獄門島の紹介:1977年日本映画。市川崑監督・石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第3作目。原作は横溝正史の同名小説だが、原作とは異なるラストも見どころのひとつ。戦後間もない日本。閉鎖的な孤島を舞台に、陰惨な連続殺人が幕を開ける。事件の解明に乗り出す探偵・金田一耕助は、次第に事件を動かす大きな力の存在を知る。
監督:市川崑 出演者:石坂浩二(金田一耕助)、司葉子(勝野)、大原麗子(早苗)、草笛光子(お小夜)、武田洋和(鬼頭千万太)、浅野ゆう子(鬼頭月代)ほか
映画「獄門島(1977年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「獄門島(1977年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
獄門島の予告編 動画
映画「獄門島(1977年)」解説
この解説記事には映画「獄門島(1977年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
獄門島のネタバレあらすじ:獄門島と鬼頭家
終戦直後の昭和21年、岡山県の波止場。私立探偵・金田一耕助は獄門島行きの船を探していました。獄門島はよそ者を嫌う閉鎖的な孤島。島では権力を握る鬼頭家本家(通称本鬼頭)と本鬼頭から独立した家(通称分鬼頭)が対立していました。本鬼頭の千万太と分家の一は共に徴兵されていましたが、一の生還の報が一人の傷痍軍人からもたらされます。一方の千万太は復員船の中で死亡してしまい、金田一はその訃報を伝えるためやって来たのです。獄門島行きの船には戦争で供出した釣鐘が積まれている最中でした。金田一はその場にいた島の住職了然和尚に千万太の遺書を渡します。一緒に獄門島に渡り本鬼頭へ。本鬼頭をまとめている一の妹早苗、千万太の腹違いの妹月代・雪枝・花子、そして女中の勝野を紹介される金田一。本鬼頭の当主与三松は心を病み、座敷牢に隔離され早苗の世話を受けていました。滞在中は了然の寺である千光寺で世話になることに。そこで金田一は三つの俳句が書かれた屏風を見つけます。
獄門島のネタバレあらすじ:千万太の遺言
その晩、金田一は千万太が死の間際「三人の妹が殺される」と不穏な言葉を遺したことを明らかにします。そんな中花子が行方不明に。本鬼頭から千光寺に向かった金田一たちが見たものは、庭の梅の木に逆さ吊りにされた花子の遺体でした。寺の敷地内で兵隊靴の足跡を発見する金田一。さらに岡山県警から等々力警部たちが島にやって来ます。しかし捜査を嘲笑うかのように、今度は雪枝の姿が見えなくなります。崖に置かれた釣鐘の中から、雪枝の振袖がはみ出ているのを発見。鐘の中には、雪枝の絞殺体が押し込まれていました。
獄門島のネタバレあらすじ:本鬼頭の過去
金田一は分鬼頭当主から三姉妹の母親お小夜の話を聞き出します。旅役者だったお小夜に与三松が一目惚れしたのが始まりでした。よそ者を嫌う本鬼頭前当主嘉右衛門は二人の結婚に猛反対。さらにお小夜が邪宗の祈祷師だと知った了然も反対します。しかしお小夜は引き下がらず、与三松との間に娘を三人もうけ本鬼頭に居座ります。その後心を病み、その死後に与三松も狂ってしまったのでした。一方、復員服を着た海賊が目撃され、警察は山狩りを決行。崖まで追い詰めますが海賊は転落し死亡してしまいました。しかし死因は転落死ではなく、何者かによって後頭部を殴られたためだと金田一は言います。
獄門島のネタバレあらすじ:嘉右衛門の執念
続いて与三松も座敷牢から姿を消し、月代はお小夜が使っていた祈祷所にこもり犯人を呪殺しようとします。しかし月代も絞殺体で発見され、遺体は萩の花に彩られていました。三姉妹の死に様が、千光寺にある屏風の俳句になぞらえてあると気づく金田一。千光寺でその推理を聞かせると、了然は静かに花子殺害を認めました。了然は亡き嘉右衛門から今回の連続殺人を託されていたのです。嘉右衛門はお小夜を強く憎んでいました。その子どもである三姉妹には、絶対に本鬼頭を継がせたくなかったのです。千万太が戦死した場合は分家の一に後を継がせようと考えていました。そのために、邪魔な三姉妹を俳句になぞらえて殺してほしいと頼んだのです。千万太の戦死と一の生還、そして釣鐘の返還。この内ひとつでも欠けていたら事件は起こらなかったと了然は語ります。同じ日に揃った三つの条件に了然は嘉右衛門の執念を感じ、花子を殺害、それを目撃した海賊をも手にかけたのでした。しかし雪枝、月代殺害の犯人は別にいると金田一は言います。それはアリバイの無い勝野でした。そこへ一の戦死の報が舞い込みます。傷痍軍人は謝礼目当ての詐欺師だったのです。崩れ落ちた了然は、弟子に寺を任せる儀式をしたいと申し出ます。金田一は本鬼頭へ向かいました。
獄門島の結末:事件の終幕
一方本鬼頭では、何かを探している様子の勝野に早苗が手ぬぐいを差し出します。それは月代の遺体に巻かれていたものでした。早苗は勝野を庇うため証拠品を隠し、さらに一連の事件の疑惑を与三松に向けるためわざと彼を逃がしたと語ります。早苗と一は、実は勝野と嘉右衛門の子どもでした。ずっと叶わなかった親子の名乗りを果たす勝野と早苗。勝野は嘉右衛門の三姉妹殺害計画を聞いてしまい、千万太に手紙を出していたのです。しかし事件は始まり、勝野は雪枝、月代を殺害します。勝野は幼いころ、旅路で瀕死のところを了然に助けられた恩がありました。そのため了然の代わりに犯行に手を染めたのです。そこへ一戦死の知らせが入ります。勝野はそっと本鬼頭を抜け出し、了然と合流して崖に並び立ちます。何か大きな力に動かされてきたと、事件を振り返る了然。そして二人は手を取り合い、断崖から身を投じるのでした。事件が終わり、金田一と警察は島を去ります。出発する船を見送るように、早苗が叩く鐘の音が鳴り響きました。悲しげな音の中、この映画も終幕を迎えます。
以上、映画 獄門島のあらすじと結末でした。
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