旅する料理: イタリアから世界への紹介:2017年イタリア, アルゼンチン映画。アメリカ大陸に移住したイタリア人たちが持ち込んだ食文化。移民たちにとって自分たち食の伝統を守るとは何を意味するのか、イタリア料理を例に考えていく。
監督:メルセデス・コルドバ 出演者:リビア・リベラーチェ、ヒラリー・リンジー、ディノ・ボリ、ドメニコ・チテラ、アントーニオ・パーチェ、エンリコ・ロンバルディ、マルコス・ジャッカリア、ルジェロ・ラルコ、ファビオ・ペッキ、シモーナ・シン、ほか
映画「旅する料理: イタリアから世界へ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「旅する料理: イタリアから世界へ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「旅する料理: イタリアから世界へ」解説
この解説記事には映画「旅する料理: イタリアから世界へ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
旅する料理:イタリアから世界へのネタバレあらすじ:起・移民と渡ったイタリア料理
19世紀半ばから20世紀にわたり、戦争などにより困窮したイタリア人は満足な食事を得るために、新大陸のニューヨークやブエノスアイレスへ移民した。
当初アメリカ人は辛く馴染みのない食材を使うイタリア料理を嫌ったが、イタリア人はニューヨークの海や市場が近い環境を気に入り、また安価な肉を料理に取り入れた。家族をまとめるための料理であり、アメリカ社会との架け橋ともなった。
新大陸に渡る事で、イタリア料理は地中海食から肉食へと変わった。彼らが足りないと思ったものは野菜の種類や質で、植物や果物の種を持って自ら持って来て栽培し、チーズなども作った。そうしたイタリア人の多くは起業家となり、野菜や果物を売るようになった。
旅する料理:イタリアから世界へのネタバレあらすじ:承・模倣されたイタリア料理
アメリカに渡る事で、イタリア料理には変化が始まった、例えばアルゼンチンのピザを例にとるなら、ナポリピッツァとナポリピッツァの模倣。現在は15日間のコースでナポリピッツァを教えるコースもあり、最後には試験もある。トマトとチーズのシンプルなピザから発展したアルゼンチンのグエリンの店のピザの秘訣は、原点を忘れず新鮮な材料を手でこねて焼くこと。
食文化は、移民とホスト国の関係性を表す。ホスト国が移民料理だと思わなくなったら、それは受け入れた事になる。今やピザもパスタも外国料理ではない。
時に料理は政治になりうる。国民性を表し、多くのイタリア人が料理を通じて自分たちを移民と差別化しようとしてる。二次大戦後、イタリア料理は危機的状態になり、イタリアの食文化が失われる事を危惧し、アカデミアが創設された。伝統的な料理を伝える事で、民俗や家族に伝わる料理を作ることで移民は絆を確かめあった。
旅する料理:イタリアから世界へのネタバレあらすじ:転・イタリア料理とは
1861年に統一された当時のイタリアは、地方によって食文化が違い、地元へ愛着も強かったが、アメリカで地域を越えて帰属意識を確かめるようになった。
料理は彼らのアイデンティティを再確認させ、その土地で生まれた歴史伝統を物語る料理は文化を伝える大使の役目も果たしている。イタリア料理自体が新大陸を原産とするトマトをはじめ、世界各地から伝わった食材を取り入れ、シンプルな調理法で素材を楽しんでいる。
旅する料理:イタリアから世界への結末:移民の文化
アメリカでは、タコスを食べ、餃子を食べ、そしてピザを食べる。今のメキシコ料理は100年前のイタリア料理と同じようなもので、やがてバリエーションが豊かになり、メキシコ人もわからなくなるだろう。
料理は常に何かと融合して発展する。移民たちの未来えているのは彼らの持ち込んだ食文化でもある。全ての料理は不変の要素を持ちつつ、変化している。その中で、イタリア料理は難解だからこそ、愛され続けている。
以上、映画「旅する料理: イタリアから世界へ」のあらすじと結末でした。
旅する料理:イタリアから世界へのレビュー・考察:食のグローバリゼーション
元々先住のネイティブアメリカンを除けば、移民で構成されているアメリカと言うでは、すべてが混じりあったその上にアメリカ文化と言う者ができているように思う。もちろんイタリア系アメリカ、アフリカ系アメリカ、など細分化しようと思えばいくらでもできるだろう。大航海時代にスペインがジャガイモ、トマト、コーヒー、カカオなどをヨーロッパへ持ち換えり、食は大いに変わった。そしてそれ以前から東方の食材はペルシアを経由して入ってきている。食文化はは常に人の流れと連動し、食文化の歴史は人の交流の歴史とも言えるだろう。
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