フェア・ゲームの紹介:2010年アメリカ映画。米CIAのエージェントだったヴァレリー・プレイムとその夫ジョゼフ・ウィルソンが国家の策略に巻き込まれた実際の事件「プレイム事件」を、二人の回顧録を基に映画化した伝記サスペンスです。
監督:ダグ・リーマン 出演者:ナオミ・ワッツ(ヴァレリー・プレイム)、ショーン・ペン(ジョゼフ・ウィルソン)、サム・シェパード(サム・プレイム)、デヴィッド・アンドリュース(ルイス・スクーター・リビー)、ブルック・スミス(ダイアナ)ほか
映画「フェアゲーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フェアゲーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フェアゲームの予告編 動画
映画「フェアゲーム」解説
この解説記事には映画「フェアゲーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フェアゲームのネタバレあらすじ:起
ヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)の表の顔は投資会社社員、その正体は世界各国を飛び回り極秘任務を行うアメリカ中央情報局CIAのエージェントです。その事実はCIA関係者以外では元外交官の夫ジョゼフ・ウィルソン(ショーン・ペン)、ヴァレリーの父サム(サム・シェパード)らごく一部にしか知られていませんでした。時は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件による混乱の時代、ブッシュ政権はイラク政府が大量破壊兵器を保有しているとして、世論を動かしつつ開戦の準備を進めていました。ヴァレリーはイラクの核兵器開発疑惑の裏付けを取るため潜入捜査に出向き、ジョセフはアフリカ・ニジェールの元大使という立場からイラク政府が核兵器用のウランを購入した事実があるか確認のため、国務省の依頼でニジェールに飛びました。
フェアゲームのネタバレあらすじ:承
ヴァレリーとジョセフは調査の結果、イラクは大量破壊兵器を保有しておらず、またウランを買い付けた事実も確認できませんでした。しかし、ブッシュ政権はヴァレリー夫妻の報告を無視、2003年3月20日、アメリカはイラクに宣戦布告し“イラク戦争”が開戦しました。その4ヶ月後、ジョセフはニューヨーク・タイムズ紙の署名入り論評記事蘭に調査報告の内容とイラク戦争の真実を暴露する記事を投稿、ブッシュ政権を批判しました。このことはブッシュ政権の開戦の正当性を問う世論を巻き込んだ大論争となりました。その直後、主要メディアにヴァレリーの正体がCIAエージェントであることがリークされました。
フェアゲームのネタバレあらすじ:転
ヴァレリーに関する情報漏洩を指示したのは、チェイニー副大統領主席補佐官のルイス・“スクーター”・リビー(デヴィッド・アンドリュース)でした。後に“プレイム事件”と呼ばれることになる事態によりヴァレリーはCIAを解雇され、重大任務も全て中止となり、たちまち世間からの容赦ないバッシングに晒され、家には脅迫状や無言電話が匿名で送られてくるので何度も引っ越しや電話番号変更を余儀なくされ、友人たちもみな離れていき、そして家族の絆さえもヒビが入りはじめました。ジョセフはあくまでも巨大権力に立ち向かうべきだと徹底抗戦を訴えますが、沈黙を守るヴァレリーは夫の元を去っていきました。
フェアゲームの結末
一時的に実家に戻り、ようやく自分にとって本当に大事なものとは何かを見つめ直したヴァレリーはジョセフの元に戻り、自らの名誉と家族を守るため、国家権力に戦いを挑むことを決意しました。ヴァレリーは米下院政府改革委員会の公聴会に出席し、自らがCIAのエージェントとして行ったことの全てを証言しました。ルイス・リビーは偽証罪と司法妨害罪に問われ、禁固30ヶ月と罰金25万ドルの有罪判決を受け、ブッシュ政権は即座に減刑に動きました。そして2006年、アーミテージ国務副長官は遂に情報漏洩を認めました。
以上、映画フェアゲームのあらすじと結末でした。
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