ファイナル・スコアの紹介:2018年イギリス映画。人質は35,000人、タイムリミットは90分、救えるのはたった1人の男。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のデイヴ・バウティスタと『007シリーズ』で5代目ジェームズ・ボンドを演じたピアース・ブロスナンが共演した、まさにスタジアム版ダイ・ハードといったノンストップ・アクション大作です。
監督:スコット・マン 出演者:デイヴ・バウティスタ(マイケル・ノックス)、ピアース・ブロスナン(ディミトリ・ベラフ)、レイ・スティーヴンソン(アルカディ・ベラフ)、アレクサンドラ・ディヌ(タチアナ)、ララ・ピーク(ダニー・ホロウェイ)、マーティン・フォード(ヴラド・イワノフ)、ラルフ・ブラウン(ダニエル・スティード警視総監)、ジュリアン・チャン(チョー捜査官)、ビル・フェローズ(スティーブ・トンプソン警視)、ジョナサン・ピアースほか
映画「ファイナル・スコア」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ファイナル・スコア」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ファイナル・スコアの予告編 動画
映画「ファイナル・スコア」解説
この解説記事には映画「ファイナル・スコア」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ファイナルスコアのネタバレあらすじ:起
17年前。ロシア・サコヴヤ州では独立紛争が勃発していました。独立運動を指揮するのはディミトリ・ベラフ(ピアース・ブロスナン)と弟のアルカディ(レイ・スティーヴンソン)であり、カリスマ性を持つディミトリと冷徹なアルカディは、民衆を扇動しながらロシアへの抵抗を続けていきました。
紛争が出口の見えない泥沼と化したある時、ディミトリはロシア軍の空爆によって命を落とし、求心力を失ったアルカディも捕らえられて、サコヴヤの革命は頓挫しました―――。
―――そして現在。出所したアルカディは部下を率いてある男を捕らえ、“ある人物”の居場所を吐かせるため凄惨な拷問にかけました。
イギリス・ロンドン。元アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ隊員で今は傭兵をしているマイケル・ノックス(デイヴ・バウティスタ)がアメリカからやってきました。ノックスはロンドンに住む亡き戦友アンディ・ホロウェイの家を訪ねるのが目的であり、これが16回目の渡英でした。
この日はウエストハムスタジアムでサッカーのウエストハム対ディナモ戦が行われる予定でした。この頃、ロシア・サコヴヤ州の情勢不安への懸念から金融市場は先行き不透明であると報じられていました。
その頃、アンディの娘ダニー(ララ・ピーク)は母親と喧嘩して外出禁止になっていました。ボーイフレンドのブランドン(ライアン・ゴードン)から「親の言いなりになるな」とのメールをもらったダニーは、こっそり家を抜け出したところ、そこにノックスがやってきました。ダニーは父から「手を使えない時は頭を使え」と教えられていました。ノックスはダニーへのお土産として、ウエストハム対ディナモ戦の観戦チケットをプレゼントしました。
ノックスはダニーをサッカー観戦に連れ出すため、ダニーの母に外出禁止を解いてもらえるよう交渉しました。ダニーの母はノックスがいつまでも所帯を持たず戦場に“逃げて”ばかりいることを気にかけており、「アンディの死はあなたのせいじゃない」と諭しました。そしてダニーは酒・タバコ・男は禁止という条件付きで、今夜だけは特別に外出禁止を解いてもらえることになりました。
アルカディが行方を探していた“ある人物”とは、死を偽装して生き永らえていたディミトリのことでした。アルカディはディミトリがウエストハム対ディナモ戦を観戦するという情報を掴み、手下らと共にサポーターに扮してウエストハムスタジアムに潜り込みました。
ノックスとダニーは大勢の観客で埋め尽くされたウエストハムスタジアムに到着しました。ノックスは未だにアフガニスタンでアンディを死なせてしまったことを悔やんでおり、ダニーとアンディの死について語り合いました。ダニーはついノックスに不満をぶつけてしまい、その後、ノックスにホットドッグを買いに行ってもらうことにしました。ダニーはその間にちょうど観戦に来ていたブランドンの席へ、ノックスには告げずに移動することにしました。
ファイナルスコアのネタバレあらすじ:承
その頃、アルカディとその一味はスタジアム内の監視カメラに細工を施していき、着々とスタジアム全体を封鎖する準備を進めていました。続いてアルカディたちは制御室に乗り込み、警備主任のスティーブ・トンプソン警視(ビル・フェローズ)の妻子を人質に取ったと脅しました。
アルカディらは10分毎に行われる定時連絡には全て「異常なし」と答えるようトンプソン警視に命じ、手下のビクトル(クレイグ・コンウェイ)にスタジアムの全ての出入口を封鎖させ、他の手下には周囲の基地通信局を爆破させて通信を遮断させました。
席に戻ったノックスはいつの間にかダニーがいなくなっていることに気付きました。ダニーの携帯電話に連絡しようにも電波が遮断されているため通じず、ノックスは近くにいた中東系の警備員ファイザル・カーン(アミット・シャー)に助けを求めました。ファイザルはスタジアムが封鎖されたのはゲートの故障だと思い込んでおり、ダニーはまだスタジアム内にいるから安心だとノックスをなだめました。
それでもノックスは不安を拭えず、ファイザルは心配なら制御室にある監視カメラの映像をチェックすればいいと提案しましたが、制御室からの応答がないので仕方なくノックスを制御室へ案内することにしました。その頃、制御室のアルカディは顔認証システムでディミトリの姿を探していましたが、なかなか見つかりませんでした。
ノックスとファイザルは警備員に扮したアルカディの手下アンドレイ(リー・チャールズ)に遭遇し、制御室に案内させることにしました。ところが、エレベーター内でファイザルはアンドレイがなぜか同僚のIDカードを持っていることに気付き、その直後にアンドレイは二人に襲い掛かってきました。ノックスはアンドレイの銃を奪って射殺、死体をトイレに隠しました。アンドレイの持っていたバッグの中にはC-4型プラスチック爆弾が入っており、ノックスは武装組織がテロを企てていることに気付きました。
ノックスはトランシーバーの周波数をいじって警察無線に繋げることに成功し、スタジアム内にテロリストが潜伏していることを伝えました。その情報はイギリス警視庁のダニエル・スティード警視総監(ラルフ・ブラウン)に伝えられましたが、トンプソン警視に連絡を取ったところ「異常なし」と返答されたため、ノックスの通報はいたずらだと勘違いされてしまいました。
その頃、アルカディは警察から連絡があったことを不審に思い、念のため手下全員の点呼を行ったところ、アンドレイの行方が分からないことに気付きました。一方、アルカディからの連絡を受けたノックスはアンドレイから押収したファイザルの同僚のIDカードを使って制御室に行くことにしました。ところが、アルカディ一味は捜索の末にアンドレイの死体を発見、アンドレイが持っていたIDカードの使用履歴を追跡した結果ノックスたちの存在に気付きました。
アルカディはノックスらを始末するために手下のヴラド(マーティン・フォード)とアントン(ピーター・ペドレロ)を差し向けました。厨房に追い込まれたノックスはファイザルにダニーの顔写真を託して厨房内のエレベーターで逃がすと、襲い掛かってきたヴラドとアントンを死闘の末に返り討ちにしました。ノックスは二人の死体から銃を奪うとアントンの死体を担いでスタジアムの屋根に上り、警察に緊急事態を知らせるべく外に投げ捨てました。
ファイナルスコアのネタバレあらすじ:転
ノックスの狙い通り、通報を受けた警察がスタジアムに出動しました。ノックスはスティード警視総監と連絡を取り、テロ集団はかなり高度な訓練を受けたであろう計10名のメンバーからなること、うち3名を倒したこと、そしてテロ集団の目的は不明であることを伝えました。
一方、警察が駆け付けてきたことを確認したアルカディは次の行動を開始しました。アルカディらはスタジアム内の放送センターに乱入し、アナウンサーに声明文を読ませました。アルカディ一味の目的はスタジアムのどこかにいるディミトリの正確な居場所を掴むことであり、試合終了までに居場所を教えなければスタジアム全体に仕掛けた100個のC-4爆弾を爆発させるという声明でした。アルカディらは声明文を読み終えたアナウンサーをサッカー解説者たちと共に射殺しました。
このニュースを見たダニーの母は、我が子とノックスを心配してスタジアムに向かいました。しかし、スタジアムの外の大騒ぎとは裏腹に、外とは一切遮断されたスタジアム内はそのまま試合が始まってしまいました。アルカディは監視カメラの映像からノックスの姿を見つけ、彼の弱点を探り始めました。
スティード警視総監はアルカディとの交渉を図りましたが失敗に終わりました。スティード警視総監はイギリス空軍の特殊部隊SASが到着するまでの間、死んだはずのディミトリについて調査させることにしました。そこに上層部から送り込まれたチョー捜査官(ジュリアン・チャン)が現れ、ディミトリは死を偽装してロシアから逃亡したこと、整形手術で顔を変えていること、そして移り住んだロンドンでイギリス政府から恩赦を与えられていることなどの情報を提供しました。
チョー捜査官はディミトリをアルカディに引き渡すことはロシアのサコヴヤ州を再び政情不安に陥れることであり、結果として何百万人もの人々を危険に晒すことだとしてディミトリの身柄引き渡しには応じられないと主張しました。
その頃、アルカディはノックスがダニーを探していることを突き止め、館内放送を利用してダニーを手下らの待ち構える8番ゲートまで誘き寄せようとしました。館内放送を聞いたノックスはダニーを探しに向かい、アルカディはトンプソン警視に警備員を差し向けてノックスを捕らえるよう命じました。ダニーは間一髪でファイザルに助けられ、ノックスと合流を果たしました。アルカディはノックス拘束に失敗したトンプソン警視を殺害しました。
試合の前半が終了しました。ノックス、ダニー、ファイザルはスタジアムからの脱出を図る途中で制御室の真下に大量のC-4爆弾が設置されているのを発見、すぐさまスティード警視総監に連絡を入れてそのことを知らせました。
その際、ノックスはスティード警視総監とチョー捜査官の会話の内容から、アルカディの目的、そしてこの爆弾の解除方法はアルカディが持つスイッチしかないことを知りました。そこでノックスはチョー捜査官らと取引し、ダニーを一緒にヘリで脱出させることを条件にディミトリの身柄をアルカディよりも先に確保することを提案しました。
ディミトリの行方を探すノックスは途中でアルカディの腹心タチアナ(アレクサンドラ・ディヌ)らと遭遇、彼女らの乗っていたバイクを奪うと追っ手を振り切って何とか東スタンドの端にいたディミトリを発見しました。ノックスはディミトリを連れてヘリの合流地点である南スタンドの端へと向かいましたが、ディミトリの姿を確認したアルカディは何としても彼を奪還するよう手下に命じました。一方、タチアナはファイザルと行動を共にしていたダニーを見つけ、彼女を捕らえて人質にしました。
ファイナルスコアの結末
ノックスはアルカディの手下らと銃撃戦を繰り広げながらディミトリを合流地点に連れていきましたが、途中でタチアナに殴られて気絶していたファイザルからダニーが連れ去らわれたことを知らされました。
ノックスは一転してディミトリの身柄引き渡しを拒否し、激怒したチョー捜査官は独断でディミトリを射殺するようSAS隊員に命じました。スティード警視総監は銃撃を止めさせようとしたところ、チョー捜査官らのヘリにアルカディの手下らが発砲してきたことから、ヘリは一旦スタジアムの外に退避することにしました。スティード警視総監は観客の命を危険に晒すチョー捜査官の態度とやり方に怒り、チョー捜査官を殴りました。
一方、アルカディはタチアナにダニーの顔を傷つけさせ、彼女の悲鳴をノックスに聞かせると、改めてディミトリを引き渡すよう脅しました。怒りに燃えるノックスに、ディミトリは「時として人は、大義のためには愛する者を犠牲にしなくてはならない」と持論を述べました。ノックスはアンディが死んだ時のことを思い出し、ダニーを絶対に失うわけにはいかないと決意を新たにしました。
試合終了まであと15分。ノックスはアルカディとの取引に応じ、ディミトリの身柄を引き渡すことに同意しました。ところが、アルカディの前に現れたディミトリはノックスが変装したものであり、さこに再び戻ってきたヘリがアルカディ一味に銃撃してきました。手下たちは次々と射殺されていき、ノックスはタチアナと死闘を繰り広げましたが高所から共に転落していきました。
無事だったノックスはパイプに突き刺さって虫の息のタチアナから起爆スイッチを奪いましたが、それは偽物でした。タチアナはそもそも起爆スイッチなどなく、最初からスタジアムを爆破するつもりだったことを告げて絶命しました。
その頃、逃げようとしたディミトリとダニーはアルカディの手下で唯一生き残ったビクトル(クレイグ・コンウェイ)に捕まり、制御室のアルカディの元に連れていかれました。ディミトリと再会を果たしたアルカディは再び革命を起こそうと呼びかけ、忠誠を証明するためにダニーを撃つよう要求しました。
しかし、弟が未だに狂った革命思想に取りつかれていることに絶望したディミトリはそれを拒み、弟の暴走を止めるためにはこうするしかないとして拳銃自殺を遂げました。兄の死に錯乱したアルカディは逃ようとするビクトルを射殺しました。
その頃、ファイザルは必死で観客たちの避難を誘導し、スティード警視総監はゲートを爆破して観客たちを次々とスタジアムから逃がしていました。その時、大型ビジョンにアルカディとダニーの姿が映り、それを見たノックスはダニーを救おうと制御室に急ぎましたが、アルカディは革命を成就させると宣言すると制御室を爆破させました。ちょうど試合が終了した時でした。
ダニーが死んだものだと思い嘆いていたノックスは、ビジョンに映る時計の時刻に誤差があることに気付き、この映像が試合終了5分前に撮られたものであることを突き止めました。ノックスは逃げ惑う観客たちの中からダニーの悲鳴を聞きつけ、彼女を連れて逃げようとするアルカディを発見しました。
ノックスはダニーに「頭を使え」と指示し、ダニーはアルカディに頭突きを食らわすと、怯んだ隙にノックスはアルカディを射殺しました。無事にダニーを救い出したノックスはファイザルや迎えに来たダニーの母親と合流し、スタジアムを後にしました。
以上、映画「ファイナル・スコア」のあらすじと結末でした。
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