運命は踊るの紹介:2017年イスラエル,ドイツ,フランス,スイス映画。イスラエルのサミュエル・マオズ監督が戦地に送り出した息子と彼の両親3人の運命が巧みに交差していく様を描いた良作です。彼らの運命を動き回っては元の場所に戻るFoxtrotのステップに準えているところがとても芸術的に映ります。
監督:サミュエル・マオズ 出演:リオル・アシュケナージ(ミハエル)、サラ・アドラー(ダフナ)、ヨナタン・シレイ(ヨナタン)、シラ・ハース、ほか
映画「運命は踊る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「運命は踊る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
運命は踊るの予告編 動画
映画「運命は踊る」解説
この解説記事には映画「運命は踊る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
運命は踊るのネタバレあらすじ:起
イスラエルのアパートに住むミハエル(リオール・アシュケナージ)とダフナ(サラ・アドラー)夫婦の元に、軍の使いの者がやってきます。それは息子ヨナタンの戦死を知らせるもので、ダフナは瞬時に理解、ショックで気絶してしまいます。ミハエルは呆然とし、ただ軍の使いの者の話を聞いています。
ミハエルは落ち着く暇もなく、その悲報を自分の母親や娘、親戚達に知らせないといけません。葬儀の打ち合わせにやってきた担当者の曖昧な態度にイラつくミハエルでした。
運命は踊るのネタバレあらすじ:承
悲しみが積み重なる中、なかなか落ち着く事の出来ないミハエル。そして再びやってきた軍人が衝撃的な事実を話し出します。戦死したのは同姓同名の別人でヨナタンは生きていたのです。するとミハエルの怒りは爆発、すぐにでもヨナタンを帰すよう主張します。
目覚めたダフナは、ヨナタンが生きていた事を素直に喜びます。ダフナは怒っているミハエルをどうにか宥めようとしますが、ミハエルは頑なにヨナタンの帰宅を主張するのでした。
運命は踊るのネタバレあらすじ:転
その頃、イスラエルの北部の前哨基地でヨナタンは戦闘のない身分証を確認し、通行を許可するだけの単調な日々を過ごしていました。そこには戦闘の気配は全くなく、検問もほとんどありません。時々通過するのはラクダくらい、徐々に傾きつつあるコンテナ型の兵舎がヨナタンはじめ4人の兵士の唯一の心配事だったのです。
しかしある日、彼らにとんでもない事件が起こります。検問所にやってきた4人の男女が薬をやっているのか妙なテンションです。いつものように身分証を確認し、通行を許可しようとすると、彼らの落とした空き缶を同僚の兵士が手榴弾と勘違いし、とっさに反応したヨナタンが機銃を発射全員死亡してしまいます。即座に上官に報告するも、大きな穴を掘りそこに車ごと埋めてしまい「何もなかったこと」にしてしまったのです。ショックを隠せないヨナタンに帰還の命が下り、車に乗り込みます。
運命は踊るの結末
場面はミハエルとダフナに戻ります。しかし2人の様相はヨナタンが生きていて安堵していた時と違っています。悲痛な表情で話す2人、どうやらヨナタンは死んでしまったようです。ダフナはヨナタンの帰宅を軍に急がせたミハエルを責め、ミハエルは自分自身を責めています。2人はヨナタンの死が原因でもう一緒にはいません。ミハエルがヨナタンの遺品を見せてもらいにダフナを訪ねてきたのでした。お互い険悪なムードは続き、もう修復不可能に感じます。
やがて落ち着き、話し始めた2人。ミハエルは、戦争が終わって帰還するときに何気に先頭を譲った車が地雷を踏んで炎上、何も出来ず助けられなかった事。ヨナタンが戦争に向かうときにバスターミナルに送るまでの道で、ミハエルはヨナタンにせがまれて運転を替わってあげるのですが、息子の初めての運転の機会であるそんなときにも、ミハエルはメールの返信に夢中だったこと。これがヨナタンとの最後になったのに、これがどれだけ幸せなことか分かっていたのに後悔しても遅いこと。
今まで聞けなかったミハエルの告白に、ダフナの頑なな気持ちも溶けていきます。そしてFoxtrotを踊り出したミハエル、その悲痛にも見える姿をダフナは優しく抱きしめます。
ラストシーン。帰路につくヨナタン。荒野を走る軍用車の目の前に突然ラクダが現れて車は避けきれずに崖下へと転落していきます。これがヨナタンの死の真相でした。
以上、映画「運命は踊る」のあらすじと結末でした。
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