双生児-GEMINI-の紹介:1999年日本映画。大徳寺家に生まれた双子の男の子の赤ちゃん。片方の赤ちゃんは太ももに蛇のようなアザがあり捨てられてしまいます。医師として順風満帆の人生を送る雪雄。一方捨てられた捨吉は、貧民窟の男に拾われ息子として育てられます。こんな二人が愛した女は、りんという同じ女でした。再会した双子の兄弟、そしてりんの3人はこの後・・・という内容の、江戸川乱歩の短編小説「双生児〜ある死刑囚が教誨師にうちあけた話〜」を映画化した作品です。
監督:塚本晋也 出演者:本木雅弘(大徳寺雪雄/捨吉) 、りょう(大徳寺りん) 、藤村志保(大徳寺美津枝) 、筒井康隆(大徳寺茂文)ほか
映画「双生児-GEMINI-」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「双生児-GEMINI-」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「双生児-GEMINI-」解説
この解説記事には映画「双生児-GEMINI-」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
双生児-GEMINI-のネタバレあらすじ:起
明治末期、記憶喪失の妻りん(りょう)と実家で暮らす医師の大徳寺雪雄(本木雅弘)は、町で評判の医師として順風満帆の人生を送っています。実家の両親は口数が少なく二人を見守っています。ある日、家の中に変なにおいが充満し騒動になります。使用人たちの掃除の甲斐もなく、美津枝(藤村志保)とりんまでも掃除をする始末です。
その夜、父・茂文(筒井康隆)が変死します。葬儀が終わると、美津枝は悲しみと恐怖で雪雄にすがり「雪雄は本当にりんでよかったのかい。りんがきてから様子がおかしくなった。記憶喪失と言うが本当は・・・」と話します。部屋の陰からりんが聞いているのを見た美津枝は、二人に謝り部屋に戻ります。
深夜、美津枝の目の前に、雪雄そっくりの太ももに蛇のようなアザのある男が現れます。美津枝は驚き、恐怖のあまり心臓発作で死んでしまいます。翌朝、母の死を知った雪雄は家の中と回りを調べます。
夜、嵐になり診療所の戸を叩く音がします。小汚い母親が赤ちゃんを抱いて「診てくれ」とわめいています。一方で、市長が酒に酔って大けがをしたとの一報が入ります。雪雄は、使用人たちに防護服を着せ母子を追い払わせ、運ばれてきた市長の怪我の治療をし始めたのでした。
双生児-GEMINI-のネタバレあらすじ:承
りんが「あの母子は診ないのですか?」と聞くと、雪雄は「貧民窟の親子だ、病原菌をいっぱい持っている、まわりに菌をうつしたら大ごとになる」と答えます。その後二人は言い争いになりなってしまいます。
翌朝、雪雄が目覚めるとりんがいません。気になった雪雄が家の周りを調べていると、自分そっくりの男が現れます。その男は雪雄に暴力を振るい、古井戸に放り込みます。雪雄の服を着た男・捨吉(本木雅弘)は雪雄になりすまし自宅に戻ると「貧民窟の親子が来たから、消毒するためにしばらく診療を休む」と使用人たちに告げます。
井戸の中で雪雄の意識が戻った頃、捨吉がやってきてご飯を投げ込みます。そして「お前の事は何でも知っている、妻のりんのことも」と言って井戸に蓋をして帰り、その夜捨吉はりんを抱きます。
再び雪雄に会いに来た捨吉に「妻に何をした!」と雪雄が怒鳴ります。捨吉はご飯を投げ込み「りんと寝た」と言うと雪雄は井戸の底で暴れ出します。捨吉は「りんは貧民窟の女で、オレの女だった、記憶喪失じゃない」と言います。
捨吉とりんは貧民窟で育ち、二人で生活していました。捨吉は、盗みなど悪事が絶えず、怒りに耐えかねた捨吉の父が「お前は本当の子供じゃない、捨て子で川岸に流れ着いて生きていたから育ててやったんだ」と教えました。
双生児-GEMINI-のネタバレあらすじ:転
捨吉の父は子分たちに「あいつはオレの子じゃない、何処かへ連れて行って放り出してこい」と指示します。男たちに捕まれた捨吉は「必ず迎えに行くから」とりんに言ったまま居なくなります。
捨吉のいなくなったりんは、町の男に強姦されそうになり、男を家ごと焼き殺します。人殺しをやってしまったりんが、川で裸になり体を洗っていた時、通りかかったのが雪雄でした。りんは捨吉だと思い追いかけますが、雪雄は逃げてしまいます。そこでりんは綺麗な着物を着て河原で雪雄を待ち続け、二人が再会しそのまま結婚したのでした。
りんは今一緒にいる男が雪雄ではなく捨吉だと見抜いていました。しかし捨吉は、自分は雪雄だと通し冷静に振る舞います。捨吉は井戸の蓋を開け、大量のご飯を放り込み「これが最後だ」と雪雄に告げます。雪雄は無心にご飯を貪り食っていました。
あの日、父親の子分たちに外の世界に放り出された捨吉は、背広を着た自分そっくりな男を見つけます。そして自分が雪雄と双子で、自分だけが両親に捨てられたことを知ったのでした。そんな回想をしながら、捨吉は「オレは両親に復讐したんだ」と叫んでいなくなりました。
双生児-GEMINI-の結末
太もものアザを消し、雪雄になりきろうとする捨吉。りんも抱かれながらアザがない事に気づきます。捨吉が井戸に様子を見に行くと雪雄がいなくなっていました。慌てる捨吉の背後に回り込んだ雪雄は、捨吉をナイフで刺し殺します。
捨吉が雪雄を殺したと思ったりんは、雪雄と出会った川で入水自殺しようとしています。そこへ体中が黒く汚れた雪雄がやってきます。りんは笑顔になり雪雄を見つめます。
美津枝の出産日、双子の男の子を生み落しました。片方の男の子の太ももには蛇のようなアザがあります。家族で話し合い、アザのある男の子を布でくるんで川に捨てます。やがて男の子は貧民窟巣の住む地区の河原に流れ着きます。通りかかった男が、泣いている男の子を拾い上げて育てたのが捨吉だったのでした。
回復し、再び医師として働く雪雄とりんの間には赤ちゃんができていました。りんが縁側で赤ちゃんを抱き、幸せそうな表情でいます。雪雄は診療鞄を持って歩きはじめます。雪雄が向かったのは貧民窟でした。
以上、映画「双生児-GEMINI-」のあらすじと結末でした。
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