モネ・ゲームの紹介:2012年アメリカ映画。1966年の映画『泥棒貴族』のマイケル・ホフマン監督によるリメイクである。美術品鑑定士の男がパワハラ雇い主に復讐するため、モネの贋作を使って大金を巻き上げる計画を立てる。60年代の映画「泥棒貴族」を現代版にリメイクしたクライム・コメディ。
監督:マイケル・ホフマン 出演者:コリン・ファース(ハリー・ディーン)、キャメロン・ディアス(PJ・プズナウスキー)、アラン・リックマン(ライオネル・シャバンダー )ほか
映画「モネ・ゲーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「モネ・ゲーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「モネ・ゲーム」解説
この解説記事には映画「モネ・ゲーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
モネ・ゲームのネタバレあらすじ:起・パワハラ雇い主への復讐計画
英国ロンドン。美術品鑑定士ハリーは富豪で美術品収集家シャバンダーに雇われていたが、自分を無能呼ばわりするパワハラに耐えかねて復讐を計画する。モネの絵画「積みわら-夕暮れ」の贋作をシャバンダーに売りつけ、大金を巻き上げようというものだ。連作である「積みわら-夜明け」を所有しているシャバンダーなら速攻で食いつくはず、と彼の頭の中では完璧な筋書きが出来上がっていた。
ハリーは友人で贋作作りの天才ネルソン少佐に「積みわら」の制作を依頼、次に米国テキサスへ飛び、PJ・プズナウスキーなる女性を探す。戦時中「積みわら-夕暮れ」はナチスによって奪われ、ゲーリングの屋敷に保管されていたが、その屋敷を占領した第一師団の1人がプズナウスキーでPJはその孫娘だった。絵がPJの家で発見されたとなれば話に信憑性が出る。ハリーらはPJに分け前を条件に計画への協力を持ちかける。
モネ・ゲームのネタバレあらすじ:承・誤算に次ぐ誤算
ところが思っていたようには話が進まずシャバンダーは話に乗ってこない。必死の説得でなんとかアポを取りつけたハリーはテキサスから呼び寄せたPJをシャバンダーに引き合わせる。トレーラー暮らしのPJを疑っていたシャバンダーだったが、彼女の開けっぴろげな性格を気に入って食事に誘う。そして問題の絵画はシャバンダーの別荘に運ばせ、その別荘でパーティーを開くことになった。
思わぬ展開にハラハラし通しのハリーのもとにPJが現れ、罪悪感から計画中止を訴える。PJの飛行機代やホテル代など法外な経費がかかった上、敵方の手に落ちたと思ったハリーは怒りをぶつけると、口論になり、PJはシャバンダーがハリーをクビにするつもりでいることを話す。PJの絵を自分以外が鑑定すれば贋作だとバレてしまう… 焦ったハリーは自分の後任だというマーティンにシャバンダーの経営状況が悪化しているとニセの情報を流し、仕事を受けないよう仕向ける。
モネ・ゲームのネタバレあらすじ:転・勝負の時
そして別荘でのパーティーの日、PJの絵も別荘のギャラリーに運ばれ、「積みわら」2作が並べられていた。1人その場に入っていたハリーは番犬ならぬ“番ライオン”に襲われそうになるが、間一髪でPJに助けられる。
そしていよいよシャバンダーの前でハリーが鑑定を行おうとしたその時、シャバンダーはマーティンを呼び入れ、彼に鑑定させる。ところがマーティンはPJの絵を見て本物だと鑑定、嬉しい誤算だったがハリーはプライドからそれが贋作だとバラしてしまう。マーティンはその場でクビ、シャバンダーはハリーにクビの取り消しを告げるが、ハリーは彼を拒絶し、その場を去る。
モネ・ゲームの結末:復讐成功
計画の失敗を謝罪してPJを空港まで送り届けたハリーとネルソン少佐はその足で日本人ビジネスマンのタカガワに会う。タカガワはかつてシャバンダーとオークションで「積みわら-夜明け」を競り合い、負けた相手だった。
実は2人は「積みわら-夜明け」の贋作も用意し、シャバンダーの別荘で本物とすり替えていたのだ。本物をタカガワに売り渡し大金を手に入れた2人は、すでに次のターゲットに向かっていた。
以上、映画「モネ・ゲーム」のあらすじと結末でした。
コーエン兄弟の味付けによるシャレた会話と夢のあるストーリーを、華のある3人の俳優が演じています。コリン・ファースは表裏のある人物を見事に演じ分け、キャメロン・ディアスはお茶目なアメリカ娘を、アラン・リックマンもスケベで有能な億万長者のメディア王を演じていて、それぞれキャスティングが見事だと思いました。中盤、贋作詐欺師の主人公が事前に思い描いていたシナリオ通りに物事が運ばず、ドジがドジを呼ぶハラハラした展開ですが、最後には伏線が上手く回収されて、すっきりとしたラストでした。尺も短めで、カジュアルに見られるコメディ映画です。