映画「ロスト・エモーション」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ロスト・エモーションの紹介：2015年アメリカ映画。世界戦争によって破壊された近未来。共同体・イコールズは、平和維持のため、遺伝子操作により感情が排除された人間で構成されています。感情を持ってしまったサイラスとニアは、見つかれば殺されると知りながら惹かれあっていきます。ＳＦ版「ロミオとジュリエット」です。「エリアン」「ブレードランナー」で知られるリドリー・スコット監督が製作総指揮を務めます。劇中に登場する近未来的な建物は、世界的建築家の安藤忠雄の建築物が使用されています。
監督：ドレイク・ドレマス 出演者：ニコラス・ホルト（サイラス）、クリステン・スチュワート（ニア）、ジャッキー・ウィーヴァー（べス）、ガイ・ピアース（ジョナス）、トビー・ハス（ジョージ）ほか
この解説記事には映画「ロスト・エモーション」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
近未来。世界戦争後に作られた「共同体・イコールズ」では、遺伝子操作で感情を排除された人類が、秩序正しく平和に暮らしています。共同体から44度西の場所にある未開の地・半島には、感情や欲望に支配された“欠陥者”が住んでいます。
保健安全局により共同体の住人は、誕生時からタグを手首の下に埋め込まれ管理されています。ここでは、喜怒哀楽の感情を持たない健康な彼らが感染する「感情抑制不能症（ＳＯＳ）」という病気が多発しており、感染者は差別されます。薬で抑制されるものの、感染の度合いが濃くなるとＤＥＮに隔離されます。そして、電気ショックで安楽死を迎えるのです。
出版部署で働いているサイラスは、ニアが執筆した文章に、絵を割り振る役目をしています。昼食時に起こった投身自殺を感情のない彼らは、何も感じずに見守っています。そんな中でサイラスは、ニアの僅かな感情の起伏を目にします。それ以来、サイラスはニアのことを意識し始めます。
サイラスは、ＳＯＳ検査で陽性（ステージ１）という結果が出ます。不安な日々を送るサイラスは、職場の同僚に自分のＳＯＳが露見します。伝染することはないのですが、サイラスは職場で差別を受け始めます。
サイラスは、ニアを感染者だと疑っています。しかし、否定する自分を通報しなかったサイラスに、ニアは１年３か月前から感染していたことを告白します。多発するＳＯＳに対処するために、保健安全局は治療薬開発に力を注いでいます。安全な薬ができるまで、ニアは検査を受けず、黙っていることにしたのです。いつしか２人は、互いに恋愛感情を抱き始めます。その頃、職場の女性の受胎命令が出ます。共同体では、遺伝子操作された精子を人工授精させ、人間を繁殖させていたのです。
ニアと密かに逢瀬を続けているサイラスは、職場の上司から症状の悪化の注意を受け、植物を植える部署に異動します。
サイラスは、自分と同じ境遇にあるジョナスを介して、感染を周囲に隠している「闇感染者」の会合に誘われます。そこでサイラスは、真実を知ることになります。ＤＥＮに連行された感染者は、電気ショックで殺されますが、その前に半数の人間が自殺をします。スタッフは自殺を推奨しています。「人間は感情を持つ方が自然なことなのだ」と教わったサイラスは、ニアと初めて結ばれます。
そんな頃、感染を治療する画期的な薬が開発されたというニュースが報じられます。薬の大量生産態勢に入っており、感染者から順次打っていき、感染していない者にも注射する予定となっています。約６時間で感情を持たなくなるそうです。
薬で感情が失われる前に、サイラスとニアは、ジョナスたちの助けで半島を目指す計画を立てます。その直後、受胎命令が出たニアは、検査で妊娠が判明します。感染していることがばれ、ニアはＤＥＮに監禁されます。殺処分を受ける前にニアを助け出したジョナスたちは、前夜に房で自殺した女性のタグを与えます。ニアを脱出させた直後、ジョナスたちは保健安全局に捕まります。
ジョナスたちは、新薬で感情のない人間になり、共同体に復職予定というニュースをサイラスは知ります。そして、ＤＥＮでニア死亡と言われたサイラスは、死ぬに死にきれず、どうしようもなくなり新薬を受けに行きます。
ニアの前に戻ってきたサイラスは、すでに新薬を受けています。２人は、運命に抗うことが出来ないまま朝を迎えます。自分への恋愛感情を抱かなくなってもサイラスは、ニアと共に半島に向かう列車に乗り込みます。サイラスは、ニアのつらい気持ちを察するかのように彼女の手を握ります。
以上、映画ロスト・エモーションのあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する