フォーリング 50年間の想い出の紹介:2020年カナダ,イギリス映画。認知症を抱える父ウィリスが引退後の住まいを探すために息子ジョンのもとを訪れた。思春期の頃から保守的で口の悪いウィリスと溝があり、言葉にできなかった喜びや悲しみ、愛情や怒りを互いにぶつけ合い人生の意味を確かめようとする。不器用な父と繊細な息子。やがてジョンは父の秘めた思いに気付いていく。3度のアカデミー賞にノミネートされた経験を持つ名優ヴィゴ・モーテンセンの初監督作品。自身の親子関係を反映した半自伝的な物語。
監督:ヴィゴ・モーテンセン 出演:ランス・ヘンリクセン(75歳時のウィリス)、ヴィゴ・モーテンセン(50歳時のジョン)、スヴェリル・グドナソン(23~43歳時のウィリス)、ローラ・リニー(サラ)、テリー・チェン(エリック)、ハンナ・グロス(グウェン)、ブラッケン・バーンズ(ジル)、ガビー・ヴェリス(モニカ)ほか
映画「フォーリング 50年間の想い出」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フォーリング 50年間の想い出」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フォーリング 50年間の想い出の予告編 動画
映画「フォーリング 50年間の想い出」解説
この解説記事には映画「フォーリング 50年間の想い出」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フォーリング 50年間の想い出のネタバレあらすじ:起
航空機のパイロットを務めるジョン(ヴィゴ・モーテンセン)は、パートナーのエリック(テリー・チェン)、養女のモニカ(ガビー・ヴェリス)とロサンゼルスで暮らしていました。ある日、田舎で農場を経営するジョンの父親ウィリス(ランス・ヘンリクセン)が認知症を発症し、引退後の住まいを探すためにジョンのもとへとやってきました。
保守的で、口の悪いウィリスは同性愛者を容赦なく侮蔑し、その非難はジョンに対しても向けられていました。しかしジョンはそんな父を気にかけ、できるだけ一人しないよう寄り添います。
ウィリスは遠い過去の記憶に想いを寄せていました。
幼少期のジョンを連れて、冬の湖で狩りをするウィリス(スヴェリル・グドナソン)。ジョンに猟銃を握らせると一発でカモを仕留め、誇らしげに妻グウェン(ハンナ・グロス)へ獲物を見せるジョンの姿。幸せに満ちた記憶でした。
フォーリング 50年間の想い出のネタバレあらすじ:承
ウィリスは過去と現在の出来事が混濁していました。
ジョンにロサンゼルスへ行きたいと言った自らの言葉ですらおぼろ気で、施設の見学に連れていこうとするジョンへ罵声をあびせて拒否しました。
また別の日、ジョンはエリックやモニカと共にウィリスを連れて美術館へ足を運びました。モニカが興味深そうにピカソの絵画を眺めるそばで、汚い言葉で罵声が止まないウィリス。そんなウィリスでもジョンの養女モニカには優しい顔を見せる一面もありました。
しかし、そう思ってもまた次にはトイレに行ったまま、一人で勝手に姿を消しジョンたちを困らせるのでした。
ウィリスは再び過去の記憶を呼び覚ましていました。
ジョンの誕生パーティを部屋の入口で眺めているウィリス。妻グウェンが言った些細な言葉につっかかり場をしらけさせてしまいます。
フォーリング 50年間の想い出のネタバレあらすじ:転
ウィリスの罵倒が止まることはありませんでした。
父親の挑発には決して乗らないと誓っていたジョンでしたが、彼もまた過去の想いに胸を痛めていました。
家を出ていった母グウェンと共に青年になったジョンと幼少期のサラは父と別れました。2人はたまに会う父親に新しい恋人ジルができたことを複雑な心境で見つめています。思春期を迎えたジョンは父親の独善的で暴力的な態度に心の溝を深めていきました。
週末を迎え、サラと彼女の子供たちがウィリスに会いにきました。
庭で食事を囲み楽しい時間を過ごすはずでしたが、ウィリスの文句はサラのレズビアンの娘と青髪の息子へと向けられていきました。はじめは上手く交わしていたサラも辛くなり、我慢ができず席を立ってしまいます。
ウィリスはサラの愛する母親グウェンと、彼女だったジルとの記憶ですらも一緒になってしまっていました。
フォーリング 50年間の想い出の結末
そんな中、ウィリスは腸に見つかった腫瘍を切除するために、ジョンに付き添われて田舎へ戻ってきました。手術は無事終わり、自宅に戻って親子2人の時間を過ごします。
しかし、相変わらず記憶が錯綜し、突っかかってくるウィリスに対して、ジョンの我慢は限界に達していました。些細なことから口論になり、ウィリスは弱々しく手を挙げました。ジョンは力で制し、涙する父を抱きしめます。ウィリスも過去の出来事から自分を責め、辛い思いを抱いていたのでした。
年代物のテレビ、壊れた排水管、3頭の馬の毎日の世話など、居心地が悪そうなここでの生活をウィリスは心から愛していることを悟ったジョンは、父をロサンゼルスに住まわせることを諦め、近所の人に父の様子をたびたび見てもらえるよう話しを付けて、ひとり帰っていきました。
それから日が経ち、納屋の前で倒れているウィリスの姿がありました。
薄れゆく意識の中で、グウェンが自分にまたがり笑顔でこちらを見つめていました。
以上、映画「フォーリング 50年間の想い出」のあらすじと結末でした。
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