。そんな時、ジバゴは義兄で軍人のエフグラフと再会、彼の勧めで妻トーニャと息子のサーシャ、義父と共に田舎町ベルキノへの疎開の手配をしてもらいました。ベルキノへ向かう汽車の中で、ジバゴはストレハニコフと再会しましたが、完全に革命に憑りつかれていらストレハニコフは妻ラーラへの愛を失っており、ラーラはベルキノの近くにあるユラティン村にいることを告げられます。ベルキノでも貧しい生活を強いられたジバゴでしたが、ある日ジバゴはユラティン村でラーラと再会、二人は深く愛し合うようになっていきました。
ドクトル・ジバゴの結末
そんなある日、ジバゴは赤軍の義勇軍パルチザンに拉致され、軍医として働くよう強要されました。何とかパルチザンを脱出したジバゴはラーラに助けられますが、ジバゴの家族は既にフランスへ出国したらしく、離れ離れになったジバゴはそのままラーラと生活を共にすることにしました。やがてラーラはジバゴの子を身籠り、ジバゴも詩作に打ち込む日々を過ごしていましたが、ストレハニコフは戦禍の悪化と共に自ら命を絶ち、ジバゴとラーラにも危機が迫りつつありました。ジバゴはラーラに別れを告げ、ラーラは赤軍から逃れる際に協力してくれたコマロフスキーの誘いを受け、カーチャと共に去っていきました。その後、ジバゴはエフグラフの手引きでモスクワに医師の仕事を得ました。月日が流れた1929年、ジバゴはモスクワの電車内でラーラらしき人物を見かけ、必死に跡を追いましたが、かねてから患っていた心臓発作に倒れ、ジバゴはラーラに会うことなく息を引き取りました。ジバゴの葬式の席、エフグラフはラーラと会い、ジバゴとの間に生まれた娘と動乱の最中に生き別れたので探してほしいと頼まれました。エフグラフは彼女の願いを聞き入れましたが、スターリン政権の圧政の最中、娘が見つからないままラーラは捕えられて労働収容所に送られ、そのまま姿を消しました…。
ターニャに全てを語り終えたエフグラフは彼女にジバゴの詩集を贈り、困惑したターニャは恋人と共にひとまずその場を離れることにしました。しかし、ターニャの手にはジバゴが母から受け継いでいたパラライカがあり、エフグラフはパラライカの名手だったジバゴを想い「血筋だな」とターニャを見送りました。
「ドクトル・ジバゴ」感想・レビュー
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唯物論と唯心論のちがい。
よく顕した映画だった。 -
戦争や革命時に必死に生きようとする人間の魂に心を打たれます。いい悪いは別として平時の時より。アラビアのロレンス(アラブ+イギリス対トルコ)戦場にかける橋(帝国陸軍対イギリス+アメリカ)ライアンの娘(イギリス対アイルランド)何れもデビット・リ-ン監督の70ミリ映画です。史実とは若干違いますが。
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いかにも長い、が
二人の女性を愛する
詩人ジバゴ。
私の他界した妻と
初めて見た映画。
妻の感想は
男性は二人を愛することが
できるのね、だった。
ロシア革命を見事に
映像化、テーマ曲は
素晴らしい。
GメジャーでAフラットに
行く。
長いストーリーだったがなんとも切ない物語。今の若い人だにはもどかしすぎるかな。私はいい映画を見た感じ充分だけどね