エネミー・オブ・アメリカの紹介:1998年アメリカ映画。ひょんなことから国家絡みの殺人事件の証拠を掴んでしまった弁護士が、何も事情を知らぬまま全米を敵に回してしまい、元NSA(国家安全保障局)工作員の助けを借りて事件の真相を追及しようとする姿を描いたサスペンスアクション映画です。
監督:トニー・スコット 出演者:ウィル・スミス(ロバート・クレイトン・ディーン)、ジーン・ハックマン(エドワード・“ブリル”・ライル)、ジョン・ヴォイト(トーマス・ブライアン・レイノルズ)、リサ・ボネット(レイチェル・F・バンクス)、レジーナ・キング(カーラ・ディーン)ほか
映画「エネミー・オブ・アメリカ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エネミー・オブ・アメリカ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「エネミー・オブ・アメリカ」解説
この解説記事には映画「エネミー・オブ・アメリカ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エネミーオブアメリカのネタバレあらすじ:起
辣腕の弁護士ディーン(ウィル・スミス)は妻カーラ(レジーナ・キング)と息子エリック(ジャッシャ・ワシントン)との3人暮らしで、この日は大学時代の恋人だったレイチェル(リサ・ボネット)から情報を貰いながら労働組合とマフィアとのトラブルに関する訴訟を担当していました。その頃、米連邦議会では「通信の保安とプライバシー法」という法案が協議されていました。表向きはテロや犯罪阻止を目的とするこの法案は、一歩間違えれば国家による一般市民の監視や弾圧、ひいては人権侵害の恐れがある危険性の高い法案でした。法案賛成派でNSA(国家安全保障局)高官のレイノルズ(ジョン・ヴォイト)は反対派のハマースリー議員を心臓発作に見せかけて暗殺させ、遺体を湖畔に遺棄しました。しかし、犯行の一部始終は動物研究家のザビッツ(ジェイソン・リー)が渡り鳥の観察用に仕掛けた無人カメラに記録されていました。
エネミーオブアメリカのネタバレあらすじ:承
この日、ディーンはカーラのクリスマスプレゼントを買うためにランジェリーショップを訪れていました。その頃、無人カメラの存在を知ったレイノルズは直ちに撮影者の割り出しを命じ、偵察衛星などハイテク装備を駆使してザビッツの存在を割り出します。一方、撮影データをダビング中に真相を知ってしまったザビッツはレイノルズの差し向けた手下に追われ、データを持って街に逃げこむと偶然にも大学時代の同級生だったディーンと鉢合せ、助けを求めるとディーンのバッグに密かに撮影データを収めたディスクを忍ばせます。その直後、ザビッツは車に轢かれて殺害されます。ディーンは同級生の突然の死を悼みながら自宅に戻ると、カーラはテレビに映るレイノルズをファシスト呼ばわりしていました。一方、防犯カメラの映像からディスクがディーンの手元に渡ったと確信したレイノルズは、追跡目標をディーンに切り替え、手下を警官に変装させて彼の自宅を捜索させますが、問題のディスクはエリックがゲームと勘違いして持ち出した後でした。レイノルズ一味はディーンの自宅のみならず衣服にまで盗聴器や監視カメラ、GPS発信機などを仕込み、ディーンの個人的な情報を徹底的に細部まで調べ上げ、ありとあらゆる秘密工作を仕掛けて徹底的にディーンの信用を失墜させ、ディーンは何も事情を知らぬまま「エネミー・オブ・アメリカ(アメリカの敵)」のような状況に追い込まれていきます。ディーンは先日の調停の内容からマフィアとの繋がりをでっち上げられて法律事務所から無期限謹慎を言い渡され、カーラにはレイチェルとの不倫を疑われて家を追い出され、銀行口座やクレジットカードも凍結されてしまいホテルにも泊まれなくなってしまいます。
エネミーオブアメリカのネタバレあらすじ:転
マフィアの関与を疑ったディーンは情報を握るレイチェルと接触し、彼女の情報源であるブリル(ジーン・ハックマン)という男に会うことを要求します。二人のやり取りは偵察衛星でマークされていましたが、ブリルの話になると二人の話は偶然にも死角と風の音で遮られます。指定されたフェリーに乗ったディーンはそこでブリルと会います。ブリルはディーンがNSAに監視されていると告げると体中に仕掛けられた盗聴器や発信機などを取り外していきます。その後、極秘に帰宅したディーンはカーラに誤解を解いてもらうよう説得し、エリックからディスクを回収します。次にディーンはレイチェルのもとに向かいますが、既にレイチェルは殺害されており、ディーンは殺人容疑の濡れ衣を着せられ警察から追われることになります。もはや頼れるのはブリルだけでした。かつてNSAの工作員だったブリルはレイチェルの父と同僚であり、片方が死んだら生き残った方が遺族の面倒を見ると取り決めていたのです。レイチェルの父が殉職した後、ブリルは約束を守っていたのです。レイチェルの敵討ちとばかりにブリルはディーンへの協力を決め、隠れ家に案内するとディーンのディスクのデータを確認し、ディーンが追われる理由を突き止めます。しかし隠れ家はレイノルズの手下に察知されており、二人は爆破された隠れ家から辛うじて脱出しますが証拠のディスクは破損してしまいました。
エネミーオブアメリカの結末
ブリルは仕返しとばかりにレイノルズの事務所に盗聴器やカメラを仕掛けて彼の浮気現場を暴き、それをネタにゆすろうとしますがディーンとブリルはレイノルズの手下に捕まってしまいます。ディスクの場所を問われたディーンは咄嗟に以前担当したマフィア絡みの訴訟を思い出し、レイノルズ一味をマフィアのボスに対面させます。マフィアは訴訟の件でFBIに監視されており、レイノルズ一味とマフィアの会話内容は全て盗聴されていました。ディーンは上手いことレイノルズ一味とマフィアの対立を煽り、両者は激しい銃撃戦となり、さらにはFBIも突入して三つ巴の乱戦になりました。レイノルズは射殺され、他の手下やマフィアも次々と死んでいき、生き残った者もFBIに逮捕されました。ディーンは机の下に潜り込んで難を逃れ、ブリルはどこかへ逃亡していきました。レイノルズがハマースリー殺人事件の主犯だということは世間に明るみになり、法案も廃案になります。レイチェル殺人事件はマフィアの関与が疑われました。無事疑いが晴れたディーンは自宅に戻り、ようやく家族団欒の時を迎えていました。そんな時、ディーンはテレビをつけると、何とディーン自身の姿が映し出されていました。やがて画面はどこかの浜辺に切り替わり、バカンスを楽しんでいるブリルから「WISH YOU WERE HERE(君もバカンスを)」というメッセージが送られてきました。
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